東京パラリンピックで3大会連続の金メダル獲得へ……鉄人ザナルディ”準備万端”
昨年11月に行なわれたスーパーGT×DTM特別交流戦にBMWから参戦したアレッサンドロ・ザナルディ。彼にとって今回の来日は“レース参戦”以外にもうひとつ目的があった。
Alex Zanardi
BMW AG
レース中のアクシデントで両脚切断を余儀なくされながらも、今なおレーシングドライバーとして活躍するアレッサンドロ・ザナルディ。2019年11月に富士スピードウェイで行なわれた『スーパーGT×DTM特別交流戦』にBMW Team RBMから参戦し、大きな注目を集めた。
そんなザナルディはレーシングドライバーとして活動する一方、ハンドサイクル競技にも力を入れており、2012年のロンドン大会、2016年のリオデジャネイロ大会ではともに金メダルを獲得した。
特別交流戦が開催された富士スピードウェイは、2020年8月から9月にかけて開催される東京パラリンピックのハンドサイクル競技の会場となっている。レースウィーク中、ザナルディにハンドサイクルのことについて訊くと「コースなら、もうチェックしたよ!」と即答。今回の来日は“パラリンピックのコース下見”も兼ねていたようだ。
「僕は(特別交流戦の)前の週の日曜日(11月17日)に日本に来て、月曜日と火曜日(11月18日〜19日)はタイムトライアルとロードレースのコースを実際に走って“テスト”をした。もちろん、今回来日した一番の目的は特別交流戦の参戦だったけど、この2日間で(東京パラリンピックに向けて)すごく有益なデータを得ることができた」
そう語ったザナルディ。リオデジャネイロ大会でも出場したタイムトライアルとロードレースのコースを重点的にチェックしたという。いずれのコースとも富士スピードウェイの本コースを逆走し、場内道路を中心としたレイアウトとなっている。ロードレースのコースはサーキット周辺の一般道も利用されるが、ザナルディはそこの下見も行なったとのことだ。
水曜日以降も時間を見つけてはハンドサイクルでトレーニングに励んでいたザナルディ。その目撃情報がSNSでも多数投稿されていた。
今回の下見を通して、課題も明確になったと言うザナルディ。早くも3大会連続の金メダル獲得に向けて、事前準備の最終段階を迎えようとしていた。
「富士スピードウェイを中心としたコースに対して、これから自分がどこを重点的にトレーニングしなければいけないかがわかった」
「コースは本当に素晴らしいし、特に火曜日の練習の時にみた富士山は本当に美しかった。コースもすごくテクニカルで、アップダウンもあってキツいコースという印象だったけど、本番に向けていい下準備ができた」
そしてザナルディは特別交流戦での来日を通して、日本のレースファンの熱心さにも感銘を受けたという。
「ここ最近は日本に来る機会がほとんどなかったから、こうして日本のファンと触れ合う機会も今まではあまりなかった。だけど今回、改めて多くの日本のファンが僕に注目してくれて応援してくれていることが分かって……すごく感激した。みんなが僕のところに来てくれて、応援してくれる気持ちが僕の心の底に届いたような感じだった。本当に嬉しかったよ」
そう語ったザナルディ。過去にはF1(鈴鹿)、CART(もてぎ)、WTCC(岡山)などで日本を訪れる機会が少なくなかったのだが、いずれのレースでも好結果を残すことができなかった。今回の特別交流戦でも、レース1ではマシントラブルによりリタイアとなってしまったが、レース2では一時2番手に浮上するも最終的には22台中13位でフィニッシュと、上位に食い込むことはできなかった。
日本でのレースの印象についてザナルディは「日本を訪れるのは好きなんだけど、レースでは毎回満足いく結果を残せていないんだ」と、少し残念そうに語っていたのが印象的だった。今度はレーシングカーではなくハンドサイクルで日本の舞台に挑戦することになるのだが、彼が求めている“最高の結果”が手にできるか? 大会本番(9月1日〜4日)での彼の走りから目が離せない。
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