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全日本ラリーにも激しいタイヤ開発競争あり! コバライネン圧倒的速さ”全SS首位”で連勝|第2戦ツール・ド・九州

全日本ラリー選手権第2戦ツール・ド・九州が行なわれ、ヘイキ・コバライネンが圧倒的速さを披露。全SSをトップタイムで駆け抜け、開幕戦に続き連勝を果たした。この全日本ラリーにも、スーパーGTと同じようにタイヤ開発競争が存在する。

ヘイキ・コバライネン

写真:: Izumi Hiromoto

 2022年の全日本ラリー選手権第2戦「ツール・ド・九州」が4月1日〜3日、佐賀県唐津市で開催。この一戦で圧倒的な強さを披露したのが、シュコダ・ファビアR5を武器に開幕戦「新城ラリー」を制したヘイキ・コバライネンで、初挑戦ながら唐津のターマックを攻略し、全SSベストタイムで2連勝を達成した。

 このコバライネンの背後で激しい2番手争いを展開したのが、ヌタハララリーチームの奴田原文雄とトヨタGAZOOレーシングの勝田範彦。2台のトヨタGRヤリスが激しいバトルを展開し、奴田原が一騎打ちを制した。彼は2番手でレグ1を終えた時、次のようにコメントしていた。

「今日のコンディションには、ダンロップよりヨコハマの方が合っていたと思います」

 結局、奴田原はレグ1で築いたマージンを守り抜いて2位に入り、今季初の表彰台を獲得した。これに対して3位と惜敗した勝田はレグ1を終えた時、「SS1でタイヤを使い過ぎてしまいました」と語っていたが、その遅れを最後まで挽回することはできなかった。

 同じGRヤリスでも、ヨコハマタイヤを装着した奴田原とダンロップタイヤを装着した勝田。明暗を分けた要因のひとつに、タイヤおよびタイヤマネジメントも含まれていたに違いない。

 全日本ラリー選手権は、スーパーGTと同様にタイヤコンペティションとなっており、時としてタイヤのパフォーマンスがリザルトを左右する。例えばJN1クラスにはシュコダ・ファビアR5、トヨタGRヤリス、スバルWRX、三菱ランサーエボリューションなどが参戦しているが、そのマシンの違いに加えて、ファビアR5ならダンロップのコバライネンVSミシュランの福永修、GRヤリスなら前述のとおりダンロップの勝田VSヨコハマの奴田原、スバルWRXならダンロップの鎌田卓麻VSヨコハマの新井敏弘といったように、同車種同士でのタイヤ対決が展開されている。これも全日本ラリーの興味深いポイントだ。

 全日本ラリー選手権はFIAの公認タイヤが使用されるR5仕様車を除いて、ほとんどの車両でハイグリップラジアルが使用されている。4月の岡山国際サーキット、8月の富士スピードウェイ……といったように、ピンポイントで開発が行われるスーパーGTのレーシングタイヤほどシビアではないが、それでも2021年の全日本ラリー選手権でタイトルを獲得した勝田も「ラリーハイランドマスターズも久万高原ラリーも終盤のターマック戦はダンロップに助けられた。新しいタイヤがウエットコンディションでアドバンテージになっていた」と語ったように、タイヤとコンディションとのマッチングがリザルトを左右する大きなファクターとなっている。

 タイヤがワンメイクとなっているF1やWRCに対して、タイヤ競争が行なわれている全日本ラリー。このことについてコバライネンは、次のように語った。

「ルノーではテストドライバーの時にミシュランタイヤを履いた。F1デビューしてからはブリヂストンやピレリも履いたけど、実際にタイヤコンペティションを経験したのはスーパーGTに参戦してからだった」

 コバライネンがルノーでテストドライバーを担当していた頃、F1ではミシュランとブリヂストンの激しい”タイヤ戦争”が繰り広げられていた。しかし彼がデビューした2007年以降はブリヂストンのワンメイク、そして2011年からはピレリのワンメイクであり、コバライネンがF1ドライバーとしてタイヤコンペティションを経験したことはなかったのだ。しかし彼が昨年まで参戦していたスーパーGTは、今も激しいタイヤコンペティションが行なわれている。

「(コンペティションがあるのは)タイヤは常に進化していくので良いことだと思う。もしワンメイクだったらタイヤが進化しないからね。だから、全日本ラリーのタイヤコンペティションも良いと思う。エンジニアと一緒にタイヤ開発を行なうことはドライバーとしては面白いよ」

ヘイキ・コバライネンのマシンに装着されるダンロップタイヤ

ヘイキ・コバライネンのマシンに装着されるダンロップタイヤ

Photo by: Izumi Hiromoto

 そう語るコバライネンは、全日本ラリーでダンロップタイヤを選んだ理由についてこう説明する。

「JN2クラスでダンロップを使ってきたけれど、リレーションシップがしっかりしていて、僕のリクエストをエンジニアが理解し、それに合わせて改良を行なってくれていた。もちろん、タイヤの性能が良いということもあるけれど、ダンロップのエンジニアはF1やスーパーGTなど僕の経験を注意深く聞いてくれた。そういった関係が重要だった」

「ヨコハマタイヤを装着して走った経験はないけれど、ダンロップはとても構造が強いと思う。僕はF1の時からグリップよりもスタビリティを重視しているんだけど、ダンロップのフィーリングがとても良かった」

 そうコバライネンは語る。

 スバルWRXにダンロップを装着する鎌田は「FIAのコントロール用タイヤと全日本ラリー用のタイヤはそもそも考え方が違うので、まったく違うタイヤです」と前置きした上で、ダンロップの特徴について「ゴムの種類が多いので、シチュエーションに合わせたタイヤ選択ができるところがポイントです」と説明する。

 一方、GRヤリスにヨコハマタイヤを装着する奴田原は「幅広いコンディションに対応できるタイヤだと思います。ピンポイントには合わせられていないけれど、いろんなユーザーが使いやすいと思います」と語ってくれた。

 ちなみにツール・ド・九州では、レーシングドライバーとして活躍する久保凛太郎がスバルBRZを武器にJN3クラスに参戦。レグ1でスピンを演じたためにクラス5位に終わったが、ダンロップ勢、ヨコハマ勢を抑えてブリヂストンユーザーの久保がSSベストを奪取したことは興味深いトピックスのひとつだ。

 全日本ラリー選手権は、タイヤ競争という部分においても実にユニークなシリーズとなっている。

 
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