アロンソ、”コース外走行”許されたライコネンへの裁定に困惑「受け入れるしかないけど……」
フェルナンド・アロンソは、F1アメリカGPでキミ・ライコネンがコース外走行でオーバーテイクしたのが許され、他のドライバーはそうでなかったことに困惑しているようだ。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
F1アメリカGPで、アルファロメオの2台と激しいバトルを展開したフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)。彼はF1アメリカGPでの裁定がまたも一貫性のないものだったことに困惑しているようだ。
このレースでは、アロンソを含む多くのドライバーが、コース外走行でアドバンテージを得たとしてポジションを譲るよう指示されていた。
だが16周目、アロンソはターン1でキミ・ライコネン(アルファロメオ)とサイドバイサイドに。ライコネンはコース外に出る形になりながらもアロンソの前に出ると、そのままポジションをキープした。
アロンソはライコネンにポジションを戻すよう指示が出なかったことに困惑しているようだ。特に「ライコネンがコースアウトしたのは、彼が(アロンソに)押し出される形になったからだ」という指摘には納得できていないという。
Antonio Giovinazzi, Alfa Romeo Racing C41, Fernando Alonso, Alpine A521, and Kimi Raikkonen, Alfa Romeo Racing C41
Photo by: Andy Hone / Motorsport Images
FIAの判断について、アロンソは「言うまでもないけど、彼らの判断だから受け入れるしかない」と語った。
「1周目のターン12で、ランド(ノリス/マクラーレン)にも同じようなことがあったと思う。彼はインサイドでブレーキをかけてサインツ(フェラーリのカルロス・サインツJr.)をオーバーテイクし、コースオフしたサインツがポジションを取り戻した。そしてポジションを戻さざるを得なかった」
「レース中盤(25周目)に、僕がジョビナッツィ(アントニオ・ジョビナッツィ/アルファロメオ)をオーバーテイクした時、僕はターン12のイン側でブレーキをかけ、彼を押し出す形になってしまった。彼はコース外でポジションを回復し、その時は僕にポジションを返さなければならなかった」
「ある意味で、イン側でブレーキをかけるときは、いつも相手をコース外に追いやることになるんだ。そして彼ら(アウトサイドのドライバー)は、手を引くのか、それとも”サーキットの外”を全開で走るのかを決めなければならない」
「それはサインツやジョビナッツィ、そして僕がやったことだ。そして僕たちはポジションを戻さなくてはいけなかった。トラック外をフルスロットルで走ったからね。だがキミは例外だった。それが、一貫性がないと感じた理由だ」
「そうしたことで10秒くらいロスしてしまい、ポイント獲得の可能性が無くなってしまった。でも1ポイントしか獲れなかっただろうから、あまり怒らないでおこうということだ。それにリヤウイングの故障もあったし、これでレースが変わってしまったわけではないんだ。だから、問題というわけではない」
アロンソは「リヤウイングが壊れた」と無線で訴え、残り5周のところでピットに戻ってレースを終えている。
アロンソは今季、何度か裁定の一貫性に対して不満をこぼしている。ロシアGPでは、スタート直後のターン2でランオフエリアに飛び出し、ポジションを落とすことなくコースに復帰。翌トルコGPで、自分に対してどんな裁定が出るのか、FIAを試していたかのようなコメントを残している。
そのアロンソは、21周目にターン12でジョビナッツィにオーバーテイクをしかけ大きくオーバーラン。ジョビナッツィの前でコースに戻ったが、ポジションを戻すようFIAに指示された。
ライコネンに対してペナルティが出されない中で、ある意味FIAにアピールするような意図があるオーバーテイクなのではないかとも思われたが、アロンソはそれを否定した。
「アントニオをオーバーテイクした時の感触はOKだった」と、アロンソは語った。
「ターン12に向けて、かなりレイトブレーキングだったから、出口でコースを外れてしまった。だから、チームからポジションを返せと言われたときには、それが正しいことだと理解したし、ブレーキが遅すぎたのだから論理的にも納得できた。もし、あそこに壁があったら、あんなに遅くブレーキをかけることはないだろう」
「僕がコースを外れてアドバンテージを得たから、ポジションを戻さなくてはいけなかった。だからスローダウンしたんだ」
「残念ながら、すでに彼より3秒も前にいたので、かなりの時間をロスしてしまった。でもその判断は理解できた。そしてその後、彼も同じことをして、僕にポジションを返さなければならなくなった。そう、僕の最初の主張に戻ってくるんだ。キミに関して、おかしいと感じていることにね」
「でも、僕は何かを証明しようとしていたわけではない。ただ、順位を挽回しようとしていただけだ。10位が本当の目標だったし、努力もした。僕たちは、FIAが言っていることすべてをリスペクトしているよ」
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