立つ鳥跡を濁さず。ベッテルは「F1引退表明後も来季のマシン開発に注力している」とチーム代表明かす
アストンマーチン代表は、セバスチャン・ベッテルはF1引退が間近に迫っているにも関わらず、来季のマシン開発に注力していると明かした。
写真:: Sam Bloxham / Motorsport Images
ハンガリーGPで今季限りでのF1引退を表明したアストンマーチンのセバスチャン・ベッテルは、ベルギーGPを終えてF1での残りレースが8戦となった。しかしベッテルは、最終戦アブダビGPでチームを去る身ながらも、依然として2023年マシンの開発について注力してくれているとチーム代表のマイク・クラックは明かしている。
アストンマーチンはベッテルの引退発表後、すぐさまアルピーヌからフェルナンド・アロンソを後任として引き抜いた。ベッテルは今季限りで離れるため、彼にとって来季のマシンに携わることで得られる個人的な利益は何もない。
しかし今季マシン『AMR22』で苦労してきたチームの進歩に貢献したいという願いから、ベッテルは開発に協力しているようだ。
ベルギーGP終了後、ベッテルが将来的な改良に向けて考えているのかと訊かれたクラックは、次のように答えた。
「イエス、考えているよ」
「彼が依然としていかにプロフェッショナルであるか、いかに献身的であるかということが分かると思う。実際、今回のデブリーフィングでも『来年のマシンをお願い。それについて考えよう』と言っていた。だから彼はやる気なのだ」
クラックは、ベッテルがコース上でもコース外でも気を緩めている様子はないと言い、ベルギーGPで見せた鬼気迫る走りとそれによる8位入賞を例に挙げ、こう語る。
「ああ、それは彼の性格によるモノじゃない。彼はプロフェッショナルなのだ」
「そして彼は最後の瞬間まで、全てを出し切ろうとする。それは彼が我々に引退を告げた時に、最初に言ったことでもある。そして今日(日曜日)、我々はそれをこの目で見たんだ」
Sebastian Vettel, Aston Martin AMR22
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
ベッテルは、引退を発表した際、F1よりも家族の将来について考えるようになったと語っていた。しかし、ベッテルがレースに対して気を抜いているという指摘をクラックは否定している。
「いや、全く気を抜いていないよ」とクラックは言う。
「それが面白いところなのだ。木曜日に彼と長話をしている際に、彼がそれについてどう感じているかとかそういうことを話した。それで彼はあまり”別れ”という言葉を聞きたがらなかった」
「『ありがとう、セバスチャン』と書かれた旗を目にしたり、『これは”お別れツアー”なのか』と訊かれたりもしたが、そんなことは全くない。我々もお別れだとは考えていない」
「シーズン終了後にはちょっとしたお別れ会をする予定だが、それまでは全力を出し切るつもりだ。ライバルと少し差が開いた状態だからね。今のままのポジションでは終われない」
「空港に向かったり、飛行機に乗っている時は、家族とかのことをもっと考えていると思う。でもマシンに乗っている時は、完全集中していると思う」
なおクラックは、引退後にベッテルがアストンマーチンのアンバサダー的役割を担うことについて、まだ話し合いはしていないと語った。
「正直なところ、それについて話をしたことはない。この発表は(サマーブレイクの)シャットダウンの直前に行なわれたからね」
「そして我々は、彼に考える時間を与える必要があると思う。彼も計画を立てなければならないし、他のことを始める前に少しは休みを取りたいと思うだろう。だから、我々はそれについて話をしていないのだ」
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