MotoGP アルガルヴェGP

MotoGPにもF1式スーパーライセンス制度が必要? Moto3で発生“タイトル幇助”クラッシュが物議かもす

ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤはアルガルヴェGPのMoto3決勝で発生したクラッシュを受け、MotoGPにもF1のスーパーライセンス制度のような仕組みが必要だと訴えた。

Lewis Duncan

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編集: 2021/11/09 7:37

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Darryn Binder, Petronas Sprinta Racing

 MotoGP2021年シーズンは若手ライダーの事故死が続き、参戦可能年齢の引き上げといった対策が策定されるに至ったが、終盤になりまた別の問題が持ち上がってきた。

 切っ掛けとなったのは、MotoGP第17戦アルガルヴェGPのMoto3クラス決勝で発生したクラッシュだ。

 タイトルを争うランキング首位のペドロ・アコスタと2番手のデニス・フォッジアが激しく先頭を争っていた最終ラップで、4番手を走行していたダリン・ビンダーがブレーキングで止まりきれずにフォッジアへ衝突。これでフォッジアは転倒してしまい、タイトル争いはあっけない形でアコスタに軍配が上がることになった。

 

 ビンダーの衝突に対し、フォッジアの所属するLeopard Racingは「今季の努力を無に帰した」と怒気を示しており、彼がレース直後にガレージへ謝罪に訪れた際も追い返したほどだ。なおビンダーはレース後に無責任なライディングと認定され、失格処分を受けている。

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 このアクシデントは大きな話題を呼んだが、それにはMoto3タイトル争いにケチをつける形となってしまったこと以外にも、原因となったビンダーが2022年から最高峰クラスへ“飛び級”でステップアップすることも無関係ではない。

 ビンダーはMoto3で既に7年のキャリアとなっているが、そのアグレッシブなライディングから他ライダーを転倒させることも多々あり、「急降下爆撃:”ビンダー”・ミサイル」とのあだ名までつけられるほどだ。

 そうしたライダーが最高峰クラスへ昇格することについては、当初から疑問の声も上がっていた。そこに今回の衝突が発生したことで、一部のMotoGPライダーからはF1のようなスーパーライセンス制度が必要なのではないかという声があがるようになった。

※スーパーライセンス:F1参戦に必要とされるライセンス。現在は発給されるためには、下位カテゴリーでの年間成績に応じて付与されるスーパーライセンスポイントを、直近3年で一定数(40ポイント)以上獲得していることが必須とされている。

 アルガルヴェGPのMotoGPクラスで優勝したフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)に、Moto3で発生した事件についての見解を求めると、彼は次のように答えた。

「僕らには4輪のシリーズのような、スーパーライセンスが必要だと思う」

「チャンピオンシップでしっかりとした成績を残しているなら、次のレベルに進むことができる」

「今日僕らが目にした出来事は、珍しくないことだ。僕らは彼のこうしたクラッシュを何度も見てきたからね」

「他のライダーについて話すのは適切じゃないとは思う。でも彼は来年僕らとMotoGPを走ることになる。こうした事故が発生しないことを願っている。ただそういうのは、彼が考えなくてはいけないことでもある」

 そう語ったバニャイヤ。しかし9度の世界王者でバニャイヤの師匠でもあるバレンティーノ・ロッシは、スーパーライセンス制度は根本的な問題の対処にはならないだろうと考えている。

「レースで起こったことだけど、フォッジアにとっては面白くないだろう。チャンピオン争いがこうした形で終わるのは難しいものだ」

「スーパーライセンスについて詳しいわけじゃないけど、ビンダーの例のように、いつもいつもアグレッシブなライダーは存在する。そして彼らは時にはこうしたミスを犯してしまう。これは他の人にとってはフェアじゃない」

「でもそれはライダーひとりひとりの問題だ。だからスーパーライセンスが必要なのかどうかについては、正直分からない」

 ヤマハのフランコ・モルビデリは、スーパーライセンス制も選択肢のひとつだと同意を示すライダーのひとりだ。ただ彼は必ずしも偉大なライダーが下位クラスで素晴らしい結果を残しているわけではない、とも強調している。実際、2021年のチャンピオンとなったファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)も、Moto2とMoto3クラス時代にはタイトル争いにも参加できていない状態だったが、MotoGPクラスへ昇格すると、一気に才能を開花させている。

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 Moto3クラスからMotoGPクラスへの飛び級昇格という点では、ビンダーの先輩にあたるライダーがジャック・ミラー(ドゥカティ)だ。彼はビンダーが事件はMotoGPクラスのどのライダーでも起こりうることだと指摘している。

「僕はなんと言えば良いだろうね? 自分もダリンと同じこと(Moto3からの飛び級)をしてきたんだ」

「ミスは起こりうるものだし、インシデントも起こりうるものだ。接触はそのひとつだと思うけど、そこにはマージンがなければならない」

「今日Moto3で起きたことは、フォッジアにとってもペドロにとっても全く良いことではなかったということには、100%同意する。ルーキーシーズンに(アコスタが)やったこと(の価値)が減じられてしまうからだ」

「レース終盤のアコスタにはマージンがあったと思うけど、この件でチャンピオンシップ争いの機会が奪われてしまった」

「こういったコトは起きる可能性があるものだ。でも僕が心配して、ナーバスになっているのか? と言われれば、そうじゃない。MotoGPはレベルが違うからね。心配する必要はないと思う」

 

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