渡航制限に頭を悩ませるF1。アゼルバイジャンGPとトルコGPの日程入れ替えは実行不可能
F1はイギリスとトルコ間の渡航制限に頭を悩ませているが、F1アゼルバイジャンGPの主催者は、トルコGPとの日程入れ替えの可能性を否定した。
写真:: Steve Etherington / Motorsport Images
2021年シーズンも新型コロナウイルスとそれに対する渡航制限に影響を受けているF1。中止となったカナダGPに代わり、トルコGPが第6戦アゼルバイジャンGPから1週間後の6月11~13日に開催されることになった。
しかしイギリス政府がトルコを渡航規制の対象となるレッドリストに5月12日付で追加することを発表した。これにより、英国に帰国する者が直近10日以内にこのレッドリストに掲載された国へ滞在していた場合、政府が承認したホテルでの10日間の検疫を受けなければいけなくなる。
この検疫義務は、F1チーム関係者なども免除されないことが分かっている。F1は全10チーム中7チームがイギリスを拠点としており、多くの関係者の移動に支障が出ることになる。
解決策のひとつとして考えられていたのが、アゼルバイジャンGPとトルコGPの日程を入れ替えるということだ。そうすれば、各チームのスタッフはトルコ以外の国で十分な時間を過ごし、検疫措置を受けずに帰国することが可能となる。
しかしバクー市街地サーキットのエグゼクティブ・ディレクターであるアリフ・ラヒモフは、バクーではアゼルバイジャンGPの翌週にサッカーのUEFAユーロ2020の試合が開催されるため、トルコGPとの日程入れ替えは実現不可能だと述べた。バクーのオリンピック・スタジアムで、6月12日にウェールズとスイスの試合が予定されているのだ。
ラヒモフは、12日(水)に行なわれたメディアブリーフィングで次のように話した。
「話し合いはあったが、我々の場合、レースウィークエンドの日程は動かせない」
「このイベントは、街で開催される他のイベントの合間に開催される形になっており、サッカーのイベントはまだ進行中だ。最初の試合は6月12日で、レース翌週の土曜日だ。そのため、今年はあまり柔軟に対応することはできない」
「もし、F1アゼルバイジャンGPがバクーで唯一のメジャーイベントとなるような年であったなら、そのような選択肢もあったかもしれない。しかし今年はそうではないんだ」
F1は現在トルコGPに向けて、ヨーロッパでの追加開催も含めて、様々な選択肢の検討を進めているようだ。
アゼルバイジャンGPは、コロナ禍の影響で昨年のレース開催を断念。今季はカレンダーに復帰したものの、3月の時点で無観客開催となることを発表していた。
とはいえ、アゼルバイジャンGPは市街地サーキットでの開催となるため、オーガナイザーとしての仕事は40%ほど残っていると、ラヒモフは話す。
「例年は様々な催し物を行なってきた。毎年3回のコンサートを行ない、アフターパーティーやピットレーンなど、観客のためにやるべきことはたくさんあったが、今年はそれらを行なわない」
「唯一残っているのは、パンデミックにおける対応として、全員の安全を確保するということだ。それはサーキットで働く人たち、つまり全ての関係者があてはまる」
「そのために、マスクの着用や個人の衛生管理など、WHOや国内で義務付けられているあらゆる予防措置をとっている。それが複雑だとは言わない。ただこれまでとは違うし、残念だということだ」
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