MotoGP カタルニアGP

ブレンボ、MotoGPオーストリア連戦に向け新型ブレーキをテスト。2020年はビニャーレスがトラブルで大クラッシュ

MotoGP最高峰クラスでブレーキシステムを供給しているブレンボは、カタルニアテストで夏休み明けのオーストリア連戦に向けたブレーキをテストした。

German Garcia Casanovs

編集: 2021/06/11 0:50

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Brakes

 オーストリアのレッドブルリンクで行なわれた2020年のMotoGPスティリアGPで、ヤマハのマーベリック・ビニャーレスがブレーキトラブルによって大クラッシュに見舞われた。これによってレースは赤旗中断となりレースの展開に大きな影響を及ぼしたが、2021年シーズンはこうした問題を繰り返さないためにも、ブレンボが改善を施したブレーキを投入する予定であることが分かった。

 レッドブルリンクは直線成分の多いコースで、ハードブレーキングが要求されるレイアウト。そのためブレーキには大きな負荷がかかる。昨年行なわれたレッドブルリングでの連戦のうち、前半のオーストリアGPの時点で多くのライダーがブレーキのオーバーヒートに苦しんでいた。

 ヤマハ側はこのクラッシュについて当初ブレーキの故障が原因だと主張。しかしビニャーレスはブレンボがレッドブルリンク用に準備し、使用を推奨していた放熱性能を改善したブレーキキャリパーを使用していなかったことが分かっている。またビニャーレスはこの時340mmではなく320mmのブレーキディスクを使用していた。

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Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

 MotoGPは2021年シーズンも新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受け、レッドブルリンクでの2連戦を開催予定だ。ブレンボは昨シーズンのようなトラブルを繰り返さないためにも、より安全性を高めるためのブレーキシステム開発を行なっており、カタルニアテストで新型のテストを実施した。

 新型は340mmのブレーキディスクを使用。小さな穴を空けることで、放熱性能を上げて温度上昇を防ぎ、カーボンブレーキの運用温度範囲の上限付近である700〜800℃に保つ助けになることを狙っている。なおこの新型はレッドブルリンク戦だけではなく、今シーズン後半戦の日本GPやタイGP、マレーシアGPなどでも使用される予定だ。

 バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)は「負荷の大きいオーストリア戦に向けたブレーキを試したけど、フィーリングは良かったし気に入った。それを使うつもりだ」とコメントしている。

 またあるトップMotoGPライダーのトラックエンジニアは、motorsport.comの取材に対し、改良されたブレーキについて次のように説明を行なっている。

「月曜(6月7日)に初めてこれらのブレーキをテストした。昨年の事故の後、我々は(ブレーキの)温度に余裕を保つ必要があった。彼らの提供しているものはパフォーマンスを向上させるものではなく、安全性の改善を目指したものだ」

「テスト後には新型のブレーキが(振動を始める)1000℃に達する前の安全マージンが得られることが分かった」

■MotoGPのブレーキ、2022年はさらに大型化?

 またブレンボは高速化するMotoGPマシンへの対処として、2022年シーズンに向けてブレーキのさらなる改良を計画。ディスクを360mmへと大径化することを目指している。なお現在のMotoGPマシンでは360mmのディスクが最大限のサイズとなる。

「340mmディスクでは、MotoGPは限界に達してきている」

 そう語るのは、ブレンボのカスタマーマネージャー兼エンジニアのアンドレア・ペッレグリーニだ。

「我々はベンチレーションを進化させ、ディスクの接触面積を大きくし、冷却のためのエアインテークもより大型化した。またディスクとパッドの形状にも取り組んでいる」

「オーストリアではハードブレーキングポイントがあり、ブレーキシステムが非常に高温になる。これらの新ディスクによって、より低い範囲内の温度によって安定したパフォーマンスを提供できることを望んでいる」

「殆どのライダーがカタルニアテストで試していて、試していないのは2〜3人のみだ。基本的にフィードバックは非常に良いものだった」

「現在では殆ど全てのチームが340mmのブレーキディスクを使用している。MotoGPはどんどんエアロダイナミクスの活用を進めているため、より強力なストッピングパワーが必要なのだ」

「来年に向け、我々はより大型の360mmのディスクの準備を進めており、ドルナとIRTAはこれを承認する事が必要になるだろう」

 

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