分析
MotoGP 第4戦スペインGP
MotoGPメカ解説|出揃った各メーカーの“スプーン”。その形状と役割
先週行われたヘレステストでは、全メーカーがドゥカティが最初に使用した“スプーン”同様の”スイングアームアタッチメント”を導入。各チームの異なるデザインをチェックする。

Jake Boxall-Legge
編集: 2021/05/05 16:13
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“本家本元”ドゥカティのスプーンは、3枚のウイングレットによって構成されているが、その翼弦長は同じように見える。
端的に言えば、このウイングレットは気流を上向きにし、その気流は後部カウルの裏側に入る。そこで、冷たい空気はタイヤの表面に向い、温度を下げることができるとドゥカティが主張し、議論の的になっていたわけだ。
現実的には、ウイングレットはスイングアーム部にダウンフォースを生み出すことができ、最終的には加速時のトラクション向上を目指していると思われる。

上写真はアプリリアのスプーンだ。彼らのウイングレットは、長い前後長をもっているが、これはマシン下部から気流をすくい上げ、スイングアームを路面に押し付けるためだと思われる。

ヤマハのスプーンの外見は、他メーカーと異なり“アリクイ”状の形を取っている。先端が劇的に細くなっているのだ。意図した目的が異なっているように思えるが、その形状は雨除けのディフレクターに非常に近い。最下部のウイングレット後部には半円の切り欠きがあり、その目的は低圧の空気を拡散させることにあると考えられる。 また、こうした形状は下部の低圧エリアの発達に繋がり、真下の気流をノズルへ押し付けるはずだ。そしてその後方のより広いエリアへ拡散するだろう。

ヤマハのスプーンは、昨シーズン使用していたディフレクターの利点と、スイングアームを軸としたダウンフォースの生成の折衷案のようだ。他メーカーのあからさまなデザインとはまた違っている。特にその先端の短い翼長はダウンフォースの生成量も制限されるだろう。しかし、トラックコンディションがウェットの場合は、より多くの選択肢を示してくれるはずだ。

スズキはより低く、前方へ出たタイプのパーツを持ち込んだ。特徴的なのはひとつ目のウイングレットの前後が長く、平らな点だ。地面の近くを走るという事は、このウイングレットがある程度のグラウンドエフェクト効果を作り出し、スイングアームを地面により吸い付けることを意味している。 残りのウイングレットは徐々に前後長が小さくなっており、そうした小さなふたつの部分は、強いアップウォッシュを生み出し、下部フェアリングが生み出す気流を遮断し、さらなるダウンフォースを絞り出している。そして、乱気流の大部分へ入る気流からタイヤを守っていると考えられる。

ホンダが試している物は、他よりもかなり実用的だ。1枚で構成されたウイングレットは、少なくはあるが確実にダウンフォースを生成するだろう。

そしてKTM(アメリカズにて撮影)の物は、ほぼヤマハのディフレクターをコピーしたような物となっている。タイヤ冷却用としての構造やスリットは存在しない。このパーツによって、タイヤはマシン後部からの水飛沫による影響をより受けにくくなるはずだ。
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