大量のトラックリミット違反が検知されたスティリアGP受けクラッチローが苦言「レッドブルリンクは最低なコース」

カル・クラッチローは、MotoGPスティリアGPでトラックリミットが問題となったのは、レッドブルリンクが“最低なサーキット”だからだと語った。

Cal Crutchlow, Petronas Yamaha SRT

Cal Crutchlow, Petronas Yamaha SRT

Gold and Goose / Motorsport Images

 レッドブルリンクで行なわれたMotoGPスティリアGPでは、ペトロナス・ヤマハSRTから代役参戦したカル・クラッチローを含む12人のライダーが3度のトラックリミット違反による警告を受け、5人のライダーが5度のトラックリミット違反でロングラップペナルティを受けた。これに関してクラッチローは、サーキット側に問題があると考えている。

 今回のレースでのトラックリミット違反は、他のサーキットでのレースと比較しても多かった。TTサーキット・アッセンで行なわれた前戦オランダGPでは、トラックリミット違反により警告を受けたのが5人、ロングラップペナルティを受けたのはひとりだった。

 クラッチローは、なぜレッドブルリンクでこれほどまでにトラックリミットが問題になるのかと問われ、次のように答えた。

「それ(トラックリミット違反)は多くのサーキットで起こることだが、ここで多く起こるのはこのサーキットが最低なサーキットだからだ」

「(コースの)外側が緑色になっている部分が多くあるけど、そこを走らないようにするのはとても難しい」

「集団の中にいて、なおかつスリップストリームを使っていて、バイクがコーナーの途中でふらついたならば、ライダーはその部分に向かっていくことになる」

「ただ僕が納得できないのは、トラックリミットの警告を受けた時にダッシュボードにそのメッセージが表示されなかったことだ」

「(ダッシュボードの)ライトが点灯するはずなのに、僕がトラックリミットの警告を受けた時には点灯しなかった。僕がトラックリミットの警告を受けた時間と、ライトが光った時間には15分の開きがあった。そしてライトが光った時もメッセージは表示されなかった」

 クラッチローは、MotoGPが取り締まりのために使用しているトラックリミット・センサーの感度の高さを問題視している。というのもクラッチローとしては、マシンが縁石外側にある緑色に塗られたランオフエリアに出たとしても、それほど大きなアドバンテージを得られるとは考えていないからだ。

「タイヤがグリーンのところに少し出ただけでもセンサーが作動する。実際にはタイヤが完全にグリーンの部分に落ちきっていなくても作動してしまうんだ」とクラッチローは言う。

「それには賛同しかねる。だってタイヤがグリーンに乗っていないんだから」

「これらを取り締まるのは難しい。僕はこれに反対しているけど、ある意味これは大変な仕事だとは思っている」

「ただ、あれでアドバンテージを得ているかと言われれば、そうは思わない」

「誰かがコース外に出ることで1秒得したなら、アドバンテージを得たと言えるし、それなら(罰則を受けるのも)納得できる」

「でもグリーンの場所に乗った時は大抵マシンが滑ってタイムをロスする。だから難しいところだ」

「最終ラップにグリーンに乗ってしまってポジションを落とす羽目になったのを何度か見てきた。これには納得できないし、良いことではないと思う」

 

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