1992年以来の大激戦……2019年のモナコGPはハラハラ? それともイライラ?
緊迫した首位争いが繰り広げられた今年のモナコGPは、1992年のレースを彷彿とさせるものだっただろうか?
写真:: Steve Etherington / Motorsport Images
James Allen on F1
James Allen is one of the most experienced and insightful broadcasters and journalists working in Formula 1 today.
ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、今年のモナコGPでの勝利を、キャリアの中で最も激戦で、最高の勝利のひとつだと考えている。
ハミルトン、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、バルテリ・ボッタス(メルセデス)という上位4台の間にはオーバーテイクこそなかったものの、優勝争いは非常に緊迫したものとなった。
レース序盤にセーフティカーが入った際、上位4台は全車ピットインしタイヤを交換した。ベッテル、フェルスタッペン、ボッタスはハードタイヤを履いたのに対し(※ボッタスは最初ミディアムタイヤを履いたものの、フェルスタッペンとの接触によりダメージを負い、翌周再びピットイン……ハードタイヤを履いた)、先頭のハミルトンだけがミディアムタイヤを装着した。
このレースに雨や多重事故といったこれ以上の混乱が生じない限り、メルセデスがハミルトンに履かせたタイヤは間違いであったと言わざるを得ない。
中団グループとの差もそれほど大きくなかったことから、ハミルトンに残された選択肢はひとつしかなかった。それはレース終了までこのミディアムタイヤを保たせるということだった。彼は最終的に、78周のレースの内の67周をミディアムタイヤで走り、フェルスタッペンからの猛攻を抑えてトップチェッカーを受けた。
2019年のモナコGPは、昨年のレースとシチュエーションが似ていたとも言える。昨年はレッドブルのダニエル・リカルド(現ルノー)が、パワーユニットにトラブルを抱えながらもベッテルを抑えきり勝利した。
しなしながら、昨年はベッテルがリカルドに対してそれほどプレッシャーをかけられなかったことを考えると、今年の方がより緊迫した、ハラハラさせるレースだったと言える。フェルスタッペンは終始ハミルトンのDRS圏内につけ、レースリードを奪うことを本気で狙っていた。
フェルスタッペンは再三ハミルトンにプレッシャーをかけた。特にヘアピンではかなり接近し、まるで威嚇しているかのようだった。トラックの中で最も低速とされるそのコーナーで、自らのマシンをインに飛び込ませるという誘惑に、彼は幾度となく駆られていたに違いない。
一方のハミルトンは本来無防備とも言える状況ではあったが、モンテカルロ市街地という特殊なトラックが、フェルスタッペンからの攻撃に抵抗する機会を与えた。
モナコでの名勝負として最初に思い起こされるであろうレースは、1992年のアイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)VSナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)の死闘だろう。圧倒的な優位性を持ったFW14Bを駆るマンセルが、首位セナのMP4/7Aの背後にピタリとつき、何度も肉薄する……。そういうレースだった。
そういった点では、今年のレースは92年を彷彿させるとの見方もできる。果たしてファンは今回のレースを見て、どう感じたのだろうか?
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