ホンダ田辺TD「チーム、ドライバー、PUのチームワークが噛み合った勝利だった」
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、F1 70周年記念GP決勝後に記者団の取材にオンラインで応じ、マックス・フェルスタッペンの勝利を振り返った。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
シルバーストン・サーキットで行なわれた、F1 70周年記念GP。このレースを制したのは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンだった。
フェルスタッペンは、最強のライバルであるメルセデス勢がタイヤのブリスターや劣化に苦しむ中、安定したペースを発揮。望外とも言える圧勝劇を演じた。これには、土曜日の予選Q2をハードタイヤで通過し、そのタイヤでスタートすることができたのも大きかったと言えよう。
レース後、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターが取材に応じた。
「第5戦目で、ホンダのPU(パワーユニット)を搭載したマシンが、今季初優勝を挙げることができました」
そう田辺TDは語った。
「先週のイギリスGPと同じコースではありましたが、タイヤが1段階柔らかくなり、若干ですが路面温度も高くなりました。金曜日から走った中で、タイヤ的に厳しいレースになるということは、どのチームも掴んでいたはずです。そしてそれを予想し、レースに向けた戦略を組んできました」
「そんな中、レッドブルは予選Q2でハードタイヤを投入し、マックスもそのタイヤでしっかりとタイムを出しました」
「予選での戦略、そしてレース中のピットインの戦略とタイヤマネジメント……そしてホンダのPUもしっかり機能しました。チーム力、ドライバー、PUのチームワークがうまく噛み合って掴むことができた勝利だと思います」
今回は倒すことができたものの、メルセデスとの差はまだまだ大きいと田辺TDは語る。
「メルセデスは速いです。そして、王者としての強さもあります。ドライバー、チーム、PUの全てが、しっかりと仕事をしています。それを崩すのは難しいです」
「もちろん開発を続けていきますが、F1はコンマ1秒を縮めるのも難しい世界。そういう中で、一気に差を縮めるのは難しいでしょう」
ただ予選では大差をつけられるものの、レースペースでは近づいている感もある。
「予選では大きく離されていますが、レースペースでは良い線いっている。これがどういうことなのかということを理解しながら、総合的に戦闘力を上げていくことに繋げましょうと、チームと話をしています」
「今回はアグレッシブにトライした戦略(予選Q2をハードタイヤで通過しようとする戦略)でした。ドライバーも、それを受けて走った。レースでも、戦略を成立させるためにドライバーがしっかり仕事をして、チームも対外的な状況に注視した。絶対値的にはまだ厳しいところもありますが、総合的に見れば、王者に挑んで行けるということが見えたと思います」
5戦目での勝利は、チームにとってもモチベーションを維持する上で、非常に重要なモノだったと、田辺TDは語る。
「今年は開発する時間が限られている中、次のレース、次のレースとタイトなスケジュールで進んでいく……そういう状況では、閉塞感が出かねない。そんな中で今回の勝利は、レッドブル・ホンダにとってモチベーションを上げることに繋がると思います」
「レース後には、レッドブルとホンダのメンバーで讃え合いました。レース後のブリーフィングでも、(クリスチャン)ホーナー代表が『みんな頑張ったね』と言い、最後にホンダにも『ありがとう』と言ってくれました。代表がホンダにそう言ってくれた時、マックスもこっちを向いて『グッドジョブ! ストロングだったね。ありがとう』と言ってくれました」
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