レースレポート
F1 サクヒールGP
F1サクヒールGP決勝:ペレス、キャリア10年目で初優勝! メルセデスは散々なレースに
F1サクヒールGPの決勝が行なわれ、レーシングポイントのセルジオ・ペレスがキャリア10年目にしてF1初優勝を挙げた。
戎井健一郎
編集: 2020/12/06 22:35
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F1第16戦サクヒールGPの決勝レースがバーレーン・インターナショナル・サーキットのアウター・サーキットで行なわれた。優勝したのはセルジオ・ペレス(レーシングポイント)。波乱のレースを制し、2011年のF1デビュー以来初の優勝を掴んだ。
第15戦バーレーンGPからの連戦となった今回のサクヒールGP。舞台は同じバーレーン・インターナショナル・サーキットだが、今回は通常レイアウトではなく、外周部分を使用したアウター・サーキットが使われた。台形のような形をした高速レイアウトは全長は3.543kmと短いため、決勝レースは87周で行なわれた。ラップタイムも1分を切る短さだ。
なお、今回のレースでは複数のチームでドライバー変更があった。バーレーンGPの大事故で火傷を負ったロマン・グロージャンに代わってピエトロ・フィッティパルディがハースからF1デビュー。そして新型コロナウイルス陽性となった今季のチャンピオン、ルイス・ハミルトンの代役にはウイリアムズのレギュラーであるジョージ・ラッセルが起用された。空いたウイリアムズのシートにはジャック・エイトケンが収まった。
予選では非常に僅差の戦いが繰り広げられたが、バルテリ・ボッタス(メルセデス)がラッセルをわずか0.026秒差で上回りポールポジションを獲得した。2列目にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)が並んだ。
予選Q2をミディアムタイヤで突破し、スタートタイヤとしたのはメルセデスの2台のみ。3番グリッドのフェルスタッペンから10番グリッドのランス・ストロール(レーシングポイント)まではソフトタイヤだ。11番グリッド以下でソフトタイヤを選択したのは15番グリッドのケビン・マグヌッセン(ハース)、16番グリッドのニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)、そして19番手のランド・ノリス(マクラーレン)と最後尾のフィッティパルディ。残りはミディアムタイヤを選択した。
87周の決勝レースがスタート。ターン1をトップで抜けたのはラッセルで、ボッタスの加速が鈍った隙を突いて前に出た形だ。
ターン4に向けてはフェルスタッペン、ルクレール、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)らがポジション争いを繰り広げていた。しかしイン側のルクレールがブレーキをロックアップさせてペレスと接触。それを回避するためにランオフエリアへと出たフェルスタッペンがコントロールを失ってバリアに突き刺さってしまった。フェルスタッペンとルクレールはこれでリタイア、ペレスは最後尾に落ち、タイヤをミディアムに交換した。
この多重クラッシュにより、1周目からセーフティカーが出動する事態となった。
レースは7周目に再開。3番手のカルロス・サインツJr.(マクラーレン)がリスタートでボッタスをオーバーテイクしたが、ターン3でコースオフしてしまいボッタスの先行を許す形となった。
ラッセルはファステストラップを更新しながら逃げの態勢に。1秒以上のリードを築き、ボッタスをDRSが使えない状況下に置いた。
レースは20周を消化。メルセデスの2台は共に58秒台前半のラップタイムで周回するが、ラッセルとボッタスのギャップは2秒に拡大した。3番手以下はサインツJr.、ダニエル・リカルド(ルノー)、ダニール・クビアト(アルファタウリ)、ストロール、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)らが団子状態だ。
いち早くルーティンのピットストップを実施したのはノリス。20周を終えたタイミングでソフトからミディアムに繋いだ。
3番手集団はお互いにDRSを使い合うためか、順位の入れ替わりが起こらない。そんな中、27周でピットに入ったクビアトを皮切りにタイヤを替えるマシンが一気に増え始める。タイヤを換えたクビアトはミディアムタイヤで57秒580のファステストラップをマークし、2周後に入ったリカルドを逆転。いわゆる“アンダーカット”が成功した形だ。
レースが折り返しを迎えようという頃、ただひとりソフトタイヤで引っ張っていたストロールが42周でピットイン。ミディアムタイヤに交換した。その後首位のラッセルも45周目にピットインし、こちらはハードタイヤに替えた。
ラッセルはピットアウト直後に56秒644を記録してファステストラップを更新。ピットインを遅らせたボッタスとの差を縮めた。そのボッタスは49周を終えたタイミングでようやくピットに入りハードタイヤへと交換したが、ラッセルの8秒後方となってしまった。
54周目、ラティフィのマシンがターン9でストップ。バーチャルセーフティカーが発動された。この前後で多くのマシンがピットインしオーダーは大きく変わり、ラッセル、ボッタス、ペレス、エステバン・オコン(ルノー)、ストロール、アレクサンダー・アルボン(レッドブル)、サインツJr.、リカルド、クビアト、ガスリーというトップ10となった。
そんな中、ペレスは58周目にオコンをオーバーテイク。一時は最後尾まで落ちたペレスだが、表彰台圏内に浮上してきた。
61周目、今回がデビュー戦となるエイトケンが最終コーナーでクラッシュ。ホームストレート上にフロントウイングの残骸が落ちてしまった。エイトケンはピットに戻ってフロントウイングを交換したものの、残骸を処理するためにセーフティカーが出動した。
このタイミングでメルセデスの2台は同時ピットインを敢行。ラッセルはミディアムに替えてピットアウトしたが、ボッタスは交換作業に手間取り、大きくタイムロス。一時はミディアムタイヤに交換したものの、改めてそれまで使っていたハードタイヤに戻し、コースに復帰した。これによりペレス、オコン、ストロールに先行されることとなった。
その直後、ラッセルに再びピットインの指示が。直前のピットインで誤ったタイヤを装着してしまったようで、異なるセットのミディアムタイヤに交換し直してコースへと出ていった。これでラッセルはボッタスの後ろ、5番手に下がってしまった。
メルセデスのドタバタ劇により、レースリーダーはペレスに。オコン、ストロール、ボッタス、ラッセルというオーダーに変わった。
レースは69周目に再開。ラッセルは70周目のシケインでボッタスをオーバーテイク。その後は72周目のホームストレートでストロールを、73周目のターン4でオコンを攻略。怒涛の追い上げを見せて2番手に上がり、3秒前方のペレスを追いかける態勢に入った。
残り10周、ペレスとラッセルの差は2秒3に縮まった。一方のボッタスは失速。集団に飲み込まれてしまった。
その直後、今度はラッセルにも異変が。タイヤにパンクが発生したようで急遽ピットイン。これでラッセルは15番手まで落ちてしまった。
これでレースはペレスの独走態勢に。ペレスは最終的に2位以下に10秒の差をつけてトップチェッカー。一時は最後尾まで転落したペレスが、キャリア10年目、F1出走190戦目にして悲願の初優勝を成し遂げた。これはマーク・ウェーバー(出走130戦目)を上回るF1初優勝の史上最遅記録だ。
2位に入ったのはオコン。こちらもキャリア初表彰台で、今季表彰台に登る13人目のドライバーとなった。3位はストロールが入った。
4位サインツJr.、5位リカルド、6位アルボン、7位クビアト。散々なレースとなったメルセデス勢はボッタスが8位、ラッセルが9位に終わり、10位ノリスまでが入賞となった。なおラッセルは、前述の誤ったタイヤを装着して走行してしまった一件について、審議対象となっている。
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順位 ドライバー 周回数 タイム 差 前車との差 平均速度 ポイント 1 セルジオ ペレス 87 1:31'15.114 25 2
エステバン オコン 87 1:31'25.632 10.518 10.518 18 3
ランス ストロール 87 1:31'26.983 11.869 1.351 15 4
カルロス サインツ Jr. 87 1:31'27.694 12.580 0.711 12 5
ダニエル リカルド 87 1:31'28.444 13.330 0.750 10 6
アレクサンダー アルボン 87 1:31'28.956 13.842 0.512 8 7
ダニール クビアト 87 1:31'29.648 14.534 0.692 6 8
バルテリ ボッタス 87 1:31'30.503 15.389 0.855 4 9
ジョージ ラッセル 87 1:31'33.670 18.556 3.167 3 10
ランド ノリス 87 1:31'34.655 19.541 0.985 1 フルリザルトを見る
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