F1イギリスGPで登場予定の新タイヤ、“先行テスト”の結果はポジティブとピレリ「これを導入しない理由はない」
F1イギリスGPからは新構造のタイヤが導入される予定となっているが、ピレリはオーストリアGPのフリー走行を利用して行なったプロトタイプのテストが概ねポジティブなものだったと語った。
写真:: Charles Coates / Motorsport Images
F1第6戦アゼルバイジャンGPでタイヤバーストが複数件発生したことを受け、タイヤサプライヤーであるピレリは第10戦イギリスGPから新構造のリヤタイヤを導入しようとしている。これに先駆け、第9戦オーストリアGPでは新構造タイヤが各ドライバーにつき2セット供給され、各車フリー走行でそれを装着して周回を重ねた。
ピレリのF1責任者であるマリオ・イゾラは初日のフリー走行を終えた段階で、ドライバーからポジティブなフィードバックが得られたことを明かした。今回持ち込まれた新構造タイヤは5種類あるタイヤコンパウンドの内、2番目に柔らかいC4コンパウンドとなっているが、現行のC4タイヤと極めて近いフィーリングがあるようだ。
「プロトタイプに関する全体的なフィードバックとしては、基準となるC4コンパウンド、つまり今回のミディアムタイヤと挙動が似ているという声が多かった」とイゾラ。
「各チームにはそのリヤタイヤの空気圧を基準より2psi下げてほしいと言ってある。これは新構造による垂直方向の剛性強化を相殺するためだ。ドライバーからのフィードバックはポジティブであった。1周目のトラクションが少し良かったという声も聞かれた」
「新しい構造のタイヤがより丈夫であることは分かっているため、新構造に移行するにあたって挙動やバランスが変わらないものにする、チームにセットアップの再調整を求めるようなタイヤにしたくない、というのが我々の目指すところであった。その点に関しては、概ね問題ないことが確認できた」
新タイヤが導入される予定であるイギリスGPの舞台は、シルバーストン。ここはタイヤへの負荷が大きいことで知られており、昨年のイギリスGPでも複数件のタイヤバーストが見られた。
イギリスGPに向けて懸念点はあるのか? そう尋ねられたイゾラはこう返した。
「いや、反対意見も聞いていないし、ネガティブなコメントも聞いていない。シルバーストンでプロトタイプを投入する正当な理由がない……そう思わされるようなものは何もなかった」
「データを分析し、フィードバックを収集した上で決定を下したい。ただ正直言って、シルバーストンでそれを導入すべきでない理由が見当たらない」
また、今回はタイヤの剛性が強化されたということもあって、これまでよりも空気圧を引き下げた形だ。それもあってか各チームもまずまずの好感触だったようだが、シルバーストンとレッドブルリンクではサーキット特性が違うため、必ずしも同じような方策を講じるとは限らないとイゾラは言う。
「今回このような数値を設定したのは、同じコンディション下でタイヤを比較するためのものだった」
「シルバーストンはこことは全く異なるサーキットだ。負荷やスピードなどを考慮しないといけない」
「例えば、現在のタイヤの最低空気圧が24psiだとしよう。そうすると新しいタイヤの空気圧は22psiということになる。しかし、タイヤにかかる負荷、ストレスは昨年と同等またはそれ以上ということが分かってきている。もちろんだが、我々は受け取ったデータを基に基準値を定める必要がある」
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments