サインツJr.、今季2度目の表彰台も悔い残る?「優勝争いが目の前……本来ならその中に加われたのに」
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、ハンガリーGPで3位入賞。しかし目の前で優勝争いが繰り広げられていたのが見えたため、本来ならばそこに加わらなければいけなかったと悔やんだ。
写真:: Charles Coates / Motorsport Images
フェラーリのカルロス・サインツJr.は、F1ハンガリーGPで4番手フィニッシュとなった。2番手でフィニッシュしたセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)の失格が確定すれば、サインツJr.は3位に繰り上がる。もしそれが現実のモノとなれば、フェラーリ加入後2回目の表彰台獲得ということになる(前回の表彰台はモナコGPの2位)。
サインツJr.は、予選Q2でクラッシュしたこともあり、15番グリッドからスタート。しかしスタート直後の1コーナーで起きた多重クラッシュをうまく切り抜け、大きくポジションを上げた。その後はトラフィックに抑えられるシーンもあったものの、前が開けるとハイペースで走り、フィニッシュを迎えた。一時は、首位を争うエステバン・オコン(アルピーヌ)とベッテルが目視できるところまで迫るほどの速さだった。
「今日、こんな戦いができるなんて想像していなかった」
サインツJr.は、レース後にそう語った。
「スタートは素晴らしかったと思う。その後、ピットレーンに入った時にトラフィックに捕まり、コースに戻った後はラティフィ(ニコラス・ラティフィ/ウイリアムズ)と角田(裕毅/アルファタウリ)の後ろで多くのタイムを失ってしまった。でも、僕らはミディアムタイヤで力強いペースを持っていたから、自分自身との戦いに戻すことができたんだ」
サインツJr.は、ラティフィや角田よりも多くの周回をミディアムタイヤで走り、2台をオーバーカットすることに成功することになった。ただハードタイヤを履いた後には、後方からとんでもないペースで追い上げてきたルイス・ハミルトン(メルセデス)に対峙することになった。
「その力強いペースで、僕はオーバーカットすることができた。でも、その後のハードタイヤでは苦労した。僕らは今週末、ハードタイヤでは苦労していたんだ。どういうわけか、僕らには合わなかったんだ」
「でもそれとは別に、レース終盤にはハミルトンからポジションを守るために、多くの部分で攻めなければいけなかった。そして、ハードタイヤを使い切ってしまった。その後、ルイスとフェルナンド(アロンソ/アルピーヌ)と戦った際、さらにはダニエル(リカルド/マクラーレン)を周回遅れにした時には、燃料を節約しなければいけなかった」
「昨日(土曜日)の時点では、僕が決勝で表彰台を目指して戦い、4番手でフィニッシュするなんて考えられなかった。でも今日は、目の前にエステバンとセバスチャンが見えたし、彼らは表彰台、そして勝利を争っていた。だから僕らも勝利を目指して戦えたはずだと感じた」
なおサインツJr.は、最初のピットストップの際、ラティフィと角田がピットインするのに合わせてピットに入るよう、チームからの指示を受けた。しかしサインツJr.はこれに反対し、スティントを延長。これが好結果につながったわけだ。
この時の状況についてサインツJr.は、チームとの間に誤解が生じているわけではないと語る。
「今回のことは、僕の学習プロセスと、チームの理解の自然な進歩だと思う」
「当時チームは、僕がふたりをオーバーカットできるほど速いとは思っていなかったと思う。そして僕は、さらなる周回を走ることを、チームに伝えることに熱心だった。僕はとても速く走れると思っていたからね」
「スティントを引き伸ばすことで、僕らは正しい選択をしたと思う。チームは僕の意見に同意してくれたしね。そして僕はとても良いペースで走り、ふたりをオーバーカットすることができた。チームと共に学び続けることができて、とても満足している」
「チームとのレースを積み重ねていく度に、僕らは強くなり、お互いのことをよく理解していくことができるはずだ。そうすれば、より高いレベルでの仕事が楽にできるようになっていく」
このハンガリーGPで、2021年シーズンの前半が終了。チーム加入後ここまでのレースに満足できているかと尋ねられたサインツJr.は、次のように語った。
「シーズン前半、チームに溶け込むためにやってきたことについては満足している。特にマシンのスピードには満足だ。初戦からマシンを乗りこなせているように感じたし、これまで走ったことのあるサーキットでは、限界まで攻めて、すぐにペースを上げることができた」
そうサインツJr.は語る。
「でも、いろんなところでポイントを逃したような気もする。今回のレースの前にも、この週末を最大限に活用できていないと感じていると言っていたと思うけど、フェラーリのドライバーとしてはやっぱり、週末全体をまとめ切れていないと思う。でもこういうことは、僕はこれまでうまくやってこられていたんだ」
「おそらくそれは、しっかりとチームの一員になるということが重要なんだと思う。それには時間がかかるけど、そうすれば週末を最大限に活用できるはずだ」
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