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驚異の”タイヤ無交換”作戦で10位入賞。オコン「もう1周あったら、パンクしていただろうね」

アルピーヌのエステバン・オコンは、F1トルコGP決勝で10位入賞を果たした。しかも彼は、タイヤ無交換でレースを走り切るという、近年ではまずありえない戦略を成功させたのだった。

Esteban Ocon, Alpine A521

写真:: Charles Coates / Motorsport Images

 F1トルコGPで、信じられないようなレースをしたドライバーがひとりいた。アルピーヌのエステバン・オコンである。オコンは12番グリッドからスタートして10位入賞……驚くべきはその順位ではなく、タイヤ無交換で58周を走り切ったことだ。

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 トルコGPの決勝は、スタート前から雨に見舞われた。ただその雨はずっと霧雨のような状態であり、インターミディエイトタイヤの使用に適したコンディション。これが止まることはなく、スタートからチェッカーまで、ずっと路面を濡らし続けた。

 ドライコンディションならば、レース中に最低1回タイヤを交換する義務が生じる。しかしウエット系のタイヤを使った段階でその義務が撤廃される……オコンはこれを活かして、1セットのインターミディエイトタイヤでレースを走り切ったのだ。

「良いレースだったよ。レース中、こんな冗談をピットを言っていたんだ。『みんな疲れているから、ピットストップしないようにしよう』とね」

 オコンはレース後にそう語った。

「でもセブ(セバスチャン・ベッテル/アストンマーチン)と戦っていた時、ストップするべきか、それともこのまま行くべきか、という議論を少ししたんだ。当時の僕は、本当に良いペースだった。そしてタイヤの状態も良かったから、『よし、このまま行こう!』と考えたんだ」

「僕らはリスクを冒して、報酬を得ようとした。最終的にはそれが報われた。小さなポイントを手にできたんだ」

 チームメイトのフェルナンド・アロンソは30周を走ったところでピットストップ。これによりチームは、タイヤの状況を把握することができたはずだが、それでもタイヤをマネジメントするのに、大いに苦労したとオコンは言う。

「最終的には、フロントタイヤがかなりダメージを受けていて、アウト側には筋も見えていた。だから、フロントタイヤを最後まで保つかどうかは疑問に思っていたんだ」

 そうオコンは語った。

「もう1周あったらパンクしていただろうし、コーナーがあとふたつあったのなら、ジョビナッツィ(アントニオ・ジョビナッツィ/アルファロメオ)に抜かれていたと思う。かなりリスキーな戦略だったけど、それを冒す価値はあったはずだ」

 タイヤ無交換で走り切ることを決めた後、タイヤをどのように労ったのか尋ねられたオコンは、次のように語った。

「レース全体を考えれば、それは僕らがすべきことだった。なぜなら僕らには、去年の経験があったからね」

 そうオコンは1年前のトルコGPを引き合いに出して説明した。

「確かに今年のコースは、1年前とは大きく異なっていた。レース終盤に向けて、去年よりも乾いていったんだ。でも状況はかなり似ていた」

「去年は50周を、インターミディエイトで走った。だから今年も『同じようなことをしてみよう』と思い、それが機能するかどうかを確認したんだ」

 今回のような戦略を成功できたのは、チームとうまくコミュニケーションを取れていたからだとオコンは考えている。

「それは確かだ。でも僕らは今後のイベントに向けて、さらなるパフォーマンスを見つけるために、取り組んでいることがあるんだ」

 

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