F1カタールGP 決勝:ハミルトンがフェルスタッペンを圧倒し今季7勝目、アロンソが7年ぶり表彰台。角田裕毅13位
F1第20戦カタールGPの決勝レースが行なわれ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が完勝。角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、タイヤデグラデーション(性能劣化)に苦しみ13位に終わった。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
ロサイル・インターナショナル・サーキットを舞台にF1第20戦カタールGPの決勝レースが行なわれ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が他を寄せ付けない走りで自身102勝目を飾った。
F1初開催を迎えたカタールGPは、今シーズン残り3戦の舞台である中東ラウンド初戦となる。砂漠に日が落ち、サーキットを数千ものライトがコースを照らす中、決勝スタートの時刻を迎えた。現地17時の気温は26.6度、路面温度31.3度というコンディションだ。
土曜日の予選でポールポジションを獲得したのは、ハミルトン。2番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が並んだが、Q3最終アタックでフロントウイングを破損したピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)がスロー走行していたことで提示されたイエローフラッグ2本振動を無視したとして5グリッド降格ペナルティ。3番手タイムのバルテリ・ボッタス(メルセデス)も、イエローフラッグ1本振動の無視により3グリッド降格ペナルティが科された。
そのためハミルトンの隣、2番グリッドにはガスリー、3番手にフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が並んだ。ボッタスが5番手、フェルスタッペンは7番手から57周の決勝レースをスタートした。
ホールショットを決めたのはハミルトン。フェルスタッペンはスタートで順位を上げると、4周目にガスリー、その翌周にアロンソを抜き2番手まで順位を回復し、首位ハミルトンを追った。しかしレースペースに優れるハミルトンは、ファステストラップを更新しながらフェルスタッペンとのタイム差を徐々に開いていった。
トップから8秒までタイム差が開いていたフェルスタッペンは、17周目の終わりに先へピットイン。チームは2.2秒という停止時間で新品のハードタイヤを履かせコースへ送り出した。メルセデスもそれに反応し翌周にハミルトンをピットへ呼び込み、ふたりのタイム差が大きく縮まることはなかった。
トップ2台がファステストラップの叩き出し合いをする中、スタートからミディアムタイヤで走行を続け、3番手を走行していたボッタスの右フロントが34周目でバースト。1ストップ戦略でレースを走り切ることを目指していたが、コレで大きくタイムロス。なんとかピットへ戻りフロントウイングとタイヤを交換した。
これによりコース上にはイエローフラッグが提示されたが、すぐにグリーンフラッグへと変わった。ハミルトンはフェルスタッペンに追撃を諦めさせるかのようにペースを再び上げ、41周終了時点でその差は9.5秒にまで拡大した。
タイヤにバイブレーションが起きていたフェルスタッペンは41周目の終わりに再びピットイン。1ストップ目と同様にハミルトンも翌周にピットインし、ミディアムタイヤを投入。ここでもハミルトンのリードは揺るがなかった。
レース終盤はジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)、ランド・ノリス(マクラーレン)、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)と、1ストップ戦略を採ったマシンのタイヤにトラブルが続発した。ラッセルとノリスはピットまでたどり着けたものの、ラティフィはコース脇にマシンを止めていリタイアした。
これにより、55周目にバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入。フェルスタッペンはピットストップのロスタイムが少ない上に後方に大きなギャップがあることから、56周目の終わりにピットイン。ファステストラップのボーナスポイントを狙って、ソフトタイヤを投入した。
これにより、フェルスタッペンとの差が30秒以上に開いたハミルトンは、圧倒的な強さを見せ、今季7勝目のトップチェッカーを受けた。
2位フィニッシュのフェルスタッペンは、ファイナルラップに入る前にVSCが解除されたため、最終ラップで自身のファステストラップを更新。“ボーナスポイント”の1点を稼いだことで、ダメージを最小限に抑えた。これで、ハミルトンとのポイント差を8点だ。
また、タイヤトラブルにより後方に沈んだボッタスは結局レースをリタイヤ。コンストラクターズランキングでは、セルジオ・ペレスが4位に入ったレッドブル・ホンダが、首位メルセデスとの差を5ポイントにまで縮めた。
3位表彰台は1ストップ戦略で走りきったアロンソが獲得。レース全体を通じてペースは良く、VSCの恩恵もあり2ストップ戦略で猛追してきたペレスから振り切った。今季アルピーヌからF1に復帰したアロンソとしては、フェラーリに在籍していた2014年ハンガリーGP以来、7年ぶりの表彰台獲得となった。5位にチームメイトのエステバン・オコンが入賞し、アルピーヌは大量25点を手にした。
一方、そのアルピーヌとコンストラクターズランキング5位を争うアルファタウリ・ホンダは無得点に終わった。ガスリーと角田裕毅は予選結果とはうってかわり、決勝レースではソフトタイヤのタイヤデグラデーション(性能劣化)に苦戦し、ライバル勢が1ストップ戦略を採る中、2ストップ戦略にせざるを得なかった。ガスリーは11位、角田は13位でレースを終えている。
2週間後はこちらもF1初開催のサウジアラビアGP。メルセデスに傾きつつある勢いをレッドブルは引き戻せるか? それともメルセデスが勢いそのままに王手をかけるか。見逃すことのできない一戦となる。
順位 | ドライバー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | 平均速度 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ルイス ハミルトン | 57 | 1:24'28.471 | 217.812 | 25 | ||
2 | マックス フェルスタッペン | 57 | 1:24'54.214 | 25.743 | 25.743 | 216.711 | 19 |
3 | フェルナンド アロンソ | 57 | 1:25'27.928 | 59.457 | 33.714 | 215.286 | 15 |
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