F1

F1分析|フェルスタッペンvsハミルトン”激戦のシーズン”。勝敗を分けたのはアゼルバイジャンGP

マックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンの大激戦が繰り広げられた2021年のF1。ふたりの勝敗を分けたのは、最終戦のセーフティカーではなく、アゼルバイジャンGPだったように思う……。

田中 健一

編集: 2021/12/30 9:20

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Lewis Hamilton, Mercedes W12 at the restart

 2021年のF1ドライバーズチャンピオンに輝いたのは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンだった。

 フェルスタッペンは最終戦アブダビGPの最終ラップで、チャンピオンを争うライバルであるメルセデスのルイス・ハミルトンをオーバーテイクし、自身初のタイトル獲得を決めた。そういう意味ではタイトル争いの分岐点は、アブダビGPのレース終盤に出たセーフティカーだと言えよう。しかしシーズンを振り返ってみると、勝敗を分けた最大のポイントは、アゼルバイジャンGPだったように思えてならない。

 フェルスタッペンは22戦中10戦で優勝し、8戦で2位表彰台を獲得した。それ以外の4戦を見てみると、アゼルバイジャン、イギリス、イタリアはリタイア、ハンガリーは9位となっている。

 アゼルバイジャンはレース終盤に突如パンクを喫してクラッシュ。イギリスはハミルトンとの接触によりクラッシュした。またイタリアGPもハミルトンとの”相打ち”クラッシュでのリタイアである。ハンガリーGPは、スタート直後にメルセデスのバルテリ・ボッタスに追突されたことでマシンに大ダメージを負い、パフォーマンスが大きく失われた状態で完走し、9位フィニッシュ。つまり、イタリアGPはフェルスタッペンにも非があったとはいえ、それ以外の3戦はフェルスタッペンのミスではないと言えよう。そう考えれば、2021年のフェルスタッペンは、自身のミスでの取りこぼしのない、ほぼ完璧なシーズンを過ごしたと言えるだろう。

 一方のハミルトンは、リタイアはイタリアGPでの1回のみである。しかしオーストリアの4位、ベルギーの3位、トルコの5位と取りこぼした。そして何よりも痛かったのが、アゼルバイジャンの無得点である。

 アゼルバイジャンGPでは、首位を走っていたフェルスタッペンが、タイヤのバーストによりメインストレートでクラッシュ。当該箇所にはマシンの破片が散らばったため、赤旗中断となった。そして2周を残した状態でレース再開……ただ2番グリッドから加速したハミルトンは、1コーナーのブレーキングでオーバーランし、最後尾まで落ち、そのままの順位でレースをフィニッシュすることになった。

 ハミルトンがこのブレーキングを失敗しなければ、首位のペレスを抜くことができなかったとしても、2位でフィニッシュし18ポイントを積み重ねることができたはず。つまり単純な計算ではあるが、総獲得ポイントは405.5ポイントとなり、フェルスタッペンに10ポイントの差をつけ、史上最多を更新する自身8度目のF1タイトルを獲得したことだろう。

 ハミルトンのアゼルバイジャンでのオーバーランは、フォーメーションラップ中にタイヤを温めるための”マジックボタン”を誤って押してしまい、ブレーキバランスが極端にフロント寄りになっていたためだと言われている。

 確かに、アブダビGPのセーフティカーラン解除時の手順に関しては、議論の的となっている。ただアゼルバイジャンGPでしっかりとポイントを手にしていれば、アブダビGPのセーフティカーが、勝敗を分けるポイントになどならなかったはずである。

 裏を返せば、もしハミルトンがチャンピオンを獲っていれば、レッドブル・ホンダとフェルスタッペン陣営からすれば「あのバーストがなければ……」と言うべきレースだったはず。そういう意味でも、アゼルバイジャンGPは、いずれに転んだ場合でも、大きな意味を持つ1戦だった。

 とにもかくにも、2021年シーズンのタイトル争いは、わずか1回のミスも許されない、実にハイレベルな激戦だった。さて、2022年シーズンはどうなるのか? 再び至極のシーズンとなることを、願わずにはいられない。

 

Read Also:

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

コメントを読んで投稿する

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 あなたの“推しマシン”は何位? 読者が選ぶ2021年ベストマシン

次の記事 ホンダF1山本雅史マネージングディレクター、大きなプレッシャーがかかるF1の仕事は「楽しめた」

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?

View More & Comment

More from

田中 健一



”100円ショップ”でお馴染み『DAISO』がホンダ・レーシングと組みF1に挑む理由は? 両社に訊く「日本から世界へ……その方向性が一致した」

F1

F1

メキシコシティGP

8 時間前

”100円ショップ”でお馴染み『DAISO』がホンダ・レーシングと組みF1に挑む理由は? 両社に訊く「日本から世界へ……その方向性が一致した」



標高2200mのメキシコ……空気が薄い環境でパフォーマンスを発揮できるかが鍵。ホンダF1折原エンジニア「MGU-Hがない今年、ターボがより重要」

F1

F1

メキシコシティGP

1 日前

標高2200mのメキシコ……空気が薄い環境でパフォーマンスを発揮できるかが鍵。ホンダF1折原エンジニア「MGU-Hがない今年、ターボがより重要」



F1日本GP、2026年観戦券は即完売&観戦客は若返り。しかし必要な変化「さらに魅力ある“イベント”に」|鈴鹿サーキット社長独占インタビュー

F1

F1

日本GP

1 日前

F1日本GP、2026年観戦券は即完売&観戦客は若返り。しかし必要な変化「さらに魅力ある“イベント”に」|鈴鹿サーキット社長独占インタビュー

More from

ルイス ハミルトン



フェラーリ、ダブル表彰台逃したふたつの痛恨の瞬間。バスール代表「ペースは確かにあった」と手応え

F1

F1

アメリカGP

1 日前

フェラーリ、ダブル表彰台逃したふたつの痛恨の瞬間。バスール代表「ペースは確かにあった」と手応え



ハミルトン、アメリカGPで表彰台を逃した原因はセットアップミス? フロントウイング大幅調整も追いつかず

F1

F1

アメリカGP

2 日前

ハミルトン、アメリカGPで表彰台を逃した原因はセットアップミス? フロントウイング大幅調整も追いつかず



完全王手! アントネッリ次戦メキシコシティGPでタイトル獲得の可能性グッと高まる。その条件は?

F1

F1

アメリカGP

2 日前

完全王手! アントネッリ次戦メキシコシティGPでタイトル獲得の可能性グッと高まる。その条件は?

More from

メルセデス



平川亮、ブラウニングら多数のルーキードライバーがF1メキシコシティGPのFP1出走へ。ミニは公式セッション初登場

F1

F1

アメリカGP

12 時間前

平川亮、ブラウニングら多数のルーキードライバーがF1メキシコシティGPのFP1出走へ。ミニは公式セッション初登場



圧勝アントネッリと明暗分かれた8位ラッセル。メルセデスW17のアップデート後未だ表彰台なし「これほど大きく遅れているのは不思議」

F1

F1

アメリカGP

1 日前

圧勝アントネッリと明暗分かれた8位ラッセル。メルセデスW17のアップデート後未だ表彰台なし「これほど大きく遅れているのは不思議」



逆転戴冠”詰み”のラッセル、僅差のランキング2位争いには興味ナシ「僕にとっては何の意味もない」

F1

F1

アメリカGP

2 日前

逆転戴冠”詰み”のラッセル、僅差のランキング2位争いには興味ナシ「僕にとっては何の意味もない」

最新ニュース



ペレス、キャデラックF1との契約を複数年延長「今後3年間全力で取り組んでいく」

F1

F1 F1

アメリカGP

48 分前

ペレス、キャデラックF1との契約を複数年延長「今後3年間全力で取り組んでいく」



F1王者ランド・ノリス設立のLNフュージョン、来季FIA F2の参戦権を取得。参戦全11チームが発表……F1デビューに向けた”最終関門”

FIA F2

F2 FIA F2 4 時間前

F1王者ランド・ノリス設立のLNフュージョン、来季FIA F2の参戦権を取得。参戦全11チームが発表……F1デビューに向けた”最終関門”



海外F1記者の視点|アストンマーティン・ホンダ決裂報道は事実無根。誤解から生じた話題がひとり歩き……一部メディアの”大騒ぎ”

F1

F1 F1

アメリカGP

6 時間前

海外F1記者の視点|アストンマーティン・ホンダ決裂報道は事実無根。誤解から生じた話題がひとり歩き……一部メディアの”大騒ぎ”



満身創痍マルケス、エネルギー枯渇……決勝日に「ソファ離れられない」時期もあったと明かす。スプリント勝利を”喜ぶ”力も温存

MotoGP

MGP MotoGP

オーストラリアGP

6 時間前

満身創痍マルケス、エネルギー枯渇……決勝日に「ソファ離れられない」時期もあったと明かす。スプリント勝利を”喜ぶ”力も温存

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録