F1 サンパウロGP

F1分析|ついに勝ったメルセデス。しかし遺恨が生じるのを避けるため、2ストップ作戦を選んだ?

サンパウロGPを制したのは、メルセデスのジョージ・ラッセルだった。レースペースを分析すると、メルセデスは1ストップでも十分に走り切れたように思うが、後々遺恨が残るのを避けるために、2ストップ作戦を選択したように見える。

田中 健一

編集: 2022/11/14 11:05

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

George Russell, Mercedes AMG, 1st position, Lewis Hamilton, Mercedes AMG, 2nd position, congratulate each other in Parc Ferme

 F1サンパウロGPで、メルセデスがついに勝った。

 今シーズン序盤は大いに苦しんだメルセデス。予選Q1敗退という危機的状況に陥ったこともあった。しかしそこから徐々に上昇曲線を辿り、ついにインテルラゴスで表彰台の頂点に立った。しかもメルセデスの2人が、激しく優勝争いを繰り広げ、1-2フィニッシュ。これ以上ない形での復活劇だった。

 ただメルセデス勢は、見た目以上に圧勝だったかもしれない。というのも、彼らは他が2ストップや3ストップの戦略を採る中、1ストップで走り切ることも不可能ではなかったように思われるからだ。

F1サンパウロGP決勝レースペース分析:トップ4

F1サンパウロGP決勝レースペース分析:トップ4

Photo by: Motorsport.com / Japan

 これは、上のレースペースの推移を示したグラフを見ていただければ一目瞭然である。青い線で示されたセルジオ・ペレス(レッドブル)や、赤い線で示されたカルロス・サインツJr.(フェラーリ)がデグラデーションに苦しんでいるように見える中、メルセデスのそれは非常に小さかったのだ。

 第1スティントでのメルセデス2台のペースの落ち方は、特にフェラーリに比べれば非常に小さい。第2スティントでも、ラッセルのペースもハミルトンのペースも、ほとんどデグラデーションが見られない。特にラッセル(黄緑)のデグラデーションはゼロと言える。そんな中でも38周目に一旦ペースを上げていることから、かなり余力を残し、タイヤマネジメントをしながらの走行だったことが垣間見える。

 そういう意味では、ラッセルもハミルトンも、2回目のピットストップをする意味はあまりなかった。しかしあくまで保険をかける形での2ストップ作戦だったのだろう。

 ただその順番については、少し邪推をしてしまいたくなる。

 メルセデスは48周目にまずハミルトンをピットに呼び戻し、2回目のタイヤ交換を行なった。しかし当時のハミルトンは「なぜなんだ! まだタイヤは良いって」と無線で語っていた。

 本来ならばメルセデスとしては、ラッセルを先にピットに呼び戻すはずだ。というのも、ラッセルは25周目に1回目のピットストップを行なっていたが、対するハミルトンの1回目のピットストップは30周目……つまりラッセルの方が5周長く使ったタイヤを履いていたので、セオリーとしてはラッセルを先にピットストップさせるのが筋だ。

 しかし実際にはハミルトンを先にピットに呼び込んだ。これは先に申し上げた通り、1ストップで走り切れたというパフォーマンスと関係が深そうである。

 もしラッセルを先に2回目のピットストップを行なわせていれば、その時点でハミルトンの12〜13秒程度後方でコースに戻ったはずだ。その後ハミルトンが素直にピットに入ればいいが、もしピットからの指示に従わず1ストップで走り切ってしまえば、そのまま優勝してしまう可能性もあった。そうなれば、ラッセルとチームの間に遺恨が残るのは必至。それを避けるために、まずはハミルトンをピットストップさせ、続いてラッセルを呼び込んだということだろう。

 今回はチームオーダーをめぐる件で、レッドブルとフェラーリには共に遺恨が残った。メルセデスのピット戦略は、これを避けるためのクレバーな選択だったと言うことができそうだ。

 

関連ニュース:

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

コメントを読んで投稿する

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 ガスリー、14位にがっかり「全力を尽くしたけど、できることはあまりなかった」アルファタウリとの別れいよいよ次戦に

次の記事 終わりよければ全てよし? オコン、決勝のチームオーダーは無視せず「うまく伝わってないと思うけど……」

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?

View More & Comment

More from

田中 健一



「我々は二輪版のF1ではない!」リバティ傘下になったMotoGP、しかしF1とは違う独自路線を目指すと主張

MotoGP

MotoGP

イギリスGP

12 時間前

「我々は二輪版のF1ではない!」リバティ傘下になったMotoGP、しかしF1とは違う独自路線を目指すと主張



福住仁嶺が今季2勝目……しかし喜びは控えめ「セーフティカーのタイミングに恵まれたので、正直素直には喜べない」

スーパーフォーミュラ

スーパーフォーミュラ

第8戦:SUGO

7 日前

福住仁嶺が今季2勝目……しかし喜びは控えめ「セーフティカーのタイミングに恵まれたので、正直素直には喜べない」



掴みかけたSUGO戦勝利が幻に……フラガ3位「完璧なレースだったのに、非常に悔しいです」|スーパーフォーミュラ第8戦

スーパーフォーミュラ

スーパーフォーミュラ

第8戦:SUGO

7 日前

掴みかけたSUGO戦勝利が幻に……フラガ3位「完璧なレースだったのに、非常に悔しいです」|スーパーフォーミュラ第8戦

最新ニュース



フェルスタッペン、後半戦の”優先事項”は「週末の途中でパフォーマンスが落ちてしまう問題を解決する必要がある」

機能

F1

ライブテキスト

評価

機能

F1 2 時間前

オランダGP

フェルスタッペン、後半戦の”優先事項”は「週末の途中でパフォーマンスが落ちてしまう問題を解決する必要がある」



ボルトレト、今後数年アウディで活躍か「条項とかないし、長期プロジェクトだからね」2年目も成長実感中

機能

F1

ライブテキスト

評価

機能

F1 3 時間前

ボルトレト、今後数年アウディで活躍か「条項とかないし、長期プロジェクトだからね」2年目も成長実感中



タイトル遠のく不運なレース展開に、エバンス「まさに僕って感じ。何も間違ったことしていないのに」

機能

フォーミュラE

ライブテキスト

評価

機能

フォーミュラE 4 時間前

ロンドンE-Prix レース1

タイトル遠のく不運なレース展開に、エバンス「まさに僕って感じ。何も間違ったことしていないのに」



リンドブラッド、F1ルーキーイヤーは”予想以上”のシーズン前半「夢のような日々を生きている」

機能

F1

ライブテキスト

評価

機能

F1 6 時間前

リンドブラッド、F1ルーキーイヤーは”予想以上”のシーズン前半「夢のような日々を生きている」

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録