F1ドイツGP復活の可能性はある? ポルシェ&アウディのF1参戦実現が”重要な要素”とCEO示唆
F1のステファノ・ドメニカリCEOは、アウディとポルシェのF1参戦が噂されている中、将来的にドイツGPを復活させることに関心があることを示唆した。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
2026年からアウディやポルシェがF1に参戦するのではないかと噂されているが、彼らのホームであるドイツGPは、しばらく開催ができていない状況にある。しかしこの2メーカーが参戦することとなれば、ドイツGPの復活も現実味を帯びてくるかもしれない。
ドイツGPとして開催されたのは、2019年のホッケンハイムが最後。ニュルブルクリンクでは、2020年にグランプリが開催されたが、これは新型コロナウイルスの影響で急きょ実施が決まった”アイフェルGP”だった。
アイフェルGPはカレンダーの穴を埋めるため、安価な契約だったからこそ実現したレースだったと言える。以前からドイツGPは資金難から開催が危ぶまれており、ホッケンハイムとニュルブルクリンクで交互開催されてきただけに、サーキット側に余裕はない。
F1としても多くの開催地から関心を寄せられ、既存レースのカレンダー脱落が噂されている中で、ドイツGPを特別視することはないだろう。
ホッケンハイムは、今年ロシアGPがキャンセルされたことで空いた9月の日程を埋めることに興味を示していることが知られているが、ロジスティック上、シンガポールGPと日本GPの直前にヨーロッパでレースをするのは不可能だろう。
Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1 W10, and Max Verstappen, Red Bull Racing RB15, lead the field away at the start
Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images
ドイツGP復活の可能性について訊かれたF1のCEO、ステファノ・ドメニカリは、フォルクスワーゲングループ参戦の可能性について、明確に言及した。
「ドイツの風景は、確かにとても興味深い」と、ドメニカリはウォール街のアナリストとの電話会談でそう語った。
「プロモーターが誰だとしても、どんなアクションが可能なのか、もし必要なら我々がそれ(ドイツGPを)リカバーできるのか、確認する必要がある」
「具体的に言うなら、それ(ドイツGP)がカレンダーに戻ってくるためには、すぐにでも起こる可能性がある”何か”が非常に重要であることは確かだ」
一方、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は、地元ドイツのサーキットにグランプリを開催する余裕があるかどうか疑問視している。
「結局のところドイツには、グランプリを開催するためにお金を払う用意があるサーキットがないんだ」と彼は話した。
「他の地域やヨーロッパの国々も苦労している。ドイツGPが無くなるのは残念だし、もしスパが無くなってもそうだろう。スペインもそうだ。もし、これらの国々がこれ以上、高い参加費を払う気になれなければ、リストから外れることになるだろう」
「今後数年で何が起きるか分からないが、もしドイツがカレンダーに戻ることがあれば素晴らしいよね」
将来のF1スケジュールについて、ドメニカリは新しい開催地とヨーロッパの伝統的なレースをミックスしたいと主張した。
「パンデミック下で、我々は素晴らしいチャンピオンシップを実現するために、可能な限り柔軟であることを証明した」
「我々の責務は、まずF1が世界選手権であることを確認し、重要となっている戦略的市場をその一部とするために、パートナーと、あるいは我々が直接関与して投資していくことだ」
「アメリカでF1は、ここ2年ほどの間に信じられないほどのブームになっている。しかし他にも、伝統を重んじ、発展させなければならない地域がある」
「しかし伝統とは、当たり前に与えられているものという意味ではない。伝統は、より良い未来を築くための大きなベースとなるものだ。ヨーロッパは確実に残らなければならない。我々のカレンダーにはそれなりの数のレースがあり、それらは残るだろう」
「しかし、極東のエリアに投資したいという気持ちを忘れる必要はない。パンデミックの影響を受けたが、そこには大きな成長の可能性がある」
「アフリカなど他の地域もあり、そこでビジネスを展開する可能性もある。だから、F1の将来において何が適切なスケジュールとなるのか、その機会を最大限に活かすことができる素晴らしい瞬間を迎えているんだ」
来季のスケジュール詳細について、ドメニカリは2023年からいくつかのイベントで”ローテーション”を行ない、毎年は開催されなくなるイベントが出てくる可能性があると明言した。
「ラスベガスについては、来季のカレンダーに載るという話をしていた。もちろん、来年に向けて発表しているのはこれだけだ。一方で、我々の戦略がどうなるかは、すぐに分かると思う」
「そのプロセスを尊重しながら議論していかなければならない。そして、夏の終わりまでには発表するつもりだ。地元のプロモーターに対する上でも、それが適切なやり方だ」
「我々は、ローテーションの法則を採り入れる可能性を除外することはない。そうすることで、複数の市場に関与することができるからだ」
「これが将来のカレンダーに関する我々の戦略的思考なのだ」
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