“不公平”なF1は「フェデラーが卓球ラケットで世界を目指す」ようなものとグロージャン
ハースのロマン・グロージャンは、F1がスポーツであるかどうかは“よく分からない”と言い、マシンの競争力の違いはまるで「ロジャー・フェデラーが卓球のラケットで全仏オープンを戦うようなものだ」と例えた。
写真:: Steve Etherington / Motorsport Images
2009年のF1デビューを果たしたロマン・グロージャンはこれまで164レースを戦い、10回の表彰台を獲得してきた。特にロータス時代の2012年と2013年は、時折優勝争いにも絡む活躍を見せた。
しかしグロージャンは2016年に新興チームのハースに移籍。2020年は同チームで5年目を迎えることになるが、優勝はおろか表彰台にも手が届いていない。
一度もグランプリを制することがないまま引退する可能性を受け入れているかについて、グロージャンはこう語った。
「何が起こるかは分からない。幸運なことに、僕は10回表彰台に上がることができた。勝てるレースもふたつほどあったけど(2012年ヨーロッパGP、2013年ドイツGP)、流れが僕に味方しなかった」
「僕たちはF1をスポーツと呼んでいるけど、本当にスポーツなのか? 僕にはよく分からないね。スポーツは本来フェアであるべきだが、F1はそうではない」
「F1マシンのドライブには体力が求められるし、とてもハードで、いろんな人の助けなしでは戦えない。でもF1ではまるで『ロジャー・フェデラーに卓球ラケットを持たせて全仏オープンを戦わせる』みたいな状況が生まれるんだ。それじゃあチャンスはないだろう」
「人によって持っているラケットが違う場合、場所によってコートの広さが違う場合、果たしてテニスはスポーツと呼べるのだろうか?」
グロージャン曰く「卓球ラケットを持たされたフェデラー」の代表的な例が、2019年シーズンにレッドブルからルノーへ移籍したダニエル・リカルドだという。
「ダニエル・リカルドを見てほしい。彼はルノーで表彰台すら獲得することができなかった。彼は(レッドブル時代に)レースに勝ったし、表彰台にも乗った素晴らしいドライバーだ。全てはその手に何を握っているかにかかっているんだ」
GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事も務めるグロージャンは、戦力の均衡を目指し、2021年のレギュレーション作成プロセスにおいて、ドライバーを代表して度々意見してきた。
彼自身は2021年以降の契約を結んでいない状況だが、2021年のルール変更後に優勝争い、上位争いに絡むことを諦めていない。
「確かに、僕は優勝することができないまま引退するかもしれない。でも将来的にチャンスを得るために全力を尽くす。今年の終わりには多くのドライバーが契約満了となるし、引退するドライバーもいるだろう」
「(引退は)ひとつの決断だと思う。シーズンの半分を終えて、自分がこれ以上の情熱を持てないと分かれば、その時はすぐにやってくると思う」
「(F1では)家族と離れて世界中を転戦しなければいけないので、引退して他の居場所を探す可能性もあるだろう」
「それは他のドライバーにとっても同じだ。チャンスがあるかもしれないけど、それは誰にも分からない」
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