F1 エミリア・ロマーニャGP
雨のイモラ。タイヤウォーマー温度引き下げでドライ投入の“賭け”はハイリスクに……失敗すれば「取り返しがつかない」
今季からタイヤウォーマーの最高温度が下げられたことで、天候が不安定なエミリア・ロマーニャGP決勝でタイヤ戦略を間違えると「負のスパイラル」に陥ることになるとウイリアムズは危惧している。

Jonathan Noble
公開日時: 2022/04/24 11:36
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F1第4戦エミリア・ロマーニャGPは金曜日から雨まじりのセッションが続き、日曜日の決勝レースでもドライとウエットが入り乱れる可能性も低くはない。
今季からタイヤウォーマーの最高温度が下げられたこともあり、ドライタイヤ、ウエットタイヤの判断を間違えると、「負のスパイラル」に陥る可能性があるとウイリアムズは危惧している。
昨年まではマシンに装着する前のタイヤはフロントが100℃、リヤは80℃まで温めることが許可されていたが、今年からはその最高温度は70℃に引き下げられた。これに伴い、今年のF1ではライバーがアウトラップでのタイヤの温まりに苦しめられることが多く、アンダーカットが難しくなっている。
イモラ・サーキットで行なわれるエミリア・ロマーニャGP。決勝日の午後に入り、現地は激しい降雨に見舞われており、決勝レースはウエットコンディションが予想されている。レースを通して雨が降り続くのであれば問題はないだろう。しかし雨が上がり、路面が乾き始めるという展開となれば、事態は一変する。
路面コンディションの変化によって、ウエットタイヤよりもドライタイヤの方が、タイムが出るようになるクロスオーバーのタイミングを把握することは難しい。
タイミングを外し、濡れた路面でドライタイヤを作動温度まで十分に温めることができなければ、本来のグリップを得ることはできない。その上、今年はタイヤウォーマーの最高温度が下げられたことで、こうした状況でのタイヤの温めは困難を極めるのだ。
Pierre Gasly, AlphaTauri AT03, Nicholas Latifi, Williams FW44
Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images
路面が乾き始めたタイミングで“ギャンブル”を狙い、早めにドライタイヤに履き替える……というのは後方から一気に順位を上げる古典的な手法だが、ウイリアムズの車両パフォーマンス責任者を務めるデイブ・ロブソンは、そのリスクは例年よりも大きくなったと考えている。
「クロスオーバーのタイミングでスリックタイヤを履くのはあれ(予選)が初めてだった」と彼は言う。
「タイヤウォーマーの70℃というのが、それをより困難なモノにした。許容範囲もかなり狭くなった」
「(レース中に)雨が降って、ギャンブルとしてスリックを早すぎるタイミングで投入したら、例年よりもずっと早くに悲惨なスパイラルに陥ることになる。前までは少なくとも、戦えるだけのチャンスはあった。タイミングを図るのは難しいし、例年とはまったく異なる」
またロブソンは、タイヤを適正な作動温度に入れるためには数周を要するとして、予選セッションで多くのドライバーがスピンを喫した理由は、低い路面温度によってタイヤが冷えていたためだと考えている。
タイヤウォーマーの温度が低いことと、アクシデントが多いことに関連性はあるかと尋ねられたロブソンは次のように答えた。
「コンディションはそれほど悪くなかったから、そうだと思う」
「Q2で再び雨が降り始めた時でさえ、思っているほど厳しいコンディションではなかった。だから、それが一因に違いないと思う」
「他のドライバーのことは言えないけど、サインツJr.(カルロス・サインツJr./フェラーリ)を例に見ると、以前ならそうはならなかったのに、彼はクラッシュを喫した。間違いなく厳しくなっている」
「こうしたコンディションでドライタイヤを履いてピットレーンを出るのは、本当に自信がなければならない。正のスパイラルに乗れるか、負のスパイラルに陥るかの違いは大きいからね」
「もし走り出してすぐタイムを上げられなければ、(タイヤ)温度は上がるどころか逆に下がってしまう。そうなれば取り返しがつかない」
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