スパのランオフエリアがグラベルに? F1ドライバーたちは歓迎の姿勢
F1ベルギーGPの舞台であるスパ・フランコルシャンは、アスファルト舗装のランオフエリアをグラベルに変えることを計画している。この計画については、F1ドライバーたちも賛成の意向を示しているようだ。
写真:: Circuit Spa-Francorchamps
スパ・フランコルシャンは先週、サーキットの改修計画を明らかにした。これによれば、現在はアスファルトで舗装されているラ・ソース、ラディオン、レ・コンブ、スタヴェロー、ブランシモンのランオフエリアを、グラベルトラップに置き換えることになりそうだ。
この変更は、同サーキットで2輪レースを開催できるよう、FIM(国際モーターサイクリズム協会)のライセンスを取得するためのものだ。
二輪の場合、ランオフエリアがアスファルトで舗装されていると、転倒したバイクとライダーを止めることができず、高速でバリアに激突してしまうなどといった危険な状況に繋がってしまう可能性がある。そのため、コースサイドにグラベルトラップを設け、バイクとライダーを安全に減速させようとしている。
一方で四輪の場合、コースサイドがグラベルだと、そこに突っ込んでしまったマシンが回転してしまい、ドライバーを危険に晒す可能性がある。そのためランオフエリアを舗装し、ブレーキングして減速できる区間を広く確保しているのだ。
今回のスパの改修は、この両方で求められる要素を満たすものであるはずで、オー・ルージュ/ラディオン上の新たなグランドスタンドの建設費用を含む約8000万ユーロ(約100億円)の一部を使い、実施されることになるという。
最近のF1ドライバーズ・ブリーフィングでは、サーキットのランオフエリアにまつわることが度々議題に上がっている。ベルギーGPのドライバーズミーティングの際、マクラーレンのカルロス・サインツJr.は、各サーキットがランオフエリアを舗装する方向に行きすぎていると語っていた。
「縁石に外側のグラベルや芝生のエリア……今のスパに欠けているのは、そういうモノだと思う」
サインツJr.はそう語った。
「今、僕らはリスクのことを考えすぎている。そしてリスクと見返りのバランスは、現在のサーキットでは十分なモノじゃない」
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2020年のF1スケジュールは大いに変更された。そのためムジェロやニュルブルクリンクといった、昔ながらのスタイルのサーキットで、グランプリが開催されることになった。これらのコースを訪れたことにより、ドライバーたちはグラベルが多用されているサーキットへの愛着を語り始めている。
サインツJr.は、スパの改修計画を支持すると語った。
「グラベルに戻ることを歓迎するし、将来もっと多くのランオフエリアがグラベルや芝生になることを祈っている」
「サーキットを再び素晴らしく、壮観なモノにする必要があると思う。まさにそれがそのためのモノになると思う」
「スパに他の何かが起こり、8000万ユーロが無駄にならないことを祈っているよ! とにかく、グラベルが戻るのを歓迎すると共に、グラベルや芝生のエリアがもっと増えることを祈り続けている」
ウイリアムズのジョージ・ラッセルは、ドライバーがコース上でミスを犯した場合、それが何らかの悪影響につながるべきだと主張した。
「それがレースが目指すところだ」
ラッセルはそう語った。
「それはスリルや限界があるということを意味すると思う。そしてもしミスを犯したならば、それで罰を受けるということを知っているべきだ。でも残念ながら、安全上の理由から、そういう要素が存在しないサーキットが多すぎる」
「グラベルは、特定の理由で取り除かれた。でもドライバーの観点からは、安全性の意味合いを完全に理解しているわけじゃないけど、グラベルのランオフを戻すことにより、より純粋な意味でのレースコースを再び見ることになるのは、素晴らしいと思う」
FIAのF1レースディレクターであるマイケル・マシは、問題とされているコーナーに適した形のグラベルトラップが作られることを歓迎するとしている。
「前にも言ったように、コーナーごと、サーキットごとに、それが機能するならば歓迎する」
マシはそうmotorsport.comに対して語った。
「それがもしうまく機能しないのであれば、どうすれば機能するのか、全体的に見る必要がある。FIAはそういった観点から、FIMと協力している」
「我々はサーキットごと、コーナーごとに検証し、最善の判断を下すように努めている」
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