F1
美しきF1マシン:「2022年のフェラーリF1-75が似ている? 跳ね馬暗黒時代の入り口」フェラーリ643
フェラーリの2022年形F1マシン”F1-75”は、いくつかのマシンによく似ていると言われた。そのうちの1台が1991年のフェラーリ643。細く低いノーズやカラーリングは、確かにF1-75を彷彿とさせたかもしれない。しかしチームの行く末まで同じにならなければ良いが……。
田中 健一
公開日時: 2022/12/09 10:11
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録









9
2022年F1序盤戦で速さを見せたのは、フェラーリだった。最終的にはレッドブルに大きな差をつけられてしまったものの、開幕直後は「今年こそ」と世界中のティフォシが浮き足立ったに違いない。
その速さだけではなく、マシンが発表された直後からフェラーリは話題の中心だった。それはそのマシンカラーリングによるところが大きい。
今季用マシンF1-75は、低く細くなったノーズ先端、過激な形状のサイドポンツーン上面、そしてサイドポンツーン下には強烈なアンダーカットが入れられていた。そしてそのカラーリングは、ウイングは黒、ボディは濃い赤……ファンの間からは「1990年代を思い出させる」と好評だったのだ。
そのカラーリング、マシンの形状が相まって、F1-75はかつてのマシンに似ていると言われることが多かった。たとえば独特な形状のサイドポンツーンは、アンダーカットが鋭く入れられていることもあり、ダブルフロアで有名な1992年のF92Aを思い起こさせる。
Read Also:
またその細く低いノーズは、フェラーリ643を彷彿とさせるという声も多かった。643はF92Aの先代となるフェラーリのF1マシンで、1991年の第7戦フランスGPから登場。アラン・プロストとジャン・アレジが走らせた。
その初戦はプロストが2位、アレジが4位と、マクラーレン・ホンダ(MP4/6!)やウイリアムズ・ルノー(FW14!)が強さを誇っていた中にあって、幸先の良いスタートを切った。
しかしその後は信頼性の問題が足枷となるなど、表彰台が精一杯で、優勝には手が届かなかった。特にベルギーGPでは、戦略を活かしてアレジが初優勝まであと一歩というところまで迫ったが、痛恨のエンジントラブルに遭遇し、戦線を離脱していった。
当時はチーム内が混乱し始めた時期であり、プロストはチームを批判したとして日本GPを最後に解雇され、最終戦オーストラリアGPはジャンニ・モルビデリが代役を務めた。
結局この年のフェラーリは、ランキングこそ3位だったものの未勝利。そしてこの後、1992年、1993年も勝つことができなかった。まさに暗黒時代の入り口ともなった1台である。
ちなみにフェラーリは1990年スペインGP(プロスト)の後、1994年のドイツGP(ゲルハルト・ベルガー)まで勝つことができなかった。
そんな勝てなかった643を彷彿とさせるF1-75は、結局シーズン4勝(シャルル・ルクレールが3勝、カルロス・サインツJr.が1勝)を挙げたが、前述の通りレッドブルに大きく水をあけられる格好となった。戦略やドライブ面のミス、信頼性不足による取りこぼしも多く、結果的にはチーム代表のマッティア・ビノットが事実上更迭されることとなった。
終盤はレースペースの面でも巻き返しの兆しを見せていただけに、チーム内のゴタゴタが足を引っ張り、1991年のような”暗黒時代の入り口”とならなければよいのだが……果たして?
関連ニュース:
- 美しきF1マシン:まるで戦闘機。美しくも苦戦した、フェラーリF92A
- 美しきF1マシン:「フル参戦1年目の中嶋悟&アイルトン・セナの相棒」ロータス99T・ホンダ
- 美しきF1マシン:「片山右京がデビュー。色も形も”戦い”も、記憶に残る1台」ヴェンチュリLC92
- 美しきF1マシン:「勝利まであと一歩……”巨人”トヨタのF1最高傑作」トヨタTF109
- 美しきF1マシン:「鈴鹿が揺れた……勝つ力さえあった小チームの傑作」ザウバーC31
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
コメントを読んで投稿する
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 2023年の鈴鹿サーキット モータースポーツファン感謝デーは3月4~5日に開催。チケット詳細は来年1月に発表
次の記事 今のF1はオーバーテイクするのが簡単すぎる! FIA、2023年のDRSゾーン削減を検討開始「こういう状況を我々は望んでいない」
Top Comments
コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?
View More & Comment
More from
田中 健一

今夜(明朝?)決まってしまうのか! アントネッリのアメリカGPチャンピオン獲得要件は
F1
F1
アメリカGP
10 時間前
今夜(明朝?)決まってしまうのか! アントネッリのアメリカGPチャンピオン獲得要件は

アロンソがアメリカGPの予選Q1突破。ホンダF1折原エンジニア「小さな積み重ねでパフォーマンス向上に貢献する」
F1
F1
アメリカGP
19 時間前
アロンソがアメリカGPの予選Q1突破。ホンダF1折原エンジニア「小さな積み重ねでパフォーマンス向上に貢献する」

アロンソ、アメリカGPの予選結果に手応え「ここまでのパフォーマンスは良さそう。決勝では守備の場面が多くなるだろうけどね……」
F1
F1
アメリカGP
20 時間前
アロンソ、アメリカGPの予選結果に手応え「ここまでのパフォーマンスは良さそう。決勝では守備の場面が多くなるだろうけどね……」

More from
フェラーリ

フリー走行最速だったフェラーリ、予選で”不発”だったのはなぜなのか。ルクレールとハミルトンが主張するふたつの問題
F1
F1
アメリカGP
10 時間前
フリー走行最速だったフェラーリ、予選で”不発”だったのはなぜなのか。ルクレールとハミルトンが主張するふたつの問題

F1メカ解説|フェラーリが投入したアップデート、その効果は0.1秒未満? 本拠地から遠い遠いアメリカに持ち込んだ理由
F1
F1
アメリカGP
1 日前
F1メカ解説|フェラーリが投入したアップデート、その効果は0.1秒未満? 本拠地から遠い遠いアメリカに持ち込んだ理由

フェラーリ、アメリカGPで今季最後のアップデート投入。バスール代表「再びあらゆる面で安定したパフォーマンス発揮が目標」
F1
F1
アメリカGP
2 日前
フェラーリ、アメリカGPで今季最後のアップデート投入。バスール代表「再びあらゆる面で安定したパフォーマンス発揮が目標」
最新ニュース

マルク・マルケス、オーストラリアGP中止の判断に理解も「コンディションは許容範囲だった」
MotoGP
MGP MotoGP
オーストラリアGP
8 時間前
マルク・マルケス、オーストラリアGP中止の判断に理解も「コンディションは許容範囲だった」

フェルスタッペン、COTAの凸凹路面は掘り起こしが必要と主張。楽観的なサーキット会長には「僕のマシンに乗せてあげる。歩けなくなるよ」
F1
F1 F1
アメリカGP
8 時間前
フェルスタッペン、COTAの凸凹路面は掘り起こしが必要と主張。楽観的なサーキット会長には「僕のマシンに乗せてあげる。歩けなくなるよ」

ボッタス、キャデラック放出の噂も気にせず残りレースに集中。COTAのバンプ問題も気にならない?「10年前から僕の背中はボロボロだ」
F1
F1 F1
アメリカGP
9 時間前
ボッタス、キャデラック放出の噂も気にせず残りレースに集中。COTAのバンプ問題も気にならない?「10年前から僕の背中はボロボロだ」

アプリリア、オーストラリアGP中止に複雑な心境「マルティンは嬉しがるだろうが、ベッツェッキにとっては……」
MotoGP
MGP MotoGP
オーストラリアGP
9 時間前
アプリリア、オーストラリアGP中止に複雑な心境「マルティンは嬉しがるだろうが、ベッツェッキにとっては……」
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録