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F1でも後方確認用ビデオカメラ&モニター導入へ? 解決しなければいけないいくつかの”ハードル”

F1は、これまで長らく使い続けられてきたリヤビューミラーを排除し、後方を確認するためのビデオモニターをコクピットに設置するというアイデアを検討している。しかしそれを実現するためには、いくつかのハードルがありそうだ。

Lewis Hamilton, Mercedes, viewed in his rear view mirror

写真:: Steve Etherington / Motorsport Images

ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

Analysis provided by Giorgio Piola

 現在のF1マシンには、後方を確認するためのリヤビューミラーの設置が義務付けられている。そしてそのサイズも、ドライバーが後方をしっかりと視認できるように、レギュレーションによって高さ50mm、幅150mm以上にしなければならないと義務付けられている。

 ただマシンの空力を考えた場合、ミラーの存在はある意味邪魔と言ってもいい。そのためデザイナーたちは、気流をできるだけ妨げないよう、ミラーの形状を工夫し続けてきた。最近では、ミラーのケースを使って、後方に向かう気流をコントロールしようという動きも盛んである。

 しかし後方をミラーで確認するというのは、ある意味古風とも言えるだろう。F1のような最先端を行くハイテクマシンが未だにミラーを備えているというのは、驚くべきことなのかもしれない。

 F1は空力開発やパワーユニットもさることながら、超高精度のGPSやオンボードカメラ、高速デジタル処理などを実用化している。そんな状況では、後方確認にも最先端技術が使われるのは、理に適っているように思える。

 コクピットに備えられたスクリーンで後方を確認するというアイデアは、特に目新しいことではない。すでに他のカテゴリーでは使われているし、F1でも数年前に、ドライバーとFIAの間で議論された。

 現在フェラーリのドライバーを務めるカルロス・サインツJr.は、2019年に次のように語っていた。

「僕らは単純なミラーの代わりに、カメラを使うことを提案した。これは、すでに他のカテゴリーでも使われているモノだ。FIAはそれについて検討すると思う。でも、まだ解決されたモノじゃない」

「それはドライバー側から提案したモノだ。そして、他のカテゴリーのドライバーが既にそれを使っているのも知っている。WECではそれを使っていると思う。そうなると決まったわけじゃないが、それがひとつの選択肢になる可能性がある」

Digital rear view mirror with AMOLED technology in the Audi R18 e-tron quattro

Digital rear view mirror with AMOLED technology in the Audi R18 e-tron quattro

Photo by: Audi Communications Motorsport

 後方確認用のデジタルスクリーンがモータースポーツシーンに登場したのは、2012年のル・マン24時間レースが最初だと思われる。この時アウディR18には、マシンの後方を撮影するカメラが取り付けられ、ドライバーがそれを確認できるようコクピット内にビデオモニターが取り付けられた。

 今ではWECでは一般的なモノとなり、DTMなど他のカテゴリーでも使われている。

 ただ、F1で使うのは簡単ではないかもしれない。実現に向けては、いくつかの大きなハードルが残っている。

 FIAのシングルシーター・テクニカルディレクターのニコラス・トンバジスは、F1でWECのような後方確認用のモニターを使うには、克服すべき3つの大きな課題があると説明する。

「我々はそれを検討したが、解決する必要のある3つの問題がある」

 トンバジスはmotorsport.comの取材に対してそう語った。

「ひとつは、コクピットにモニター画面を置くためのスペースがないことだ。そしてふたつ目は、モニター画面はかなり暗い密閉されたコクピットの中で使わなければいけないということだ。携帯電話の画面を、日光の下で見るのと同じだ。ドライバーたちが目を細めれば見えるだなんてことを、確認したくはないね」

「3つ目は、ある距離から別の距離に、焦点を合わせる必要があるということだ。これも少し懸念されることであり、慎重に評価する必要がある」

「F1マシンが進んでいる速度では、画面に慣れるのに0.5秒だって失うわけにはいかないのだ」

「我々はそれについて検討を進めているが、同時に他の方法も検討している。例えば、音声信号のようなモノだ。ただ、まだ進行中の作業だ」

Robert Kubica, Orlen Team ART, BMW M4 DTM, in board view

Robert Kubica, Orlen Team ART, BMW M4 DTM, in board view

Photo by: ITR eV

 これらの問題を考えると、F1がミラーを完全に捨て去るまでには、まだ時間がかかりそうだ。そして、より後方をしっかりと視認できるように、2023年からはリヤビューミラーの大きさが拡大されることになる。

 前述の通り、2022年のミラーは高さ50mm、幅150mm以上である。しかし来シーズンは、高さ60mm、幅200mm以上に変更される。面積で言えば、1.6倍に拡大することになる。デザイナーにとっては、ひとつ頭を悩ます種になっているだろうことは間違いない。

 
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