F1のフロントウイング、2021年は”エレガントでドラマティック”に変化?
F1は2021年のマシンコンセプトにおいて、より”エレガントでドラマティック”なフロントウイングが重要な役割を占めると考えている。
Front wing of Ferrari SF90
Mark Sutton / Motorsport Images
F1は、2021年のマシンコンセプトを改良し、フロントウイングのデザインを飛行機の翼に近い、より”ドラマティック”なデザインに変更したようだ。
8月下旬、F1は2021年マシンコンセプトの50%スケールモデルの風洞実験を実施し、その様子を動画で公開した。この実験で、後続のマシンが乱流によって失うダウンフォース量を10%ほどに抑えられるというCFD(コンピューター流体解析)と同様の良好な結果が得られたようだ。
乱流の影響を受けづらくなることで前のマシンについて行きやすくなり、オーバーテイクの増加やエキサイティングなレースを生むという効果が期待されている。
2021年マシンのスケールモデルは、現行F1マシンとは大きく異なるウイングを持っている。フロントウイングのフラップは3枚に減らされており、ノーズがウイングのメインプレーンに直接取り付けられている。また、ウイングのフラップもノーズに接続されている。リヤウイングのフラップは、流れるようにエンドプレートに繋がっており、現行マシンのリヤウイングとは大きく形状が異なっている。
この風洞実験の後も、マシンデザインの改良作業は急速に進められていたようだ。F1公式ウェブサイト『F1.com』は、コードネーム”リマ”と呼ばれる最新バージョンのマシンコンセプトが、16日(月)にチームに提示されたと明かした。
その画像は現在のところ明らかになっていないが、より”エレガントでドラマティック”なウイングを備えているという。
視覚的に最も大きな変更点は、F1のチーフテクニカルオフィサーであるパット・シモンズとFIAシングルシーター技術部門責任者であるニコラス・トンバジスが率いてきたチームが数カ月に渡って改良を進めてきた、未来的なフロントウイングになるだろう。
フロントウイングのエンドプレートは、旅客機に使われている上向きのウイングチップのような形に変更される。なお、この部分はチームが自由に開発することができるという。
F1が以前発表した2021年のコンセプト。フロントウイングの翼端板はこんな感じに?
Photo by: FIA
現行のフロントウイングは幅が2メートルあるが、乱流に悪影響が出ない範囲で幅を狭くすることも検討しているようだ。
また、リヤウイングは風洞実験時よりもワイドになり、美観上の理由からエンドプレートが内側に湾曲するとのこと。さらにノーズの先端を約25mm下げる他、シャシーを持ち上げ、ヘッドレストやロールフープをより高い位置にすることで、ドライバーにより広いスペースを与えるとしている。リヤブレーキやギヤボックスが変更されたことにより、フロア形状も調整されているという。
F1は新しいF1の規則が発表される10月末までに、さらなる風洞実験を行い、”リマ”をテストする計画のようだ。
明確に新しい見た目のマシンを作り出すことも、2021年以降の目標の一部ではあるが、主な目的はより良いレースを生み出すことだ。
先月の風洞実験の際、シモンズは「(実験の結果は)実際にプロジェクトを開始した時に達成できると予想していたモノを超えている」と話した。
「現時点で、我々のマシンで得られた実験結果は並外れて優秀なものだ」
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