分析
F1 イギリスGP
F1メカ解説|ダウンフォースはいる? いらない? 高速シルバーストンの正解
F1チームは少しでもライバルに追いつき、追い越そうと、絶え間なく開発を行なっている。今回はイギリスGPで見られたトップ4チームの新パーツを見てみることにしよう。
Giorgio Piola Matthew Somerfield
編集: 2021/04/06 11:32
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ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
イギリスGPの舞台であるシルバーストン・サーキットは、それまでの3ラウンドとは要求されるモノが大きく異なっている。各チームはそれを理解し、対策を施した空力パーツを持ち込み、様々なダウンフォースレベルを試した。
メルセデス
2020年型のメルセデスW11は、昨年仕様マシンと比較して優れたレベルのダウンフォースを手にしている。そのため、搭載されるウイングの角度も薄くなっている。シルバーストンに持ち込まれたリヤウイングもその例に漏れず、シーズン前半に使われていたモノと比較してもウイングの角度がさらに薄くなり、フラップの後端からガーニーフラップも外されている。
この低ドラッグ仕様のリヤウイングには、チームがプレシーズンテストで試し、その後シュタイアーマルクGPで実戦投入された、1本ステーの構成も含まれている。
ステーを1本にすることで、気流を分割する効果を少なくすることができる。これは、メインプレーンを薄くした場合には重要である。この1本ステーを導入するにはメリットとデメリットがあるが、今回は空力的なメリットを考え、採用されたモノと考えられる。
なおこのステーはメインプレーンの下側に取り付けられており、ウイング上部にはDRSの作動ポッドだけが配置されることになる。こうなると、フラップ上面での乱流発生が削減されるはずだ。
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フェラーリ
Ferrari SF1000 rear wing detail British GP
Photo by: Giorgio Piola
フェラーリは今季、パワーユニットの出力面で苦しんでいる。その結果、ライバルに対して最高速の面で劣っている。特に今季パフォーマンスを向上させたメルセデスとは、約40bhpの差があるとも言われる。
そのためフェラーリは、劣る最高速をいくらかでも取り戻そうと、シルバーストンに最もダウンフォース発生量が小さいリヤウイングを持ち込んだ。ただダウンフォースが小さいと、コーナリング中にマシンを路面に押さえつける力が弱まることになり、マシンが横滑りしてしまう。タイヤの寿命やパフォーマンスに悪影響を及ぼすことになるため、この決定には苦痛も伴う。
昨年のイギリスGPの際には、より大きなリヤウイングを装着し、さらにTウイングも取り付けていた。そこからも、今年パワー面でどれほど苦しんでいるかが分かろうというものだ。
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レーシングポイント
Racing Point RP20 rear wing detail British GP
Photo by: Giorgio Piola
フェラーリとはまったく逆の選択をしてきたのはレーシングポイントだ。彼らはかなり大きなリヤウイングを搭載。それだけではなくTウイングも使用し続けた。
これらの形でダウンフォースを手にした結果、ライバルたちに比べて高速コーナーでマシンがはるかに安定したはず。しかしその反面、空気抵抗が増しているのは間違いなく、最高速は犠牲にしたはずだ。
とはいえ幸いなことに、今季のメルセデスのPUは超強力。そのため、空気抵抗でのマイナス分を、ある程度相殺することができただろう。
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レッドブル
レッドブルは、イギリスGPで新しいリヤウイングを試したもうひとつのチームだ。彼らも、空気抵抗を減らして最高速度を向上させようとしていた。
彼らは今季ここまでの4レースで、3種類目のリヤウイングを使った。多くの新機能が追加され、一部では古いモノも復活している。
彼らが今回使ったリヤウイングは、ダウンフォースの確保と安定性を併せ持ったモノで、湾曲したスプーン形状のメインプレーンを備えていた。こうすることで、ダウンフォースが削減される一方、空気抵抗と翼端で発生する渦が削減される。
この新しいウイングには、RB15の特徴とも言えた、シンプルな翼端板も採用された。彼らは、序盤戦で直面した問題を調査するため、比較テストを実施。最適なバランスを見出すため、2台のマシンに異なるセッティングを施した。
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