FIA、アブダビGPのSC手順巡る論争受け調査へ。「F1のイメージを傷つけ、影を落としている」と事態を重視
FIAは2021年のF1最終戦アブダビGPで発生したセーフティカー運用を巡る論争に関して、「F1のイメージを損ねている」として詳しい調査を行なうと明かした。
写真:: Jerry Andre / Motorsport Images
F1の2021年シーズンは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が最終戦アブダビGPで優勝を飾り、彼のドライバーズタイトル獲得でシーズン終了を迎えた。しかし、アブダビGP終盤の波乱の展開には論争が巻き起こってしまった。
ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)のクラッシュによって、レース終盤にセーフティカー(SC)が出動。レースディレクターのマイケル・マシは、当初はバックマーカーにSC追い越しを許可しなかったが、後にルイス・ハミルトン(メルセデス)とフェルスタッペンの間に挟まれたバックマーカーに対して追い抜きを許可。トップ2台の直接対決の状況で、レースを残り1周から再開させた。
これがフェルスタッペン優勝の決め手となったわけだが、メルセデスはレース再開に向けた手順に問題があったと抗議。しかしレギュレーション上、レースディレクターは他の条文を根拠に問題とされた箇所をクリアできるとされ、抗議は却下された。
ただアブダビGPでの出来事は収拾がついたとは言えない状況が続いている。そんな中、FIAは15日(水)に開かれた世界モータースポーツ評議会を経て、アブダビGPで何が起きたのかを調査し、2022年に向けて、どういった教訓を得られるかを確かめるため、詳細な分析を行なうと発表した。
声明の中でFIAはルールに関するファンやチームの“誤解“を指摘しているものの、現状がF1に打撃を与えているとも認めている。
「ニコラス・ラティフィのインシデントに続く、セーフティカーの出動にまつわる状況や、FIAレースディレクションチームとF1チーム間のコミュニケーションは、ファンやドライバー、F1チームから重大な誤解と反応を生み出してしまった」
「この件に関する論争は現在、F1自体のイメージに傷をつけ、マックス・フェルスタッペンの初のワールドチャンピオン獲得、メルセデスによるコンストラクターズタイトル8連覇という正当な慶事へ影を落としてしまっている」
FIAは今後、マイケル・マシからグランプリ後に毎回提出されるレポートを基にして、アブダビGPについて詳細に分析し、今後に向けて問題点を明確にすることを試みることになるようだ。
なお声明には次のようにも付け加えられている。
「この問題については、状況から教訓を得るために全チーム、全ドライバーと話し合い、対処していく。そしてドライバーとオフィシャルの安全を確保しながら、我々のスポーツの競争性を維持するために、参加者やファン、メディアに対して現行のレギュレーションを明確にしていく」
「この分析からはF1だけではなく、FIAの全てのサーキットで行なわれるチャンピオンシップが恩恵を受けることになる」
なおFIAは2022年シーズンに向けて事態を改善していけるよう、チームに加えてF1のスポーティングディレクター陣も巻き込んで分析を進めていくとしている。
「FIAはF1のガバナンス内でこれに対処するための最大限の努力を行ない、F1ドライバーの支援を得て、スポーツ諮問委員会に研究のための明確な指示を与えるよう、F1委員会に提案し、2022年シーズン開始前に有意義なフィードバックと結論がもたらされるように進めていく」
メルセデスは抗議が却下された後、さらなる上訴の意向を示しており、その期限は16日(木)となっている。なお彼らはレース後に沈黙を続けているが、16日にはFIAの年間表彰式への出席が予定されている。
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