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全文翻訳版|レッドブル・レーシングのF1予算制限違反と罰則に関するFIA報告書

レッドブルは、2021年のF1予算制限レギュレーション違反を認め、700万ドルの罰則と空力テストの制限を受け入れることでFIAと合意。以下がFIAの報告書全文だ。

Red Bull logo

写真:: Red Bull Content Pool

 FIAフォーミュラ1ファイナンシャル・レギュレーション(以下、財務規則)第6.20条に基づき、予算制限管理局とレッドブル・レーシングF1チーム(以下RBR)の間で、2022年10月26日付けで違反容認合意(Accepted Breach Agreement/以下ABA)が締結された。財務規則はFIAによって発行され、FIAによってフォーミュラ1世界選手権の参加条件の一部を構成している。

 予算制限管理局は、RBRが審査プロセスを通して協力的な行動を行ない、追加情報や証拠の提出を求められた場合には適時に提出するよう努めたこと、この年が財務規則完全適用の初年度であり、競技者が適用するには非常に複雑な規則であること、RBRがいかなる時にも悪意を持って不正や詐欺的行為を行おうとしたという告発や証拠はなく、故意に予算制限管理局に情報を開示していた訳ではないことも認識している。

 予算制限管理局はこのような状況に於いて、問題となっている手続き上の違反が限定的であること、また支出超過の違反が5%未満と少額であること、RBRが違反を受け入れ、予算制限管理局と協力する意思を持っていることから、以下に示す条件でRBRにABAを提示することが適切であると考えている。そして、その提案はRBRによって受け入れられた。

ABAに関する懸念:

  • RBRが2021年の年間報告書で報告した関連費用は1億1429万3000ポンドであった。
  • 予算制限管理局は調査後、RBRが2021年12月31日に締め切りを迎えた年間報告書に関して不正確な年間報告書を提出したため、財務規則第8.2条(e)に従い手続き上の違反を犯したとした。これは2021年の年間報告書において、合計569万7000ポンドに上る費用を不正確に除外・調整したためだ。
  • FIAによって精算されたRBRの関連費用1億1803万6000ポンドは、2021年の関連費用上限の5%未満となる186万4000ポンド(すなわち1.6%)超過していたため、財務規則第8.10条(b)に基づき、RBRが軽微な超過の違反を犯したこととなる。

ABAの条件と罰則の概要

 予算制限管理局の調査結果に基づきRBRは、提出した報告書に以下のような誤った除外または調整されたコストが含まれていたことを認めた。

  1. (ケータリングサービスに関する)予算制限第3.1条(a)に基づく除外費用の過大計上
  2. (給与及び関連する雇用者の社会保障負担に関する)財務規則第3.1条(w)に基づく費用
  3. 報告グループの総費用内で既に相殺されている(非F1活動に関する)財務規則第3.1条(h)(ⅰ)に基づく費用
  4. (賞与および関連する雇用者の社会保障負担に関する)財務規則第3.1条(k)に基づく費用
  5. 固定資産処分益において、必要な上方修正を行なわず、関連費用を過小に計上したこと
  6. (実習賦課金に関する)財務規則3.1条(q)に基づく費用
  7. (給与及びそれに伴う雇用主の社会保障負担に関する)財務規則第3.1条(h)(ⅱ)(ⅰ)に基づく費用
  8. (パワーユニットの使用費に関する)財務規則第4.1(a)(i)に基づく費用の過小計上
  9. (給与及びそれに伴う雇用主の社会保険料に関する)財務規則第3.1条(h)(i)に基づく費用
  10. (在庫使用に関する)財務規則第4.1条f)(ⅰ)(B)に基づく費用の過小計上
  11. Red Bull Power Trains Limitedによって再請求された費用のRBRによる精算に関する事務処理上の誤り
  12. 財務規則第3.1条(r)に基づく特定の旅費
  13. 財務規則第3.1条(i)に基づくメンテナンス費用

 その結果、2021年報告期間の関連費用は2021年の費用上限を186万4000ポンド(1.6%)超えていた。それにより、RBRは2021年の年間報告機関に関して正確な年間報告書を提出しなかったことによる財務規則第8.2条(e)の違反(ⅰ)、及び関連費用を2021年費用上限以下に抑えなかったことによる財務規則第8.10条の違反(ⅱ)を認めている。

 FIAは、RBRが年間報告書の中で、2021年の提出書類中の想定税額140万ポンドを正しく処理していた場合、予算制限管理局は第4.1条(b)に準拠しているとみなし、2021年の報告機関におけるRBRの関連費用は2021年の費用上限において43万2652ポンド(0.37%)の超過になっていただろうということを認めている。

 これに基づき、RBRは以下の罰則が科されることを受け入れた。

  1. RBRは、ABAの締結日から30日以内に、FIAに対して700万USドルのペナルティを支払うこと(財務規則第9.1条)
  2. RBRは、FIAフォーミュラ1競技規則の付則7第6条に定められている、各チームに適用される個々の制限付き風洞実験(RWTT)及び制限付き数値流体力学(RCFD)の制限計算に用いられる係数Cの10%削減の適用により、ABA締結日から12ヵ月に渡りRBRの空力試験実施能力を制限することで軽度の競技罰則を受ける。仮にRBRの選手権順位に基づく係数Cが70%である場合、新たなCの実効値は以下のようになる。CNEW=70%×(1-0.10)=63.0%
  3. RBRは、ABAの準備に関連して予算制限管理局が肩代わりした費用を負担する。

 ABAを締結するという予算制限管理局の決定は、この問題を解決へ導く最終決定であり、不服申立ての対象とはならない。RBRがABAの条件に従わない場合、財務規則第6.30条(f)に基づく手続き上の違反として、自動的に予算制限裁定委員会に付託されることとなる。

 
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