アルファタウリ、ガスリー車のPU交換を申請も一転撤回。パルクフェルメ規則違反の疑い?
アルファタウリ・ホンダは、土曜日の夜にピエール・ガスリーのパワーユニット交換を申請し、これが承認されたが、後に一転してこれを撤回。この件について、FIAから調査を受けている。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
アルファタウリ・ホンダは、土曜日の夜にピエール・ガスリーのマシンのパワーユニット(PU)を交換することを申請した。FIAはこれを承認したものの、チームは後にこの申請を撤回した。しかしこのPU交換が実際に行なわれなかったことが確認できないなどパルクフェルメ規則に違反している可能性があるため、現在FIAの調査対象となっている。
ガスリーは大波乱となった予選をうまく戦い抜くことができず、15番手で終えた。グリッド後方に沈んだことにより、おそらくシーズン最終戦までを戦い抜くための戦略的な理由から、チームはPU交換を申請。FIAからこれが許可された。
今回新品のPUを投入すれば、残り3レースを無交換で走り切ることができるはずであり、今後グリッド降格ペナルティを受けるリスクが少なくなるだろう。
しかしその後、マクラーレンの2台にグリッド降格ペナルティが科されたため、ガスリーのグリッドもふたつ繰り上がり13番手となった。チームは、このグリッドポジションを無駄にする必要はない……そう判断したようだ。
土曜日の夜、ガレージではすでにPU交換の作業が始められていたが、結局日曜日の朝になって、PU変更を取り下げる旨を通知した。
しかしFIAの技術代表であるジョー・バウアーは、今回の変更が「物理的な問題」ではなく、「戦略的理由」から申請されたものだと、スチュワードに対して指摘した。
パルクフェルメのルールでは、チームがパーツを変更する場合には、技術的な問題が発生し、交換する部品が同じ仕様であることが証明される場合にのみ許可される。
PUのエレメントにはこの変更が適用されないのが一般的だが、戦略的な理由からのPU交換だと判断されれば、”技術的な問題が発生”した場合に変更が許可されるというルールに抵触する可能性がある。その上、実際に作業が開始され、マシンのリヤエンドは外されてしまっていた。そのためFIAは、他の変更が行なわれていないということを確認できなかったと言われている。
バウアーは報告の中で、次のように述べている。
「昨日、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ・チームは、10号車の全てのPUエレメントを新しいモノに変更することを要求した。このリクエストは2020年の9月14日(原文ママ。実際には11月14日の誤りであると思われる)18:55に、チームからの書面による要求に伴い承認された。これは、2020年F1スポーティング・レギュレーションの第34.2条に準拠している」
「チームはマシンを分解し始め、マシンは昨晩ウマの上に置かれていた。そしてすでに作業(ギヤボックスの取り外し、ICEの取り外し、ラジエターの取り外し)が実行されていた。しかしチームは、この要求を取り下げることになった。これにより今回の要求は、物理的な理由ではなく、戦略的な理由により要求されたモノだと想定できる」
「さらに重要なことは、マシンはすでに分解されており、元のパーツを再装着し、マシンに変更が加えられていないことを保証するため、立会人やその他の監督手段を確保することが不可能である」
「上記の理由から、私はこの問題をスチュワードに照会し、検討している」
アルファタウリがパルクフェルメルールに違反していることが判明した場合、ガスリーは13番グリッドからスタートすることはおろか、グリッド最後尾につくことも許されず、ピットレーンからのスタートが義務付けられる可能性がある。
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