F1 ハース富士TPC

かつてF1の一歩手前まで迫った福住仁嶺が、ハースTPCを通して感じた手応え「日本のドライバーもF1で戦える」

福住仁嶺は富士スピードウェイでのTPCを経て、日本人ドライバーでもF1で通用するという実感を得たという。

戎井健一郎

公開日時: 2026/07/30 8:08

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Nirei Fukuzumi, Haas

Nirei Fukuzumi, Haas

写真:: Motorsport.com / Japan

 富士スピードウェイで行なわれた、2度目となるハースF1チームのTPC(旧型車テスト)。そこで初めてF1マシンをドライブした福住仁嶺は、何を感じたのか? 走行を終え、メディアの前で語った。

 福住はかつて、ホンダの育成ドライバーとして欧州にわたり、F1を目指したドライバーだ。GP3(FIA F3)では名門ARTでシャルル・ルクレール、アレクサンダー・アルボン、ジョージ・ラッセルらとチームメイトだった。GP3での2年目にはランキング3位を獲得したが、翌年に参戦したFIA F2で悪夢のようなシーズンを送り、以降は国内レースを主戦場としていた。

 そんな福住も、2024年にトヨタに移籍したことでキャリアの潮目が変わった。今季はスーパーフォーミュラでトヨタ移籍後初優勝を飾ると、その勢いそのままにTPC参加も決まり、F1マシン初走行が決定。諦めずに実力を示し続ければチャンスはやってくる……それを後進のドライバーに示す好機にもなった。

 初日の走行ではウエット路面、ドライ路面を両方経験し、2日目にはショートランで1分18秒442というベストタイムをマークした。すでに複数回のTPCの経験がある坪井翔のベストタイム(1分17秒914)からはコンマ5秒遅れであり、本人もラップをうまくまとめれば1分18秒2までは入れられただろうと悔しがったが、TGRグローバルモータースポーツディレクターの加地雅哉氏は「コンディションが目まぐるしく変わっていたので、ふたりの走りを比較することはナンセンス。ただふたりが互いに切磋琢磨し合う姿だったり、変化するコンディションの中でしっかり適用していく力をしっかり見せてくれた」と評価している。

 夏本番の暑さのせいか、ピークグリップの落ちもかなり早かったようで、アタックラップではテクニカルなセクター3に差し掛かった頃にはグリップの低下を感じていたという福住。自身の中では課題も残したようだが、それでも「悪くないセッション」「充実したセッション」だったと振り返った。

「子供の頃からレースをやってきて、今まではステップアップするごとに速いクルマになっていました。ただスーパーフォーミュラより速いクルマに乗ったことがなかったので、それがしばらく止まっていましたが、今回新しい経験としてF1に乗れたことで新鮮な気持ちでしたし、非常に楽しめました」

 F1初走行は「楽しめた」と語る福住だが、1回きりの楽しい思い出で終わらせるつもりもない。

Nirei Fukuzumi, Haas

Nirei Fukuzumi, Haas

写真: Motorsport.com Japan

「こういう機会をいただいたことに対して、“ご褒美”だと言ってくれることも多いですが、それだけ終わらないようにするためにも、ここから自分の成績や実力を示すことによって、まだまだチャンスは訪れるんじゃないかと思っています」

「自分はSFもGT500も、国内レースでのチャンピオンの経験がありません。そういうものがない以上はチャンスも訪れないと思っているので、そこをまずクリアして、今後もっとチャンスをいただけるように頑張りたいです」

 また福住は、今回の機会は自分にとってだけではなく、欧州で戦う若手ドライバーにとっても刺激になるはずだと語り、さらに自分の欧州での経験を若手に還元したいといったコメントをしている。来年1月に30歳を迎える福住としても、ここからF1レギュラードライバーのチャンスを手にするためのハードルが大きいことは自覚しているから、という側面もあるだろう。

 欧州でF1パドックのすぐそばに身を置いていた頃は、自身がF1の舞台で活躍する姿を何度も想像したことだろう。再びF1への道筋が見えてきた今、そういう姿を再びイメージできているのだろうか? 本人に尋ねた。

「(走り慣れた)富士ではありますが、ある程度すぐに乗れた実感があります。体力面では、よりハイスピードのサーキットに行けばかなり大変だと思うので、まだまだ足りないかなと実感していますが、僕に限らず日本のドライバーがF1に乗っても全然戦えるなと、乗ってみてすごく感じました」

「環境が違う中でレースをすることは日本人にとって大変なところもあるかもしれません。ただ、今はトヨタも若手を海外に送り込んで育成をしていますし、彼らが結果を残せば、(角田)裕毅みたいにF1も乗れるんじゃないかと思います」

「また、僕自身も実際にそういうチャンスがあればもっと走れるんじゃないかと実感できました。走ってみてわかることも多かったと思います」

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