ハミルトンのマイアミGPは不運だった?「戦略の決断をドライバーに求めるのはギャンブルみたいなもの」
メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1マイアミGPでセーフティカーが出動した時のような”不幸な”状況では、「ギャンブルをしているように感じる」ことがあると語る。
Lewis Hamilton, Mercedes W13, George Russell, Mercedes W13
Zak Mauger / Motorsport Images
ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、F1のレース中にセーフティカーが出場した時などは、ギャンブルのように感じることがあると語る。
ハミルトンはF1マイアミGPの1周目に8番手まで後退した後、最初のスティントで6番手まで浮上することに成功。タイヤ交換を終えたレース後半には、5番手を走るアルファロメオのバルテリ・ボッタスに迫っていた。
しかしハミルトンの後方からは、チームメイトのジョージ・ラッセルが接近。ラッセルは、ハミルトンがミディアムタイヤでスタートしたのに対し、ハードタイヤでのスタートを選択。このタイヤでの最初のスティントを長く走ったことで、セーフティカーが出た時に少ないロスタイムで、ミディアムタイヤに履き替えることができた。その結果ラッセルはハミルトンに接近することができ、さらにハミルトンの前に出ることができた。
メルセデスの2台はボッタスを抜き、結局ラッセルが5位、ハミルトンが6位でレースを終えた。
セーフティカー出動時には、ハミルトンにも2度目のピットストップを行なうという選択肢もあった。ハミルトンはレースエンジニアのピーター・ボニントンから、タイヤの状況について尋ねられた。そしてボニントンと、戦略担当ディレクターであるジェームス・ボウルズは、ハミルトンに対してステイアウトを勧めたが、最終的な決断は「君(ハミルトン)に任せる」と無線が飛んだ。
しかしハミルトンは当時、無線で次のように反論している。
「みんな教えてくれよ」
「僕に任せないでくれ」
結局ハミルトンはタイヤ交換を行なわず、最終的にはラッセルに対して脆弱な立場に立たされることになり、ポジションを明け渡すことになった。
セーフティカー中のピットストップに関する無線での議論について尋ねられたハミルトンは、次のように当時のことを説明した。
「マシンをドライブしている時、全ての情報を持っているわけじゃない」
そうハミルトンは語った。
「他のみんながどんな位置を走っているか分からないし、彼らが画面で見ている情報を見られているわけじゃないんだ」
「もし決断を下す責任を負わされたら、それはギャンブルをしているように感じる。そういうのは好きじゃないね」
「彼らが決断を下してくれた方が良かった。でもいずれにしても、僕らはただ不運だったよ」
ハミルトンは今季、セーフティカーのタイミングをうまく活かすことができていないとも言える。これについてハミルトンは、運命が変わることを「待っている」と語った。
「それまでは、できる限り一生懸命働き、チームと協力していく」
そうハミルトンは語った。
「今日はチームにとって、良いポイントを手にすることができた」
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、今回のセーフティカーはハミルトンにとってはどうしようもないタイミングでの出動であり、「彼(ハミルトン)にとっては有利ではなく、ジョージ(ラッセル)にとっては有利だった」と認める。
「ジョージにはウインドウがあり、後ろには誰もいなかった。彼は実質的に、ポジションを落とすことなく新しいミディアムタイヤに交換することができたんだ」
ラッセルはタイヤを交換したことで、ボッタスとハミルトンには先行されることになった。しかし彼ら2台は古いタイヤを履いている状態であり、しかもセーフティカーラン中のため、真後ろにつくことができた。セーフティカー走行が解除されれば、パフォーマンスが大きく違うのは明らかだった。
「ルイスは決断をする必要があった。ハードタイヤのままポジションをキープするのか、あるいはソフトタイヤに切り替えるか。いずれにしても難しい決断だった。それは半々の決断だったが、結局は彼にとってはうまくいかなかった」
「彼にとってセーフティカーのタイミングが不運だったのは、これが今季初めてというわけではない」
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