6戦で5回目、メルセデスのペナルティ止まらず……ホンダF1田辺豊治TD「信じられない」
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、ライバルであるメルセデスがシーズン終盤になって、ペナルティを続けざまに受けていることが「信じられない」と語った。
Toyoharu Tanabe, Honda F1 Technical Director
Erik Junius
ホンダのパワーユニット(PU)を搭載するレッドブルは、現在メルセデスと激しいタイトル争いを展開している。だがメルセデスが最近のレースで続けざまにPU交換のペナルティを受けており、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは信じられないと語った。
F1第18戦サンパウロGPは、スプリント予選レースを実施するフォーマットでの開催。金曜午後にはノックアウト形式の予選が行なわれ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2番手となった。
セルジオ・ペレス(レッドブル)、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)はそれぞれ4番手、5番手を確保。アルファタウリの角田裕毅は、インテルラゴス初走行で予選13番手となった。
「トップ5にホンダ勢の3台が入る結果となりました。角田選手は残念ながら13番手でQ2敗退となってしまいましたが、ここインテルラゴス・サーキットでの初走行となったFP1、その後の予選でもいいペースを見せていたので、明日のスプリント予選を上手く使って、日曜の本番レースにつなげられればと思います」
田辺テクニカルディレクターはチームのプレスリリースにそう語った。
スプリント予選レースが行なわれる週末は、短い時間でマシンの最適化を行なわなければならないが、以前に実施したレースからの学びもあり、順調に準備をすることができたという。
「予選開始時からパルクフェルメルールが適用されますので、1時間のFP1走行終了から予選までの2時間半の間に走行データを解析し、車体側・PU側ともに課題を潰し込んでベストな状態にすることが求められます」
「通常のレースウイークと比べて短い時間で最適化を進めるという点で、エンジニアにとっても非常に忙しい一日になりましたが、同様のフォーマットで行なわれたイギリスGP、イタリアGPからの学びもあり、プロセス自体は順調に進めることができました」
今回のサンパウロGPは、ハミルトンがエンジン(ICE)交換で5グリッド降格ペナルティを受ける。メルセデスはICEの信頼性に問題を抱えており、カスタマーチームも含めて最近のレースで多くのペナルティを受けている。
メルセデスの2台に絞っても、ボッタスはイタリアGP、ロシアGP、アメリカGPでペナルティを受けた。ハミルトンはトルコGPでICEを交換しており、メルセデスは直近の6レース中5レースで片方のドライバーがPUのコンポーネントを交換したことでグリッド降格を受けているのだ。
ブラジルで、メルセデスがペナルティを何度も受けていることについて驚いているかと訊かれた田辺テクニカルディレクターは、次のように答えた。
「驚いていますよ。(メルセデスは)毎週のようにICEを変えています」
「何が起こっているのか、それがなぜなのか、私には分かりません。しかし、PUマニュファクチャラーの立場からすると、ドライバーにPUペナルティが科せられるのは残念なことです」
メルセデスが信頼性の問題からPUを交換しているのに対し、今季のホンダはクラッシュによるダメージでPUが使用できなくなったり、後方からのスタートになったことによる戦略的な意味合いでのPU交換が主だった。
そのため、田辺テクニカルディレクターはさらなるコンポーネント投入とペナルティなしで残る4レースを戦い切ることができると考えている。
「現在の計画では、すべてのドライバーのPUをシーズン中にマネジメントすることができます」
「シーズン中にいくつかのアクシデントがあり、その後いくつかのPUを失いましたが、現時点では、すべてのドライバーに対して十分な数のユニットを用意しています」
予期せぬ事故のダメージがなければ、ホンダは3つのパワーユニットだけでシーズンを終えることができたのではないかと聞かれ、田辺テクニカルディレクターは「私はそう信じています」と答えた。
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