マルケス弟のLCR行き、“一挙両得”とホンダ。「ファクトリーは新人に厳しい環境」
レプソル・ホンダのチームマネージャーであるアルベルト・プーチは、アレックス・マルケスのLCRホンダ移籍が彼にとってベストな選択であると、ファクトリーチーム離脱の決定の意義を語った。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
7月13日、株式会社ホンダ・レーシング(HRC)はMotoGP2021年シーズンに向けたライダー契約を発表。現KTMのポル・エスパルガロをレプソル・ホンダへ迎え、今季同チームからMotoGPデビューを果たすアレックス・マルケスを、2021年からはサテライトチームのLCRホンダへ移籍させるとした。
ファクトリーチームからサテライトチームへの移籍、つまりアレックスの動きは一般的に降格人事ということになるが、この動きはアレックスのためになるものだとチーム側は説明。ルーキーにとって“レプソル・ホンダ”というチームはキャリアを始めるに当たって適切な場所ではないという認識を示した。
「これまでのキャリアがどういったものであったか次第ではあるが、我々はルーキーにとって、レプソル・ホンダがキャリアをスタートさせるにはベストな場所ではないことを認識している」
レプソル・ホンダのチームマネージャーを務めるアルベルト・プーチはそう語った。彼はMoto2チャンピオンであろうと新人にとってレプソル・ホンダは厳しい環境であり、LCRホンダ移籍は両者にとって利益のあるものだと主張している。
「つまり1日目から結果を求められ、多大なプレッシャーに晒されるという意味でだ」
「またマルク・マルケスのような男の隣でレースをすることは、彼が兄弟であろうとなかろうと、誰にとっても難しいことだ」
「我々はアレックス・マルケスの将来について非常に気にかけている。そのため我々はこの決定を下した。ファクトリー契約のライダーとして同じマシンに乗り、レプソル・ホンダに居るよりも、(LCRホンダ移籍によって)より快適な環境で進歩していくことができると判断した」
「我々は彼の年齢や、彼が訓練すべきだということを考慮し、彼を密接にフォローしていくべきだと考えた。それは彼が我々の関心を引くライダーだからだ」
「同時にファクトリーチームにはポル・エスパルガロの様により経験を積み、来年から着実にポジションを争えるライダーを迎え入れるべきだと考えている」
「我々が考えてきた今回のライダー人事は、我々全員に利益をもたらすものだと考えている。これが最も論理的なことであり、我々のやろうとしていることなんだ」
こうした考えには、昨年末にホルヘ・ロレンソが引退してアレックスのMotoGPが決まった段階で、彼をレプソル・ホンダではなくLCRホンダへ加入させることは出来なかったのかという疑問も浮かんでくる。LCRホンダにはカル・クラッチローという優勝経験を持つ実績あるライダーが在籍しているため、彼をファクトリーへ昇格させ、アレックスを直接LCRホンダへ入れ込むことは不可能ではないと思えた。
しかしプーチが語ったところによると、昨年の段階ではスポンサー関係の問題が生じたことでその選択肢は考慮されていなかったという。
「当時、我々はルーチョ・チェッキネロのチームから彼らのライダーを連れて行くことで口出しをするつもりはなかった」
「その理由だが、我々は(実行していれば)チームの構造を崩していただろう。我々にとってLCRは多くの機能を担い助けてくれる非常に重要なチームなんだ」
今回の人事のしわ寄せを受けることになったのはクラッチローだ。ホンダは直接的に彼の離脱を発表してはいないものの、クラッチローの長年のホンダへの貢献に感謝を示し、今後の活躍を祈ると記しており、彼の離脱は既に既定路線となっている。
そしてプーチはクラッチローに対し、彼が望めばスーパーバイク世界選手権(WSBK)でのシートを用意する準備があると明かした。
「WSBKにおけるホンダの目標が、近い将来タイトルを獲得することであるため、もし彼が新たなマシンでこのオプションを検討し、希望した場合、彼には常にそのチャンスが存在する」
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