サンパウロではメルセデスの直線速度に苦しめられたレッドブル、カタールでは逆に低速コーナーが敗因に?
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、F1カタールGPでメルセデスに大きな差をつけられた背景には、とあるコーナーが関係していると考えている。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
先日行なわれたF1カタールGPでは、メルセデスのルイス・ハミルトンが圧倒的な速さを見せ2連勝。今季2レースを残して、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとのポイント差を8に縮めた。
フェルスタッペンは予選でのダブルイエローフラッグ無視により5グリッド降格ペナルティを受けたため、損失を最大限に抑える、いわゆる“ダメージリミテーション”の週末となった。7番グリッドからスタートした決勝レースでは序盤に2番手まで挽回し、そのまま2位でフィニッシュしてファステストラップのボーナスポイントも手にしたフェルスタッペンだったが、ハミルトンに追い付くほどの速さを見せることはできなかった。
この要因について聞かれたレッドブルのチーム代表、クリスチャン・ホーナーは、ロサイル・インターナショナル・サーキットのターン6での速さが明暗を分けたとして、レッドブルは次戦サウジアラビアGPに向けてその調査に熱心に取り組んでいると語った。
ターン6とは、コース前半区間にある大きく左に回り込むコーナー。ヘアピン状になっており、1周の内で最も低速になるコーナーだ。
「今週末、2チームの間で差がついたコーナーがひとつあると思う」
ホーナーはそう語る。
「金曜日から日曜日まで、ターン6では(メルセデスに対して)毎周コンマ2秒ずつ遅れていた。この原因を理解し、改善する必要がある」
初開催となるサウジアラビアGPの舞台は、超高速のストリートサーキット。ストレートも長く全開区間も多いため、メルセデス優位なサーキットなのではないかと予想されている。特にハミルトンは、サンパウロGPで驚異的な直線スピードを発揮したICE(内燃エンジン)を、サウジアラビアでも使用する予定だ。
ただ、メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリンは、確かにサンパウロGPではメルセデスの直線スピードの速さが際立っていたものの、カタールでは逆にコーナリングで差をつけることができたと振り返っている。
「ここ最近のサーキットでは、コーナーでレッドブルに食らいつけるようにして、ストレートで優位性を出そうとしていた。しかし、カタールではそれが逆になった」
「どこからその差が生まれるのか? おそらくふたつの要素があると思う。ひとつはダウンフォースで、我々のパッケージはそこでうまく機能し、コーナーのエイペックスでのスピードを上げることに一役買っていた」
「また、マシンのバランスも重要だ。それらはスプリングやフロントウイングなど、様々なメカニカルセッティングによって調整している」
「我々のチームのドライバーたちは今回、バランスに非常に満足していた。コーナー進入時に安定性があり、スピードを殺すことなくコーナーを攻めることができた。最終的にルイスが素晴らしいラップでポールポジションを獲得したことがそれを示している」
ホーナーは、サウジアラビアではメルセデスが優位になるはずだと認めているが、仮にハミルトンがサウジアラビアで優勝した場合には、最終戦アブダビGPで魅力的なタイトル争いが実現すると考えている。
「次のサーキットは、間違いなくメルセデスに有利なはずだ」とホーナーは言う。
「しかし、信じられないほど僅差の争いが続いている。ドライバーズ選手権では我々が8ポイントリードしていて、コンストラクターズ選手権では我々が(メルセデスとの差を)5ポイント差に縮めた状態で終盤戦に向かう」
「そんな状態で世界選手権のクライマックスを迎えるのは素晴らしいことだ」
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