ビニャーレスの開幕戦優勝はクラッチローのおかげ? 「レースに集中できる」と称賛
2021年のMotoGP開幕戦カタールGPで優勝したヤマハのマーベリック・ビニャーレス。彼は今季からテストライダーとして加入したカル・クラッチローの存在がレースへ集中することへの助けになったと語っている。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
ロサイル・インターナショナル・サーキットで開幕を迎えた2021年のMotoGP。今季最初のレースで勝利を収めたのはヤマハのマーベリック・ビニャーレスだった。
ビニャーレスは予選で3番グリッドと好位置を確保したが、1周目にポジションを6番手にまで落としてしまう。しかしそこから徐々に追い上げると、15周目に先頭へ浮上。そこからは後続の追随を許さない走りを見せ、そのままトップチェッカー。タイトル挑戦に向けて良好なスタートを切った。
彼は開幕戦優勝について、2021年シーズンからヤマハにテストライダーとして加入したカル・クラッチローの存在によってレースに集中することができたと、その背景を語っている。
曰く、テスト中にクラッチローのマシンを試したところ“自分に合っている”と感じられたといい、クラッチローが新パーツなどの評価を実施してくれることでレースウィークへの向かい方も変わったと語っている。
「僕らはとても似た走りなんだ」と、ビニャーレスはクラッチローについて言う。
「テスト最終日に彼のバイクを試したら、僕にすごく合っていたから驚いたよ」
「このことは、レースに集中し続け、新パーツなどを試すことに意識を割かなくていいという面で、大いに助けになった。去年とは精神的な面で全く違っているんだ。去年はたくさんのモノをテストする必要があったからね」
「僕も全部が上手く機能すればいいと思っていた。でも普通はレースウィークエンドに試しても上手くいかないんだ」
「でもカルが『アレは良い』と言ったならそれは良いだろうというのは分かった。だからこの点は僕らに落ち着きをもたらしてくれる」
「それが僕の感じていることだ。次のテストでは、特にパワーデリバリーの点に取り組むだろう。ここは力を入れて取り組む必要がある」
「単なるフィーリングだけど、(クラッチローの)フィードバックはとても似ていると思う。それがとても重要なんだよ」
なおクラッチローは4月12〜14日にヘレス・サーキットでテストを実施予定で、ここではアンドレア・ドヴィツィオーゾもアプリリアRS-GPをテストすることが予定されている。
またカタールGPでは、新チームメイトのファビオ・クアルタラロが現在のヤマハのマシンはそれまでの『乗りやすいバイク』という評価は終わったと主張。マシンのライディングにアグレッシブさが必要だと語っていた。
ビニャーレスはこうしたチームメイトの発言には同意を示している。ビニャーレスによると、2021年型YZR-M1は新型シャシーによってコーナリングが改善されているが、それによってアグレッシブさが要求されること、そしてその一方で、乗りこなすにはスムーズさも必要なのだという。
「僕がやろうとしているのは、バイクをできるだけ助けることだ」と、ビニャーレスは言う。
「アグレッシブになろうとしつつ、同時にスムーズであろうともしている。ブレーキでは遅く、ハードにすることを試みているんだけど、同時にバイクをあまり動かさないようにしているんだ」
「どういうわけかマシンにはそれが合っている。最終的に僕に必要とされるのはバイクを理解し、それを手助けすることなんだ」
「それがする必要のあることだ。僕らはマシンにはあまり触れずに、僕自身のライディングスタイルに取り組んでいて、コーナーごとに自分自身の改善を進めようとしている」
「全体的にはバイクをプッシュする必要があるのは確かだ。以前のバターのような(スムーズな)モノではない」
「今はプッシュする必要があるし、ブレーキングは遅らせる必要があるし、スロットルもアグレッシブに開けていくことが必要なんだ」
「でも同時にスムーズであることも求められる」
「僕としては、全体的には良いマシンになっていると感じられる。まだたった1レースだ。ポルティマオそしてヘレスと、これが良いかどうか、様子を見る必要がある」
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