分析

F1

“コロナ騒動”収まらぬF1、未曾有の事態にも“プラス要素”は存在する?

新型コロナウイルスのパンデミックによりF1は未知の領域へと突入し、これまでにない困難に直面している。しかしこの事態の中でも、歓迎される事もあると、アルファタウリ代表は考えている。

Jonathan Noble Christian Nimmervoll

編集: 2020/03/27 10:54

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F1 2021 rules

 F1の2020年シーズンは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの影響により、未知の領域に突入した。

 開幕戦オーストラリアGPの中止にはじまり、つぎつぎとレースは延期に追い込まれ、伝統あるモナコGPも今季の開催を断念する事態となった。

 各国は感染拡大を抑えるためにロックダウンを実施し、チームのファクトリーは閉鎖。スタッフは自宅で待機している。

 こうした状況はスポンサー収入や商業収入の大きな減少といった、チームの財政面への影響も大きいと見られている。

 マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは「今このスポーツが直面しているプレッシャーの深刻さからは逃れることはできない」と、現状を語っている。

 しかし“Tough times bring opportunity(ピンチはチャンス)”という言葉があるように、どの危機にもチャンスがあると言えるかもしれない。実際アルファタウリ代表のフランツ・トストはこの状況の中にポジティブな面を見出している。

「どのコインにも裏表がある」と、トスト代表はmotorpsort.comの独占インタビューに答えている。

 彼のこうした発言は、F1が新レギュレーションの導入を1年遅らせることを決定したことと関係している。

 当初の予定では2021年からは、大幅に変更されたテクニカルレギュレーションが適用されるはずだった。しかしそれが延期されたことで、2021年は現行のマシンがほぼ持ち越されることになった。

 トスト代表はこの結果として、2020年中に大きく異なる2021年用のマシンを開発するという“二重作業”を避けられるため、短期的には歓迎されるはずだと説明する。

「コロナウイルスについての件で良かったことといえば、それは今年は二重に開発をしなくても良くなった、というところだ」

「我々は(新レギュレーションが適用される)2022年用のマシン開発は、2021年が始まるまでは行なえない。つまり、予算上限ある環境のもとで開発が行われるという意味なんだ」

「これは非常に重要なポイントだ。なぜなら多くの資金を節約することができる。二重開発という高コストなことはもはや必要がなくなったということだ」

 2021年からは各F1チームが使用できる予算に上限が設けられることになっている。しかし2020年はその制限がないため、ビッグチームは2021年用のマシン開発でアドバンテージを得ようと莫大な予算を投下することになると警告する声もあった。

 実際フェラーリなどは、こうした事態になる以前に、2020年の予算が超高額になることを示唆していた。

 トップ3チームの一角であるレッドブルでチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは昨年、2020年に予算上限が適用されないことについて懸念を語っていたが、その危惧が現実のものとなろうとしていた事になる。

「我々はそこで機会を逃してしまった」と、ホーナー代表は語る。

「振り返ってみれば、(新規則の前に)2021年の予算上限を導入し、微調整する時間を確保したほうが懸命だったと思う」

 なお2021年のマシン開発に関しては、各チームとF1側の合意により、シャシーやサスペンションといったコンポーネントは開発が凍結されると、トスト代表は語っている。

「シャシーはホモロゲーションを受けるだろう。サスペンションといったメカニカルパーツもだ」

「改善できる唯一の点はエアロダイナミクスだ。つまりフロントウイングやリヤウイング、ボディワーク、サイドポッド、フロアやディフューザーそしてバージボードなどを意味している」

 ただ開発について懸念がまったくないわけではない。例えば現在のファクトリー閉鎖期間が終了し、風洞の使用が可能となった場合、FIAはチームに許可されたモノ、つまり2021年にのみ作業できることをどのように確実にするのか、ということだ。

 しかしトスト代表はFIAによる監視が機能すると考えていると語った。

「FIAは風洞をコントロールし、ビデオ録画や風洞の写真を入手する。つまり2022年のクルマを風洞に入れる事はできないということだ。なぜなら完全に見た目が異なっているから、ひと目で分かるはずだからね」

「FIAは風洞にどのクルマが入っているのかの写真を要求することができる。彼らはどのモデルが試験されているのかチェックすることができるんだ」

 またトスト代表はこうも付け加えている。

「どのチームにも、規則の番人を混乱させるような余裕などない。関係する人間が多すぎるため、それは不可能だろう」

「試験用のクルマが風洞に入る時、まずは風洞モデルを作る担当がその中に入り、その後で風洞を操作する人たちが入る。つまり、少なくとも10人はそのことについて知っているということになる。誰もそんなリスクは受け入れたくないだろう」

 

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