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新型コロナウイルス対策は万全! ”新様式”に適応したF1はどうなる?

7月5日決勝のオーストリアGPで開幕を迎える2020年のF1。新型コロナウイルスのパンデミックが起きた後、再開するF1には、感染拡大を防止するため、様々な新しい手順が導入される。新時代のF1は、どんな形になるのか?

Watch: The New Protocols That Will Change F1

 2020年のF1は、7月5日に決勝レースが行なわれるオーストリアGPで、いよいよ開幕を迎える。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、前半戦は軒並み中止もしくは延期。当初の予定とは一変した改訂版の開催スケジュールが組まれた。

 そんな状況でも、いざレースが始まってしまえば、例年同様の激しい戦いが繰り広げられることになるはずだ。とはいえ、新型コロナウイルス対策として、これまでとは異なる作業手順が組まれていて、F1に関わる関係者は、”新たな通常”に適応する必要性に迫られる。

 では、その”新しい通常”下でのF1は、どんな形になるのだろうか?

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■無観客レース

 

Empty grandstands

Empty grandstands

Photo by: Glenn Dunbar / Motorsport Images

 

 新型コロナウイルスの感染拡大は、一部の国・地域では鎮静化の兆しを見せている。しかし世界的に見ればまだまだ感染は拡大の一途を辿っており、罹患するリスクは一掃できていない。そのため、7月に開幕したとしても、少なくとも序盤の数戦に関しては、ファンがサーキットでレースを観戦することは許されない。

 その代わりにF1は、観客やゲスト、スポンサーなどの立ち入りを許可しない、無観客でのレースを実施しようとしている。チーム関係者などそれ以外のスタッフについても、これまでと比較して大幅に人数を削減する方針だ。

 チームのスタッフ数は80人に制限され、グランプリを取材できるメディアの人数も、大幅に減らされることになる。現場に行くことができるメディア関係者でさえも、パドックやピットに立ち入ることはできない。またインタビューは、ソーシャルディスタンスを完全に遵守して行なわれることになる。

 ヨーロッパラウンドの”華”とも言えるモーターホームも、今年は使用機会が限定的なモノになる。サーキットの設備を使った方が、ウイルスの感染拡大を制御しやすいと考えられているからだ。また、サーキットに入場する全員が、マスクを装着することを義務付けられることになる。

■ソーシャルバブル

 

Alex Albon, Red Bull Racing talks with Red Bull Racing Team Manager Jonathan Wheatley

Alex Albon, Red Bull Racing talks with Red Bull Racing Team Manager Jonathan Wheatley

Photo by: Red Bull Content Pool

 

 グランプリに参加する全てのF1関係者は、イベント中のみならず、イベント前も厳格な指示に従う必要があり、その全員がFIAの行動規範に署名することを求められる。

 パドックとピットレーンで働くチームメンバーは、渡航前に新型コロナウイルスの検査を受け、陰性であることを確認しておく必要がある。また、その後も5日ごとに検査を受けることになる。

 さらにサーキットに訪れる関係者は、特別に設計されたアプリを使用することが求められ、もしサーキット内で感染者が確認された場合には、誰と濃厚接触したかをすぐに知ることができるようにするという。

 チームメンバーは、ライバルチームのスタッフと接触することも許されない。また、必要不可欠な人以外との接触を避けるため”ソーシャルバブル”の中でのみ活動することを厳守する必要がある。

 FIAは最近発表された文章で、次のように語っている。

「グループ間でのウイルスの感染を軽減するためには、グループ同士で交流する数を最小限に抑える必要がある」

「グループ間の交流が避けられない場合には、安全面や競技の管理、そして競技参加者の能力を過度なリスクに晒すことなく、ソーシャルディスタンスを尊重するか、ウイルス感染のリスクを軽減するための個人用防護具(PPE)を装着する必要がある」

■長時間労働

 

Charles Leclerc, Ferrari

Charles Leclerc, Ferrari

Photo by: Ferrari

 ソーシャルディスタンスの遵守、そしてマスクやPPEの装着に伴い、ガレージ内で業務は、これまで以上に長い時間を要する可能性が高い。

 レーシングポイントのテクニカルディレクターであるアンドリュー・グリーンは最近、パワーユニットの交換には、昨年と比較して倍以上の時間がかかると指摘している。

 これに対応するため、作業可能時間は長く確保できるようにされていて、チームには若干の猶予が与えられることになるはずだ。

 各チームは、木曜日と金曜日の作業終了時間は昨年よりも1時間後ろ倒しになっており、作業禁止時間も9時間から8時間に減らされている。

■タイヤ選択なし

 

Daniil Kvyat, AlphaTauri AT01

Daniil Kvyat, AlphaTauri AT01

Photo by: AlphaTauri

 今季はまだ開催カレンダーが流動的な部分もあるため、タイヤに関するルールも変更されることになった。

 昨年では各グランプリに挑むにあたって、各チームがタイヤの持ち込みセット数の組み合わせを自由に選択できるようになっていた。しかし今季は、全チームに対して標準の組み合わせのタイヤが供給されることになる。この結果、各ドライバーは2セットのハード、3セットのミディアム、8セットのソフトタイヤを1イベントで使うことができることになった。

 このセット数の組み合わせは、「FIAが別途決定しない限り、およびサプライヤーの同意を得た場合を除いて、各イベントの2週間以上前に通知される必要がある」とされている。

 また、将来に向けた開発用タイヤについては、フリー走行2回目の最後の30分で使うことが義務付けられることになった。

■ブリーフィングはオンラインで!

F1 zoom conference  call

F1 zoom conference call

Photo by: Luke Smith

 レースオフィシャルも、ソーシャルディスタンスを確保するために、テーブルと椅子が離れて設置された部屋で活動を行なうという。また、インシデントの調査などに際してスチュワードがドライバーを召喚する際には、PPEを常に装着することが義務付けられる。

 ドライバーブリーフィングなど、多くの関係者が出席する説明会や会議は、ソーシャルディスタンスを確保できる十分な広さの部屋が無い場合には、オンラインで接続し、テレビ会議などで行われることになる。また、野外での開催という可能性もあるようだ。

 また、渡航に関する問題を緩和するためにも、時間ギリギリで何らかの出来事が生じた場合には、スチュワードがリモートで業務を行なうこともできるよう、FIAが許可している。

■ドライバーズパレードなし

Kimi Raikkonen, Alfa Romeo Racing, Antonio Giovinazzi, Alfa Romeo Racing, Sebastian Vettel, Ferrari, and Charles Leclerc, Ferrari, in the drivers parade

Kimi Raikkonen, Alfa Romeo Racing, Antonio Giovinazzi, Alfa Romeo Racing, Sebastian Vettel, Ferrari, and Charles Leclerc, Ferrari, in the drivers parade

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

 無観客、そしてソーシャルディスタンスを保つという観点から、日曜日の朝に行われるドライバーズパレードは、今のところ行なわれないということになりそうだ。

 20人のドライバーがトラックの荷台に乗り、密な中で観客席に手を振るという催しは、現在の新型コロナウイルスの状況を考えれば、現実的なモノではない。

 その代わり、ドライバーたちはガレージの前でひとりずつ、インタビューを受けることになる。

■新しいグリッド手順

 

Carlos Sainz Jr., McLaren MCL34, arrives on the grid

Carlos Sainz Jr., McLaren MCL34, arrives on the grid

Photo by: Steven Tee / Motorsport Images

 F1の週末の中で最も対処するのが難しそうなのが、レーススタート前のグリッド上での作業だ。これは、各チーム同士がどうしても接近してしまうひとつのポイントであると考えられる。

 しかし接触の可能性を最小限に抑えるために、グリッドの手順が変更され、作業できる人数も最小限に抑えられた。そして時間も短縮することで、ソーシャルディスタンスを守ることが目指されている。

 グリッドに立ち入ることができるのは、各チーム40人までとされる。これは、レースに帯同する人数の半分だ。

 また、レース前のセレモニーも行なわれない見込みで、ピットレーン出口が閉鎖されるのは、スタート20分前に改められる。

 タイヤは、これまではスタートの3分前までに装着することが義務付けられていたが、これが5分前までに改められる。これにより、チームスタッフと準備に必要な機材を、グリッド上から撤収させる時間を多く確保しようとしている。

 また新たなルールでは、スタート3分前の表示がなされると、グリッドには各競技参加者につき16人のスタッフのみが留まれるようになり、15秒前になると、それらのスタッフも全員退去しなければいけない。

 なおスタート5分前までにタイヤを装着しなければならないというルールは、再スタートの際にも適用される。

 グリッドで準備を行なうことにリスクがあると判断された場合には、アプローチが完全に変更される可能性もある。ひとつの可能性としては、グリッド上で準備をするのではなく、マシンはガレージで準備を整え、ピットレーンからスターティンググリッドに直接向かい、そしてスタートを迎えるということだ。ガレージからフォーメーションラップを開始することも検討できるともされている。

■表彰台なし

Max Verstappen, Red Bull Racing, 2nd position, Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1, 1st position, and Charles Leclerc, Ferrari, 3rd position, celebrate on the podium with Champagne

Max Verstappen, Red Bull Racing, 2nd position, Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1, 1st position, and Charles Leclerc, Ferrari, 3rd position, celebrate on the podium with Champagne

Photo by: Jerry Andre / Motorsport Images

 レース終了後も、これまでとは大きく異なる。

 恒例である表彰式は、ソーシャルディスタンスをたもつために、今年は実施されない見込みだ。それに伴い、各国の要人が表彰台の上でトロフィーを授与したり、ドライバー同士がシャンパンをかけ合うといったこともなくなる。

 その代わり、ウイニングランを終えたドライバーがメインストレートに戻ってきた時に、何らかの形でトロフィーを贈呈する計画があるという。

 F1のモータースポーツ面のマネージングディレクターであるロス・ブラウンは最近、次のように語った。

「ひとつの選択肢は、コースにマシンを並べ、その前にドライバーを立たせるという形だ」

「トロフィーのプレゼンターを手配できないので、その贈呈式をすることができない。でも、我々はそれを解決した。我々にはそのための計画と手順があり、そしてテレビでどのようにそれを表示することができるかを検討している」

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