フェラーリ、新車『SF21』で冷却系を再設計? PU初始動の動画から見えてくる進歩
フェラーリは3月10日に2021年シーズンを戦う新車『SF21』を発表するが、チームが発表したPUの初始動動画で、その進歩が垣間見えた。
Ferrari SF21 - New Airbox
Ferrari
スクーデリア・フェラーリは、2021年シーズンのF1を戦うニューマシン『SF21』を3月10日に初公開すると発表した。また合わせてマラネロのファクトリーで、初めてパワーユニット(PU)を始動した際の動画を公開した。
この短い動画には、SF21のモノと見られるインダクションボックス(上写真)が映っていた。ここから、フェラーリがどうマシンを進歩させたのか、ヒントが垣間見える。
2019年と2020年、フェラーリは三角形に近い形状のインダクションボックスおよびロールフープ(下写真左側)を使用していた。ところが、今回公開された動画に映っていたインダクションボックスは、2017年と2018年に使用されていたモノ(下写真右側)に近い、楕円形のデザインとなっている。
Ferrari SF1000 small winglet
Photo by: Giorgio Piola
Ferrari SF70H airbox
Photo by: Giorgio Piola
フェラーリがデザインを回帰させたのは、冷却と空力のバランスを考えたチームの対応である可能性が高い。2021年に向けて、サイドポッド内とPU周辺のラジエーターやクーラーの再配置を実施したと考えられるのだ。
ここ数シーズン、フェラーリは冷却系の大部分をサイドポッドに配置することを好んでおり、昨年のマシン『SF1000』はサイドポッド内にラジエーターを”サンドイッチ”状に詰め込んでいる。しかし、このデザインによりサイドポッド内部のエアフローが悪化し、空気抵抗の増大につながってしまっていたのだ。
Ferrari SF1000 detail
Photo by: Giorgio Piola
一方フェラーリは昨年、2017年と同様にPU後方に冷却エレメントの一部を備えていた。だが新しいインダクションポッドを見る限り、エンジンカウル内部の冷却系をさらに強化することを考えているはずだ。
かつてホンダのPUを搭載したチーム(下写真左:レッドブル、右:マクラーレン)が採用したように、PU後部により大きなラジエーターを搭載する可能性が考えられるだろう。
2020年シーズンはPUのパフォーマンスが大きく下がったこと、空力の効率が悪かったことで大苦戦したフェラーリ。PUのアップデートと冷却系の最適化による空力効率の改善という二本柱の対策で、2021年シーズンの逆襲を狙っているようだ。
Red Bull Racing RB15, Honda engine
Photo by: Giorgio Piola
McLaren MP4/30 intercooler detail
Photo by: Giorgio Piola
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