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好調レッドブルの進化に“エンジンオイル”あり。エクソンモービルのたゆまぬ研究開発が4連勝を支えた?

現在、パワーユニットの違法な性能アップグレードが疑われるほど速さを見せているレッドブル。彼らの進化を支えているもののひとつには、エクソンモービルのオイルがあるとクリスチャン・ホーナーは言う。

Max Verstappen, Red Bull Racing, 1st position, celebrates in Parc Ferme

Max Verstappen, Red Bull Racing, 1st position, celebrates in Parc Ferme

Andy Hone / Motorsport Images

 今季のF1第5戦モナコGPから4連勝中のレッドブル・ホンダ。特に第7戦フランスGPからは直線スピードが向上しており、ライバルであるメルセデスはその要因が何なのか探し求めている。

 レッドブル側はこれに関して、パワーユニット(PU)サプライヤーであるホンダがレギュレーションで許可されていないパフォーマンス面でのアップグレードをしたという噂を一蹴しており、ダウンフォース量と空気抵抗の少ない仕様のマシンになっていることが直線スピード向上の要因だと主張している。

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 ただ、ホンダ製PUがハードウェア面で開幕時から変わっていないとしても、パフォーマンスを上げるためにそれ以外の要素で変更を施しているのは確かだろう。

 まず第一に、PUの運用方法が変わればパワーにも確実に影響を与える。信頼性に関する自信が高まり、エネルギーマネジメントに関する理解が深まれば、パワーのレベルを引き上げた形で運用できるはずだ。

 ここでPU内部で起きていることにスポットを当ててみよう。レッドブルの燃料・潤滑油サプライヤーであるエクソンモービルは、第6戦アゼルバイジャンGPで革新的なエンジンオイルを持ち込み、チームを前進させることに貢献した。

 エクソンモービルが手がける新しい『Mobil 1』オイルの導入にあたっては、従来の製品では使用されてこなかった化学物質について積極的な研究がなされた模様。その結果、これまで化粧品業界で使用されてきた成分が用いられ、金属部分につくオイルの保護膜の改善に役立ったようだ。この成分はまた、熱や摩耗による内燃エンジンの損傷も防ぐことができるという。

 もちろん、F1は技術競争の世界であるため、エクソンモービルは具体的に何の化学物質を使用したかについて明かさなかった。しかし製品の進歩にはこれらの化学物質が大きな役割を果たすと述べている。

Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B

Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B

Photo by: Charles Coates / Motorsport Images

 エクソンモービルのグローバル・モータースポーツ・テクノロジー・マネージャーのトメック・ヤングは、motorsport.comに次のように語った。

「化粧品業界には、天然由来のユニークな成分が多く使われている。我々はその中から最適なものを選ぶために、様々な類似製品について調査する必要があった」

「今回の新しい成分は、金属の表面との強い結びつきや摩擦の低減など、様々なメリットがあることが分かったため採用された。これにより最大限のパワーを発揮できるだけでなく、保護性能や燃費も向上する」

「これらのメリットは、より幅広い条件でエンジンをうまく運用することにも繋がる」

 ヤング曰く、こういった化学物質を使用するという構想は約8年前からあり、以来エクソンモービルの研究所で研究が重ねられてきたとのこと。ただ、それらを形にすることができたのは、ホンダとレッドブルのコラボレーションが軌道に乗りはじめた最近になってからだったという。

 ヤングはこう付け加える。

「新しいエンジンオイルの化学組成には、通常の製品とは異なる要素がある」

「バイオ成分を取り入れた、低灰分かつ高温かつ低摩擦のエンジンオイルを開発するという構想は、数年前には考えられなかったものだ。しかしチーム全体の努力、そしてホンダとレッドブルのコラボレーションのおかげで、今年ついに実現した」

「この新しいプラットフォームは、将来に向けてのチャンスになると思っている」

 エンジンオイル自体は、F1マシンのトップスピードにそれほど大きく寄与するとは思えない。しかし、パワーユニットの開発が制限されている現在では、非常に重要な要素となっている。オイルが金属部分の摩擦をより軽減し、信頼性をより高めることができれば、それはチームがPUをよりハードに、より長時間運用できるということを意味するからだ。

Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B

Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B

Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images

 レッドブルのチーフエンジニアであるポール・モナハンは次のように語る。

「PUの信頼性が少しでも向上すれば、1年間で3基までというPU使用制限を遵守することが容易になる」

「そしてPUの出力を高めた状態で、より自由に走らせることができるようになる」

「またレースウィークでは、制限がある時よりも、マシンのことをより深く理解できる」

「パフォーマンスという点では、(内燃エンジンの)摩擦を減らし、ポンピングロスを減らせるので、PUの効率が上がる。これらは全て、マシンの全体的なパフォーマンスに寄与する小さな要素なのだ」

 エクソンモービルのオイルがトップスピード向上にどれだけ判断したかについて、正確な数値を出すのは難しい。しかしヤングは、トップスピード向上に貢献した要素のひとつにオイルがあることは確かだと語った。

「我々は引き続きレッドブルとホンダと協力して、より多くのパフォーマンスデータを得ようとしている」とヤング。

「レッドブルは、チームの結果に繋がるようなものを常に追い求めているので、絶えずいくつかの変更が行なわれている」

「オイルの貢献度、燃料の貢献度、PUの運用パラメータ、車両の空気特性など……これらをひとつひとつ分けて考えるのは難しい。しかし我々はレッドブルとホンダとたくさんの実験を重ねた結果、レースで使用するものを選んでいる」

Dario Izzo, Red Bull Racing ExxonMobil at work

Dario Izzo, Red Bull Racing ExxonMobil at work

Photo by: ExxonMobil

 この新オイルの導入は、ホンダとレッドブルがPUの性能をさらに上げるための第一歩に過ぎないとヤングは語る。

「我々は並外れたオイルを作り出すことができたので、将来的にPUをもっとハードに使うことができるだろう。空力やコンディションに合わせて最適化することも可能になる」

 レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも、エンジンをよりアグレッシブに使えることには間違いなくメリットがあると感じている。だからこそ、第8戦シュタイアーマルクGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に敗れたルイス・ハミルトン(メルセデス)が「レッドブルはPUをアップグレードした可能性がある」と示唆したことは、ホーナーにとって驚きではなく、次のように語っていた。

「我々はエクソンモービルの新しいオイルを使った」

「ルイスがエンジンのことを指摘したのは、完全に彼らの手柄だよ!」

 

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