KYOJO CUP

“弁護士ドライバー”から見た女性限定KYOJO CUP。フォーミュラ導入で脚光浴びる中、選手の「契約トラブル回避」に向け仕組みづくりを

フォーミュラカー導入後初のレースを無事終えたKYOJO CUP。滞りなく開催できたことに安堵する声もある中、今後のさらなる発展に向けては、参戦ドライバーの契約トラブル等を未然に防ぐための仕組みづくりが必要だとする声も聞かれた。

戎井健一郎

公開日時: 2025/06/10 3:30

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

山本龍

山本龍

写真:: KYOJO CUP

 5月11日に開幕戦が行なわれた女性限定シリーズのKYOJO CUP。今年からフォーミュラカーに車両がスイッチされて注目度も高まっていたことから、記念すべき最初のレースが無事終了したことに安堵する声も聞かれた。

「第1戦が終わって、関係者の皆さんはすごくホッとされているのだろうなと思いました。私の知り合いでも、グリッドにマシンが並んでいるのを見てちょっと涙が出たと言っている方がいて……そのくらいの気持ちで皆さんやられていたのだと思います」

 そう裏話を明かしたのは、参戦ドライバーのひとりである山本龍。弁護士の顔も持つキャリアウーマンであり、KYOJO CUPではお馴染みのひとりだ。VITAでの最終年となった昨シーズンはランキング7位に入った実力者でもある。

山本龍

山本龍

写真: KYOJO CUP

 KYOJO CUPはフォーミュラ元年の今年、非常に心強いパートナーが多数参画している。特にTOYOTA GAZOO Racing(TGR)はその支援を拡大し、参戦ドライバーの約半数である9名をサポート。TOM'SやTEAM IMPULといった国内名門チームの名を背負っての参戦を可能としている。

 またスーパーフォーミュラのプロモーターであるJRPもパートナーとなっており、開幕前にはTGR、JRPの協力でメディアトレーニング、メンタルトレーニング等の研修を開催するなど、スーパーフォーミュラとKYOJOが併載される7月富士大会を前にして連携は進んでいるようだ。

「(研修は)その分野の第一線の方を呼んでいただいているので、色々勉強になるなと。お金だけのスポンサーシップではなく、人の繋がりも使ってドライバーを育てていこうとされていて、関係者の方々のご苦労が目に浮かぶようです」と山本は言う。

「レースが面白くないと注目度も高まらないですし、そのためには乗っているドライバーがきちんとレースができないといけませんから、そういう意味でも素晴らしい取り組みだと思います」

 参戦ドライバーのひとりでありながらも、どこかシリーズ全体を俯瞰したようなコメントも印象的な山本。彼女自身は社会人経験も豊富だが、10代の若いドライバーも多く参戦するKYOJO CUPにおいては、契約トラブル等のリスクを回避するための仕組みづくりも大切になるだろうと述べた。これは弁護士の山本らしい視点と言える。

写真: Motorsport.com Japan

 モータースポーツは言うまでもなく、競技コストが非常に高い『カネのかかるスポーツ』である。そのため金銭関係のトラブルは珍しいことではない。それは「悪人に騙された」といった極端なケースに限らず、車両破損時の対応や“ドタキャン”時の対応などを契約上で詰めきれておらず、それがトラブルに繋がったり……。山本の耳にも、様々な話が聞こえてくるのだという。

 これらは当然ながらKYOJOに限った話というわけではないが、山本は今後若い女性ドライバーが様々なカテゴリーで活躍できるようになるためにも、契約時の注意事項をリストアップして共有するなどの対策があれば良いだろうと語った。

「今のKYOJO CUPには国内のトップカテゴリーで活躍するチームが入ってきたことで、ドライバーがある程度守られている部分があります。ただ、KYOJOで注目されて他のカテゴリーのオファーを受けた時に何か揉め事が起こる、そんな可能性も否定はできません」

「当然、これらはKYOJOに限った話ではありません。やはり事前にお金のことなどをしっかり決めておくべきなのですが、では決めるにあたって何がスタンダードなのか、どういう項目をチームと決めておけばいいのかなどのチェックリストがあるといいなと思いますね」

山本龍

山本龍

写真: KYOJO CUP

「今は若いドライバーも増えていますが、高校生は契約なんか交わしたことがないでしょうし、大学に行ってアパートを借りる時の賃貸借契約にサインするのが人生初の契約という方が多そうですよね(笑)。そういう人たちがリスクに気付かないままレースを走って、後で揉めるということを避けるためにも、その辺の指針のようなものがあると良いですよね」

「レースをやってみたいと思っている若い方もたくさんいると思います。そういう方たちがどういうやり方でレース活動をしていけばいいのか、もう少し分かりやすくなればいいですね」

 近年注目を集める女性のモータースポーツ。発展途上の今だからこそ、選手を守る仕組みづくりも同時並行で求められていくだろう。

 

 

 

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 アメリカの人気インフルエンサー“ハナ”が女性限定KYOJOフォーミュラで奮闘中。海外知名度UPへの橋渡し役となるか

次の記事 KYOJOフォーミュラ元年、圧倒的強さで初代女王に輝いた下野璃央。次なる野望は「もっと速いフォーミュラに」

More from

戎井健一郎



DENSO SARD、SUGO戦は今年も勝利まであと一歩届かず。「燃料の問題がなければ、優勝争いできたはず」とフェネストラズ

スーパーGT

スーパーGT

第6戦:SUGO

3 日前

DENSO SARD、SUGO戦は今年も勝利まであと一歩届かず。「燃料の問題がなければ、優勝争いできたはず」とフェネストラズ



タイヤ無交換で19番手から2位! GT300王座争い大量リードのリアライズ。しかしオリベイラ「こんな“ジョーカー”毎戦使うわけにはいかない」

スーパーGT

スーパーGT

第6戦:SUGO

4 日前

タイヤ無交換で19番手から2位! GT300王座争い大量リードのリアライズ。しかしオリベイラ「こんな“ジョーカー”毎戦使うわけにはいかない」



GT500ホンダ陣営、怒涛の3連勝でプレリュードは“シビック超え”。ランキングも2〜4番手に「最強パッケージに全力でチャレンジしていく」

スーパーGT

スーパーGT

第6戦:SUGO

4 日前

GT500ホンダ陣営、怒涛の3連勝でプレリュードは“シビック超え”。ランキングも2〜4番手に「最強パッケージに全力でチャレンジしていく」

最新ニュース



MotoGP、新世代マシンとなる2027年の開催カレンダーを発表。日本GPは秋めく10月17日決勝へ

MotoGP

MGP MotoGP 7 分前

MotoGP、新世代マシンとなる2027年の開催カレンダーを発表。日本GPは秋めく10月17日決勝へ



フェラーリ、アゼルバイジャン初日苦しむ「マシンバランスとタイヤに苦戦。やるべきことは多い」とバスール代表

F1

F1 F1

アゼルバイジャンGP

1 時間前

フェラーリ、アゼルバイジャン初日苦しむ「マシンバランスとタイヤに苦戦。やるべきことは多い」とバスール代表



レッドブル、残留ハジャーは“長期契約”と明かす。「2027年に関してはオプションを行使した。非常に簡単な決断だった」とメキーズ代表

F1

F1 F1

アゼルバイジャンGP

2 時間前

レッドブル、残留ハジャーは“長期契約”と明かす。「2027年に関してはオプションを行使した。非常に簡単な決断だった」とメキーズ代表



アルピーヌが初日最速、ロングランも速そうだ……トヨタ勢は8号車8番手、7号車13番手|WEC富士6時間フリー走行2回目

WEC

WEC WEC

Fuji

3 時間前

アルピーヌが初日最速、ロングランも速そうだ……トヨタ勢は8号車8番手、7号車13番手|WEC富士6時間フリー走行2回目

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録