F1トルコGP、”ヌルヌル”だった路面の改善作業はどう影響する? ルクレールは少数派「滑りやすい方が良い」
フェラーリのシャルル・ルクレールは、2020年のトルコGPでグリップの低いコンディションにより恩恵を受けたため、ライバルたちとは違って今季も路面がまだ滑りやすいことを期待している。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
F1第16戦トルコGPは、舞台となるイスタンブール・パークの路面コンディションが展開に大きく影響すると思われるが、フェラーリのシャルル・ルクレールは今季も路面が滑りやすいことを期待している。
昨年、2011年以来となるグランプリを開催した同地では、路面を再舗装したものの、レースの3週間前に完成したばかりであったため、アスファルトから油分がしみ出しグリップが極端に低い状況だった。
ピレリが昨年、最も硬い組み合わせのタイヤを投入したこともあり、ドライバーたちはタイヤの温度を上げるのに苦労。マクラーレンのランド・ノリスに言わせれば「氷よりも酷い」路面を走っているような感覚に陥っていたのだ。
さらに雨も重なり、決勝でも何人ものドライバーがスピンを喫したが、最終的にはルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝し、自身7度目のチャンピオンを獲得した。
FIAは2020年のレース後、イスタンブール・パークに改善を勧告。これを受けて、ここ数週間で路面のウォーターブラスト作業が行なわれたようだ。高圧の水を使った作業の結果、アスファルト表面に小石が露出し、路面がより粗くなることでグリップレベルの向上が期待できる。
また、ピレリも昨年よりもコンパウンドが1段階柔らかいタイヤを持ち込んでいることから、昨年のトルコGPとはグリップレベルが大きく異なる可能性がある。
Grandstand
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
ただ昨年のトルコGPで4位となったルクレールは、グリップの向上をあまり歓迎していないようだ。
「(2020年に)多くの人が文句を言っていたことを覚えているけど、僕は競争力があり、非常に良いポジションで戦えていたので、そのようなコンディションになったことを喜んでいた唯一の人間だった」
「表彰台獲得も可能だったし、あの週末は楽しかった。最終的に表彰台を惜しくも逃して4位と、望んでいたような最後ではなかったけどね」
「しかし、全体的には僕たちにとってポジティブな週末だったので、今年もそれを再現したいと思っている。いくつかの点が変わったと聞いているし、何度もコースが洗われたようだ」
「昨年のようになるかどうか見てみよう。僕はそれほどひどくはならないと思うけど、できれば滑りやすくて、僕たちに有利に働くことを期待している」
一方、ルクレールのチームメイトであるカルロス・サインツJr.は、「昨年よりも良くなることを皆が期待している」とした上で、「昨年と同じコンディションになったら驚きだ。とても難しかったし、グリップが特に低かった理由を理解するのも非常に難しかったからね」と語った。
グリップレベルが大きく向上した場合、タイヤに厳しいレイアウトのイスタンブールでは、タイヤのデグラデーションが極端に進む可能性があるとサインツJr.は指摘した。
「ポルティマオ(ポルトガルGP)のようにグリップは高くないけど問題はないという状況であれば、きっと楽しいはずだ」
「もしバルセロナやシルバーストンのように、グリップレベルが非常に高い場合、タイヤの摩耗が問題になることもあるから、かなりエキサイティングなレースになるはずだ」
「個人的な興味としては、もっと過激な方がいいかもしれない。そうすれば、もっといろいろなことが起きて、自分にとってのチャンスが増えるかもしれないからね」
ランス・ストロール(アストンマーチン)は、もしグリップレベルが改善されている場合、高速で回り込む名物コーナーのターン8は「今のクルマではあまり面白みのないコーナー」になるだろうと述べた。
ストロールはウエットコンディションとなった昨年のトルコGP予選でポールポジションを獲得。レース前半をリードしていたが、フロントウイングを損傷し最終的に9位となっている。
「グリップが回復すれば、おそらく(ターン8は)アクセル全開になると思う。そうでなければ話は変わってくるだろう」
今季のトルコGPも、雨に見舞われる可能性が高い予報となっているが、アストンマーチンのセバスチャン・ベッテルは「楽しかった」という理由で「また雨が降っても気にしない」と語った。
「昨年はとても滑りやすかったので、今年は滑りにくいことを期待している」
「今年は観客もいるので、観客にとってはウェットコンディションはあまりいいものではないだろう。でも僕らにとっては、状況を変えることができると思うから大歓迎だよ」
昨年の決勝レースで6回のスピンを喫し、ハミルトンに周回遅れにされた結果、かすかに残っていた逆転タイトル獲得の望みが絶たれてしまったメルセデスのバルテリ・ボッタスは、雨が多い今シーズンを通し、チームが「ウエットタイヤについて多くのことを学んだ」という。
「最近、雨でもそれほど悪くない」とボッタスは語った。
「メルセデスが学んだのは、特にインターミディエイトタイヤとウエットタイヤの作動温度と内圧だ」
「でも、このコースが昨年よりも少しでもグリップしてくれることを願っている。昨年はドライでも”エクストリーム”だったからね。どうなるか楽しみにしている」
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