WEC ル・マン24時間レース
土壇場の性能調整でパワー増のアルピーヌ、トヨタ勢の脅威に?「彼らは三味線を弾いていたと思う」と小林|ル・マン24時間
ル・マン24時間レースを目前に控えたトヨタの小林可夢偉チーム代表は、来たる決勝に向けて不安要素はないとしながらも、性能調整によってパフォーマンスを上げてきたアルピーヌは警戒している様子だ。
戎井健一郎
公開日時: 2022/06/10 13:49
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6月11日(土)に決勝がスタートする2022年のル・マン24時間レース。TOYOTA GAZOO Racingは、ハイパーポールで8号車がポールポジション、7号車が2番手を獲得し、グリッド最前列からレースをスタートすることとなった。
そんな決勝レースに先立ち、7号車のドライバーとチーム代表も兼務する小林可夢偉、そして8号車のドライバーとして最高峰クラスでのル・マン初挑戦となる平川亮がオンラインでの記者会見に応じ、予選の振り返りや決勝の意気込みを語った。
まずは、ブレンドン・ハートレーの手によってポールポジションを手にした8号車の平川。自身はハイパーポールでステアリングを握ることはなかったものの、見届ける立場であってもその緊張感やストレスは相当だったという。
「自分たちはポールを獲れる自信がありましたが、ハイパーポールでもトラフィックなどがあり、見ている方もストレスを感じる場面が多かったです」
「ピットの緊張感もすごかったですが、トヨタ2台でフロントロウを獲得できたことで、そこが和らぎました」
また平川は、将来的に自分がポールポジションを決するアタックを任される立場になったらと尋ねられると、「ものすごく緊張すると思いますが、もちろんチャレンジしたい気持ちはあります。自分に任せてもらえるように、今ある自分の仕事をひとつひとつこなしていくことが大事だと思います」とコメントした。
一方、ル・マンで過去4度のポールポジションを記録し、ハートレーをして『ミスターポールポジション』と言わしめた小林は、ハイパーポールでハートレーが出した3分24秒408というタイムに0.420秒届かず2番手に終わり、史上最多タイとなる5度目のポールはお預けとなった。
小林はアタック中、第1シケインと最終コーナーでトラフィックに引っかかりタイムをロス。そこでコンマ6〜7秒はロスしたという。
「もう1周、ワンチャンスありましたが、そこではもうタイヤが垂れてしまっていて、うまくタイムを出し切れませんでした」と語る小林。ただアタック中にマシンのパフォーマンスを引き出すことはできていたと感じており、またトヨタがワンツーを確保できたこともあり、全く悲観していない様子だった。
また小林は決勝向けのセットアップに関しても「セットアップは問題ないです」と語るなど、不安要素は特にない様子。一方平川は、練習走行中にパワーサイクル(再起動)の手順ミスにより電気系統のエラーが出てしまう一幕があったものの、「レース前にこういう経験ができて良かったです」とポジティブ。「不安がない訳ではない」としつつも、「クルマの感触は良いので、自分としてはやるべきことはやるだけ」と順調ぶりをうかがわせた。
そんなトヨタの2台に戦いを挑むのが、アルピーヌの36号車とグリッケンハウスの2台。特にアルピーヌに関しては、ハイパーポールを前にして性能調整がかけられ、出力が420kW(563bhp)から427kW (573bhp)にアップ。迎えたハイパーポールでは3分24秒850と、小林とほぼ同等のタイムを刻んでみせた。
これについて小林は、レースウィーク序盤のアルピーヌが自分たちの性能を低く見せていたのではないかと感じている様子。次のように語った。
「(アルピーヌは)シミュレーションでは(性能調整によって)1秒くらいしか速くならないはずでしたが、2.6秒くらい速くなりました。彼らはかなり三味線を弾いていたのではないかと感じています」
また決勝に向けて、アルピーヌとグリッケンハウス、どちらの存在が気になるかと問われた小林は、アルピーヌと即答。「夜のセッション(公式練習4回目)のタイムを見ていたら、速いというのが分かります」とコメントした。アルピーヌはトヨタの脅威になり得るのか? その“答え合わせ”は11日23時にスタートする決勝レースまで待たなければならないだろう。
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