2年前の“逆再現”ならず。マルケス、ブレーキレバーガードの“引っかかり”に敗れる
マルク・マルケスはオーストリアGP決勝の最終周の最終コーナーで、ブレーキレバーガードがドヴィツィオーゾに引っかかったことで、転倒するかもしれないと考えていたようだ。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP第11戦オーストリアGPは、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)とアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)の一騎打ちとなり、勝負はラストラップの最終コーナーまでもつれ込んだ。
ドヴィツィオーゾは最終コーナーでマルケスのインを突いたが、一方のマルケスは立ち上がり重視のラインをとろうとしていた。それは奇しくも、2年前の同グランプリでドヴィツィオーゾが最終コーナーでインを突いたマルケスをいなし、勝利を手にした際の動きの再現のようなシーンだった。
しかしこの瞬間、2台のバイクはわずかに接触し、それによってマルケスはドヴィツィオーゾと共にワイドに引きずられてしまった。それによりドヴィツィオーゾは勝利へのアドバンテージを手にすることができたという。
マルケスはドヴィツィオーゾがこうしてターン10で仕掛けてくることは予想していた。しかし彼は、ターン10で過度なブロックラインをとらないことを選択したと語った。
「あまりにも速い速度で最終コーナーに入っていた場合、彼はフィニッシュラインよりも前で僕のことを抜いていたはずだ。その場合だと僕は加速が悪いからね。だから僕はコーナースピードを維持しつつ、中間のラインを行くことを選んだんだ」とマルケスは最終コーナーでの動きを説明する。
「彼に追い越された時、僕は(前に)戻れると考えていた。彼が2年前にやったみたいにね。だけどフロントブレーキのプロテクトカバーが、彼のツナギかバイクのどこかに触ってしまったんだ」
「そして僕は彼と一緒になってワイドに進むことになった。『これはクラッシュするな……』と思っていたんだけど、幸運にもその部分が壊れて、ブレーキをかけることができた。それで転倒は免れた、というわけだ」
「でもまぁ、なんてことのない接触だったよ。フロントブレーキの保護パーツは彼のマシンのどこかについて行っちゃったんだね」
そしてマルケスは、こうしたオーバーテイクの接触は何の問題も無く、“自分の好きなレースの一部だ”と語った。
オーストリアGPでの初勝利をまたしても逃したマルケスだが、彼はリヤタイヤにミディアムを選択したことが間違いだったと後悔しているようだ。そしてドヴィツィオーゾが直線でアクセルを緩めていることに気がついたと語った。
「ドヴィはもの凄いレースをやったよ」とマルケスは語った。
「最後の6〜7周で確かめたことなんだけど、彼は直線で何度かアクセルを閉めていた」
「それから、彼はコーナー脱出の部分でより良いグリップを持っていた。僕はブレーキングの部分では彼より強かったけど、それはかなりリスクを負う部分でもある。だから『よし、限界まで試してみよう。でも何も狂ったことはしないぞ』と考えた」
「さっき言ったような理由もあって、僕はラストラップに先頭で入って、そのポジションを守ろうとした。アタックを仕掛けることは出来なかったからね。ただ、そうであってもなお、僕には勝つチャンスがあったんだ」
「それをやろうとした。結局駄目だったけどね。それから最も重要なことは、僕らは苦戦していたにも関わらず、ラストラップをドヴィと一緒になってゴールできたことだ。それがチャンピオンシップ争いに向けてはとても重要だった」
またドヴィツィオーゾに対し、本当にマルケスと“争っていた”のか? と訊くと彼は「全体的なスピードで言えば、駆け引きはしていなかった。もしひとりでゴールするチャンスがあったなら、やっていたよ」と答えた。
「直線では2度駆け引きをした。なぜなら僕がオーバーテイクして前に出てしまえば、後ろのライダー、特にマルクがブレーキを遅らせる事ができる。そうすると彼はイン側につけて、ブレーキをコントロールすることができるからね。で、追い越さずに留まった場合、僕がブレーキをコントロールできるんだ」
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