2年前の悲劇を想起させるスパ24時間の大クラッシュ……しかしF1レースディレクターはサーキットの安全性に懸念なし
スパ24時間レースでは大きなアクシデントが発生したが、F1レースディレクターのマイケル・マシは、依然としてスパ・フランコルシャンの安全性に自信を持っている。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
FIAのF1レースディレクターであり、安全部門の代表者でもあるマイケル・マシは、先日行なわれたスパ24時間レースでは大クラッシュが起きたものの、スパ・フランコルシャンの安全性には懸念を感じていないようだ。
そのクラッシュは、オールージュからラディオンと続く高速セクションで起きた。ラディオンは急な上り坂となっているが、それを上りきった先でスピン、クラッシュしているマシンに後続のマシンが次々と激突。事故に巻き込まれたドライバーたちの命に別状はなかったものの、ウイリアムズのリザーブドライバーであるジャック・エイトケンは鎖骨、脊椎など複数箇所を骨折する重傷を負った。
今回のアクシデントは、2年前のFIA F2でアントワーヌ・ユベールが命を落とした事故と、場所や状況に共通点がある。ラディオンを駆け上るドライバーたちにとって、上った先の区間はブラインドとなっているため、そこで何らかの原因で止まっている車両があれば避けるのは極めて難しく、高速での大クラッシュに繋がりかねない。今回の事故を受けて、再びその箇所の安全性に関する議論が再燃した形だ。
アルファロメオのリザーブドライバーであり、スパ24時間に出場していたカラム・アイロットはTwitterで、コーナーの改修が必要なのではないかと提案。次のように綴った。
「重要なのはみんながマシンから降りられるということだ」
「ダビデ・リゴンとジャック・エイトケンは病院で検査を受けている。彼らが良くなることを願っている」
「そしてこのコーナーは変更する必要があると言いたいし、まだ何も変わっていないことに驚いているよ。こういうことはもうたくさんだ」
#114 Emil Frey Racing Lamborghini Huracan GT3 Evo: Arthur Rougier, Konsta Lappalainen, Jack Aitken
Photo by: SRO
昨年10月、スパは8000万ユーロ(約103億円)をかけた改修プログラムについて発表しており、ラディオンを含むいくつかのコーナーでグラベルトラップを新設、または拡張することになっているが、これは2輪ロードレースを運営するFIM側の要件を満たすためである。
夏休みに突入したF1では、夏休み明け最初のレースとしてスパでベルギーGPが行なわれる予定だが、マシはスパがFIAから完全に認可されているサーキットだとして、安全性への懸念は表明しなかった。
「スパではいくつかのエリアで作業が行なわれてきたが、このサーキットはグレード1(FIAが定めるF1開催に必要なライセンス)を保持している」
マシはそう語った。
「毎年のように小さな改善や変更が行なわれているが、FIAの観点から見て安全だと思っている」
「大きなインシデントは誰だって見たくないし、ドライバーが比較的大事に至らず良かったと思っている。いくつかの報道によると彼らは無事とのことだが、それが一番重要だ」
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