多重クラッシュ発生も、F1リスタート手順は変えない! FIA「F3はうまくいった」
FIAのF1レースディレクターであるマイケル・マシは、トスカーナGPでの事故を受けて、セーフティカーからのリスタートに関するルールを見直す必要はないとの見解を示した。
The Safety Car Lewis Hamilton, Mercedes F1 W11, and Valtteri Bottas, Mercedes F1 W11
Charles Coates / Motorsport Images
F1第9戦トスカーナGPでは、セーフティカー明けのリスタート時に、メインストレートで大きな事故が起こった。前方のマシンが前のマシンに詰まりスロー走行をした一方、後方のマシンが早めに加速を始めてしまったことで混乱が起き、4台のマシンがリタイアする多重クラッシュが発生。赤旗中断の原因となった。
FIAのスチュワードは、このインシデントに関して12人のドライバーに警告を出し、「このインシデントの根本的な原因は、上記の(12人の)ドライバーたちが最終コーナーからホームストレートにかけて、スロットルとブレーキの入力に一貫性がなかったためだ」と指摘した。
リスタート時に先頭を走っていたバルテリ・ボッタス(メルセデス)は、自らがペースを設定して好きな時に加速する権利を与えられているため、警告は出されず。2番手、3番手を走っていたルイス・ハミルトン(メルセデス)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)、後方を走っていたロマン・グロージャン(ハース)、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、キミ・ライコネン(アルファロメオ)も警告を免れた。
ハミルトンを含む複数のドライバーはレース後、事故の引き金となったのはセーフティカーのライト消灯タイミングが遅かったからだとして、レースディレクションについて批判的な姿勢を見せた。
一方でF1レースディレクターのマイケル・マシは、そういったドライバーたちの批判を一蹴し、彼らはルールを知るべきだと指摘した。
「まだスチュワードの調査中なので、この時点で責任の所在を明らかにするつもりはない」
インシデントについての裁定が発表される前、マシはそう語っていた。
「ただ最終的には、いくつかの重要なポイントがあると言える。ドライバーたちは金曜夜のドライバーズミーティングの中で、非常に明確なアドバイスを受けていた。彼らに思い出してほしい点がふたつある」
「まずひとつは、ピットレーン入口にあるセーフティカーラインまでは、セーフティカーを追い抜いてはいけないこと。そしてふたつ目は、他車をオーバーテイク可能となるコントロールラインは、ピットレーン出口の近くにあるということだ」
「だから驚くべきことではない。ストレートの長いバクーでも似たようなことを見てきた。ペースを決められるリーダーは、後ろのマシンにスリップストリームに入られないように、(コントロールラインギリギリまで)スローペースを維持する」
また、リスタート手順を見直す可能性があるのかについて尋ねられたマシは、「セーフティカー時のリスタートのルールについて見直す必要はないと思っている」と答えた。
さらにマシは、セーフティカーのライト消灯が遅すぎたという指摘を否定した。
「言ってみれば、彼らは言いたい放題だ。消灯した場所からコントロールラインの距離までを考えれば、他のサーキットより短かいにしても、大差はなかったはずだ」
「セーフティカーのライトは良きところで消え、セーフティカーはピットに入る。あとは世界最高のドライバー20人の戦いなんだ」
「今日の午前に行なわれたF3のレースでも、ジュニアカテゴリーを戦うドライバーたちがF1と非常に似たような形でリスタートをした。でも彼らは非常にうまく、事故を起こすことなく進んでいった」
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