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マクラーレンがロシアGPの勝利を逃した本当の理由は? ドライとウエットの分岐点は”50周目”

F1ロシアGPで優勝を目前にしながら、失意の結果に終わったマクラーレンとランド・ノリス。ファクトリーに戻ったチームは、一連の出来事について調査を開始するだろう。

Daniel Ricciardo, McLaren MCL35M, enters the pits

Daniel Ricciardo, McLaren MCL35M, enters the pits

Mark Sutton / Motorsport Images

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 F1第15戦ロシアGPは、ランド・ノリス(マクラーレン)が首位を走っていながら、終盤の雨で順位を落とし7位でフィニッシュするという、チームにとっては失意のレースとなった。

 チーム代表であるアンドレアス・ザイドルは決勝レース後、『「Hindsight WhatsApp(後知恵の会)」というグループがあり、すぐにノリスをピットインさせてインターミディエイトタイヤを履かせるべきだったと結論づけている』と冗談めかして語っていた。

 だが当然、チームはファクトリーに戻り、より詳細な分析を行なうだろう。

 ノリスが勝利を失った決定的な数分間を調べてみると、F1ではよくあることだが、ノリスやピットウォールにいた誰かひとりがミスをしたわけではないことが分かる。

 複数の判断とその影響があったからこそ、マクラーレンはコースが濡れすぎているにも関わらず、ノリスをスリックタイヤで長く走らせてしまったのだ。

 ではなぜ、マクラーレンは誤った判断をしてしまったのだろうか。それを分析していこう。今回はその1回目だ。

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天気予報のせいなのか?

 マクラーレンが正しくない気象情報に基づいてタイヤの判断を下したというのは、簡単に考えつくひとつの推論だろう。もしもマクラーレンの気象システムが、レッドブルやメルセデスなどのチームと違う情報を伝えていたとしたら、それは明らかな弱点となる。

 しかし数十年前のように各チームが独自に気象情報を得ていた時代と異なり、近年は全てのチームが共通のサービスを利用している。

 2017年からはメテオ・フランス社が、チームやFIA、FOMに同じデータと情報を提供している。

 メルセデスのトト・ウルフ代表は、チームがルイス・ハミルトンにピットインを命じ、インターミディエイトタイヤを履かせたのは、他のチームと全く同じ気象情報に基づいた判断だと明言した。

「それ(判断の根拠)は、FIAの公式気象チャンネルであるメテオ・フランスだ。それは誰もが利用できるものだ」

 つまり、マクラーレンが見ていた気象情報が間違っていたわけではなかった。

勝負を分けたピットインのタイミング。分岐点は50周目

 ロシアGP終盤の天候変化で決定的だったのは、雨がひどくなるタイミングがいつか、路面のグリップにどんな影響を与えるのか、不確実だったことだろう。

 もしレース中盤に雨が降ってきて、しばらく路面が濡れたままになる可能性が高ければ、インターミディエイトタイヤに交換するというのは当然の判断だろう。

 しかし雨が降るタイミングが残り3~4周になると、判断はより難しくなる。25秒ほどのピットストップのロスタイムで、大きく順位を落とすことになるからだ。

 マクラーレンの場合、ハミルトンがピットインして大きく後退すれば、インターミディエイトタイヤで1周10秒近く速く走れたとしても、ピットインする意味がないことが分かっていたのだ。

 確かに、ハミルトンがピットインした直後はコンディションが好転しているように見えたため、ピットに入るという選択は間違っていたと思われる局面があった。

 雨が降り出してから、フィニッシュまでの8周のラップタイムを比較していこう。

Lap ノリスのラップタイム ハミルトンのラップタイム
46 1m39.120 1m38.942
47 1m42.783 1m42.612
48 1m54.639 1m55.730
49 1m52.785 1m56.879 (ピットイン)
50 1m57.502 2m06.316 (インターミディエイト)
51 3m11.081 (ピットイン) 1m53.532 (インターミディエイト)
52 2m16.377 (インターミディエイト) 1m52.659 (インターミディエイト)
53 1m52.417s (インターミディエイト) 1m51.465 (インターミディエイト)

 49周目に注目してほしい。この周終わりでハミルトンがピットインしているが、ノリスのラップタイムは48周目よりも速くなっているのだ。

 このレースで2位となったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、48周終わりにピットイン。アウトラップ(49周目)は2m07.650、翌ラップ(50周目)は1m52.546というタイムで走っており、50周目が分岐点だったことを示している。

 コンディションが安定していたなら、ノリスがステイアウトしたのは理にかなっている判断だった。この時点では、ピット作業によるタイムロスは、スリックタイヤで走り続けることによるタイムロスよりも大きかったからだ。

 しかし雨がひどくなってくると、スリックタイヤでのペースは大きく落ちた。そして、ノリスがピットインしなければならないと気づいたときには、もう遅かった。

 マシンをコースに留めることも難しい状況となり、ノリスはスピン。インラップにあたるノリスの51周目とハミルトンの50周目を比べると、ノリスはここで1分以上タイムをロスしてしまったのだ。

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