メルセデス、F1 2022年シーズン導入のエタノール混合燃料E10は「ハイブリッド時代最大の変化」
メルセデスF1のパワーユニット部門を率いるハイウェル・トーマスは、F1が2022年シーズンからE10燃料を導入することは、F1がハイブリッド時代に入って以降最大のレギュレーション変更になると語っている。
写真:: Steve Etherington / Motorsport Images
メルセデスF1のパワーユニット(PU)部門「HPP」のマネージングディレクターであるハイウェル・トーマスは、バイオ成分の含有率が5%から10%まで引き上げられたE10燃料が2022年シーズンから導入されることは、ハイブリッド時代にF1が入って以降、最大のレギュレーション変更になると考えている。
メルセデスとホンダ、フェラーリ、ルノーという4社のPUメーカーは、2022年シーズン以降開発が凍結されるPUの“総仕上げ”と並行して、各燃料サプライヤーと共にE10燃料への最適化を行なってきた。
E10燃料の導入による変化の大きさは、レッドブルとホンダの関係からも見て取れる。
レッドブルは、昨シーズン限りでのF1撤退を表明していたホンダから知的財産権を譲り受け、独自のPU開発部門である「レッドブル・パワートレインズ(RBP)」を設立。2022年からはホンダのサポートを受けつつ製造・組み立てを行ない、2026年から導入される次世代PUの研究・開発を進める計画になっていた。
しかし先日、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、RBPは依然として“新参者”であり「(PUを)2025年まで日本で製造する」として、ホンダが2022年以降もレッドブルとアルファタウリに全面的なサポートを行なう計画へ変更されたと語っていた。
2022年シーズンのE10燃料導入に関し、メルセデスHPPのトーマスは次のように語っている。
「毎年のことではあるが、(チームの燃料サプライヤーの)ペトロナスとタッグを組んで、PUが燃料に適していて、燃料もPUに適応したモノとなるように、開発を行なっている」
「今年からE10燃料になることは、おそらく2014年以降で最大のレギュレーション変更と言えるだろう」
「その燃料をしっかり開発するのは、相当な仕事だったし、単気筒燃焼テストやV6のダイノテスト、その他にもいくつもテストがある。だから、どれだけの労力がかかっているかは過小評価されるべきではない」
Petronas fuel
Photo by: Sutton Images
また今回のレギュレーション変更は、バイオ成分の含有量引き上げだけではなく、使用するバイオ成分がサステナブルなエタノールでなくてはならないという点をトーマスは強調した。
「ハイブリッド時代に入ってからは、ずっと燃料にはバイオ成分が含まれていた。今までは、体積比で5.75%のバイオ成分を含むことが条件だったのだ」
「今年はその割合が上がり、10%になった。そして、これまではどのバイオ成分を使うかは自由だったが、今後はエタノールを使わなければならなくなった」
「使用するバイオ成分をエタノールに変えたことで、エンジンの燃料に対する反応が少し変わってくる。パフォーマンスの面では、十分満足できる部分もあれば、正直言ってあまり満足できない部分もある」
「我々がすべきことは、燃料とハードウェアの両面で可能な部分を変え、好ましい効果を最大化し、好ましくないモノを最小化することだ」
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