メルセデス、F1イギリスGPにアップデートを投入。サイドポッド周辺部を中心に最適化
メルセデスF1チームは、5連勝中のレッドブル・ホンダとの差を縮めるべく、第10戦イギリスGPでバージボードやフロアのアップデートを行なった。
写真:: Giorgio Piola
5月の第4戦スペインGP以降、勝利を挙げることができていないメルセデスF1チーム。第10戦イギリスGPでは久々に空力パーツのアップデートを行ない、タイトルを争うレッドブル・ホンダとの差を縮めようとしている。
レッドブルがレースごとに積極的に空力パーツのアップデートを行なってきたのに対し、メルセデスはこれまでのところ修正プログラムの一環としてフロアとディフューザーに細かい調整を施す程度に留まっていた。
それに加え、メルセデスはすでに開発のリソースを新しいレギュレーションが導入される2022年のマシンにほぼシフト。今季マシンのアップデートは今回のパッケージが最後となる可能性を示唆している。
オーストリアGP時のメルセデスW12のサイドポッド周辺部
Photo by: Alessio Morgese
今回持ち込まれたアップデートは視覚的に劇的な変化をもたらすようなモノではないが、気流をより良く管理できるよう、細かい変更が行なわれている。
バージボードとサイドポッドディフレクターは、より調和のとれたデザインに変更され、ブーメラン形状のウィングレットは複数のレイヤーに分かれている。
サイドポッド・ディフレクターアレイのベース部分には、”r”字形状のふたつのベインが備わっていたが、背が低く横長の3つ目のベインがメインのディフレクター下部に追加されている。
メインのディフレクターはサイドポッド上部と切り離されている。水平方向のウイング先端は上向いており、気流を制御している。これはレッドブルなども採用している手法だ。
これらの変更に伴い、すぐ後ろのエリアも最適化されている。フロアのエッジには、外側に向かって角度をつけた4枚のフィンが搭載されている。
メルセデスのフロアは、エッジが波打つ特徴的なデザインだったが、その波がひとつに減らされ、取り付けられたフラップも2ピースに変更されている。
しかしメルセデスのドライバーたちは、マシンの改良に関するチームの努力を称賛しつつも、劇的な変化は期待していないようだ。
「マシンには多くの変更が加えられているけど、レースで見られた(レッドブルとの)差を大幅に変えるようなアップデートじゃない。でも、ギャップを素早く詰めるという点では間違いなく役に立つ」
ルイス・ハミルトンは、アップデートについてそうコメントしている。
またバルテリ・ボッタスは今回の変更により、チームとしてどれくらいのラップタイム向上を期待しているかと訊かれると、次のように答えた。
「具体的な数字は言えない。大きなものでも、小さなものでもないよ。でもどうなるか見てみよう。金曜日になれば、マシンの1周の速さがどうなってるか分かってくると思う」
金曜日に行なわれた予選では、ハミルトンがマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を僅差で抑え、トップタイムを記録した。これはアップデートの効果なのか、地元の大声援を力に変えたハミルトンの功績なのか……土曜日のスプリント予選レース、日曜日の決勝レースでアップデートの真価が徐々に見えてくるだろう。
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