メルセデス代表、アブダビGPでの裁定に“幻滅”も「ハミルトンにはレースを続けてほしい」
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、ルイス・ハミルトンがアブダビGPの騒動に“幻滅”し、F1から離れるようなことがないことを望んでいる。
写真:: Charles Coates / Motorsport Images
最終ラップの大逆転劇でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がチャンピオンを獲得した2021年のF1最終戦アブダビGP。ルイス・ハミルトン(メルセデス)はレースの大半をリードしながらも、終盤に出動したセーフティカーが彼に味方せず、タイトルを逃す形となった。メルセデスのトト・ウルフ代表は、この結果に幻滅しているようだ。
メルセデスはこのセーフティカー出動時のレースディレクションについて抗議。その抗議は棄却されたため、彼らは上訴する意向を示していたが、最終的に訴えを取り下げることを16日(木)に明らかにした。ただハミルトンとウルフ代表は、同日に行なわれたFIAの年間表彰式を欠席した。
ウルフ代表は、自身とハミルトンがこの苦痛を乗り越えるのに苦労するだろうとした上で、このような物議を醸す形でタイトルを逃したハミルトンが、失望してF1を去ってしまうようなことがないことを望んでいる。
「ルイスも私も、今は幻滅している」
ウルフはそう語った。
「このスポーツ自体には幻滅していない。我々はこのスポーツを心の底から愛しているし、ストップウォッチは決して嘘をつかないから好きなんだ」
「しかし、競技の公平性という基本的な原則が壊されてしまったら、ランダムな意思決定に左右されることとなり、ストップウォッチは途端に意味をなさなくなる。それには明らかに嫌気がさしている」
「汗と血と涙を流して取り組んできたことが、コース上での結果に本当に繋がるのかどうか、疑問を持ち始めた。その頑張りを無作為な形で無駄にされるかもしれないからだ」
「あの日曜日に受けた苦痛を、我々は乗り越えることができないだろう」
さらにウルフはこのように続ける。
「ルイスにはレースを続けてほしい。彼は歴代でも最高のドライバーだ」
「過去4レースを見てみると、彼はレースを支配していた。彼の勝利に疑いの余地はなかった。そしてその活躍はワールドチャンピオンにふさわしいものだった。彼はレーシングドライバーとして絶頂期にあるからこそ、彼の心は『レースを続けなければいけない』と言うだろう」
「しかし、我々はこの苦痛を乗り越えないといけない。起こったことについて理解するのは難しい」
またウルフは、チームの抗議とその取り下げの両方にハミルトンの意思決定が関わっていたと明かし、自分たちは法廷闘争でチャンピオンを獲得することを望んでいなかったと付け加えた。
ただ、アブダビGPでの“フリースタイル”なレギュレーションの解釈によりチームが残酷な仕打ちを受けたことには納得がいっておらず、抗議を取り下げることは非常に困難だったと語った。
「全ての意思決定が共同で行なわれた」とウルフは言う。
「我々はルイスと共に、抗議をすること、上訴をすること、そしてそれを取り下げることを決定した。彼にとってだけでなく、我々チームとしても、チャンピオンの行方を左右するような決定を迫られることは辛いことだった」
「しかし我々は誰も、法廷でチャンピオンを勝ち取りたいとは思っていなかった」
「その一方で、我々はあの日曜日に不当な扱いを受けた。これは単なる誤審という訳ではなく、フリースタイルなルールブックの読み方によるものであり、まさにルイスを“カモ”にしたのだ」
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