メルセデス、ポーポイズ現象の対策は急務? テスト最終日は”応急処置”の補強ステーで対応
メルセデスはバーレーンで行なわれる次のF1テストに向けて、ポーポイズ現象の対策も含め、マシンに多数の空力アップグレードを加える可能性がある。
写真:: Giorgio Piola
バルセロナで行なわれた今季最初のF1プレシーズンテスト。3日間の日程が終了したが、多くのチームがポーポイズ現象に悩まされた。
この現象の発生は、今季からF1マシンがグラウンド・エフェクトを活用するクルマになったことが原因だ。路面の凹凸で車高が変化するなどの要因で、フロアに設けられたヴェンチュリ・トンネルが生むダウンフォースが変動し、マシンの上下動が増幅されてしまうのだ。メルセデスは、このポーポイズ現象の影響を最も色濃く受けていると考えられている。
メルセデスはこの問題を克服するため、テスト3日目にフロアに補強ステーを追加(写真の矢印)。高速走行時のたわみを抑制していた。
しかしながら、この解決策はシーズンが開幕してからもそのまま使えるものではないとチームは理解しており、3月10日~12日にバーレーンで行なわれる次回テストに向け、マシンの修正と長期的な解決策の発見に集中することになるだろう。
バーレーンのテストでは、空力パーツの大幅なアップグレードによってメルセデスのパフォーマンスが引き上げられる可能性もある。バルセロナのパドックでは、ストレートでのドラッグをさらに減らし、気流をうまく管理するためにサイドポッド周辺を大幅に改良するのではないかという憶測さえ流れている。
メルセデスは、2019年最初のプレシーズンテストでかなりベーシックなマシンを走らせた後、2度目のテストでマシンをアップデートし、開幕から強さを発揮した前例がある。彼らが2度目のテストで”本領を発揮”するというストーリーは、十分考えられるのだ。
ジョージ・ラッセルは、新レギュレーションのポテンシャルへの理解が徐々に深まっていくため、チャンピオンシップ序盤でのアップグレードは一般的に行なわれるだろうと語った。
「すべてのチームで見られることだと思う」
「大規模なレギュレーション変更があったんだ。僕たちはみんな、マシンをどうするべきか、可能な限り最善の予測をしてバルセロナに到着しているんだ」
「でもコース上では、明らかに人々が予想していたものとはかなり違うことがたくさんあった。だから僕たちは、制限がある中で最適化を図る必要がある」
「バーレーンでも、そしてシーズンを通じても変化が見られると思う。その中で最も早く、最も効率的に開発を進めることができた者が、シーズン終了後にトップに立つだろう」
テスト最終日をワンツーで終えたメルセデスだが、ラッセルはポテンシャルを測るという意味でラップタイムは全く意味がないと語った。
「(各チームのポテンシャルには)かなり興味があるけど、僕たち全員にとって予想外の問題がたくさんあった。それがかなり目につくんだ」
「うまくコントロールできているチームもあれば、明らかにそうではないチームもある。ラップタイムについて言えば、パフォーマンスを代表するようなモノではなかったと思う」
「僕たちは一番ソフトなタイヤを履いていたし、C5タイヤはこのコースではとても強いタイヤだ。だから、たとえ僕らがタイムシートのトップに立ったとしても、あまり深読みはしない方がいいだろう」
「フェラーリやマクラーレンはとても強かったと思う。そして、マシンのバランスと現時点での限界に完全に満足しているわけではないので、いくつか改善すべき点があると思う」
「でも結局のところ、これはテストに過ぎないんだ。学ぶためにここにいる。いい実験ができたと思うし、進むべき方向性を示すことができたと思う」
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